
日本人は、Xをニュースアプリのように活用する人々として国際的に知られている。
イーロン・マスクも、Twitterを買収すると決心してから日本人ユーザーの動向を意識していたという。Twitterで政治の動向から国際ニュース、そして高速道路の渋滞情報までチェックする国民は世界広しと言えど日本人だけである。マスクがTwitterをXにする上で、極東の細長い島国を意識するのは当然の話と言える。
しかし、先日発生した令和8年熊本地震では「Twitter時代のような使い方ができない!」という不満が続出した。
Xの「おすすめ」は役に立たなかった!
Xはいくつかの種類のタイムラインを表示する機能が備わっているが、多くの人はデフォルトの「おすすめ」タイムラインから情報を得ているはずだ。
その「おすすめ」に、熊本地震関連の情報があまり差し込まれていなかったことが問題視されている。
その上で、TwitterがXになってからの改悪の一つとしてよく言われている「インプレゾンビ」が今回も跋扈。拡散中のデマ投稿にインプレゾンビが群がり、さらに広く拡散されてしまう……という悪循環も見受けられた。デマ投稿についてはTwitter時代から問題として指摘されていたが、それを餌に収益化を試みる者がいる分だけ現在のほうが状況としては深刻ではないか……という声も。
さらに、Xの現在の収益システムは「ボランティア」と称して無理やり被災地入りするインフルエンサーを生み出してしまう。今回の地震でも「しない善よりする偽善」という言葉を振りかざして、呼ばれてもいないのに被災地の避難所へ入るインフルエンサーが現れた。これは事前に計画されている住民避難に悪影響を及ぼす。しかし、インフルエンサーは己の収益のためなら批判など意に介さない。
これらのことを鑑みると、Xを「災害時でも活用できるニュースアプリ」のように使うことには無理があると言わざるを得ない。
AIエージェントに質問もできる
一方、LINEヤフーが提供するアプリ『Yahoo!防災速報』は災害発生時はニュースアプリのような機能を提供することで知られている。
此度の熊本地震でも、Yahoo!防災速報は「令和8年熊本地震 最新情報まとめ」を即座に発信した。各メディアの地震関連情報をタイムライン化する機能である。
「最新情報」「ライフライン」「被災後の注意点」に項目分けされ、さらにそれぞれの項目の中に小項目がある。道路状況や安否情報、詐欺・デマに対する注意喚起などもすぐにチェックすることができる。
筆者が「すごい!」と思ったのは、今年4月にサービスが開始されたばかりのAIエージェント『Agent i』と連携されている点だ。「ライフライン」から小項目「災害ごみの処分」をタップすると、Agent iのアイコンが出てくる。これをタップすると、AIが地震で出たごみの処分方法を案内してくれるのだ。これはまさに「AIの正しい使い方」である。
海外渡航時の情報収集手段として
地震発生後に最も気になるのは「気象情報」のはずだ。
8月は真夏で、しかも太平洋上では台風が発生する。Yahoo!防災速報では、こうしたことをチェックする小項目もちゃんと設けられている
とにかく、「無駄な情報」が一つもない。Xと違って、デマ情報やインフルエンサーが入り込む隙間がないように設計されている。これは被災者だけでなく、震災の情報を知りたい他地域在住の人にとっても重宝し得るアプリと言えよう。現に筆者は静岡県静岡市在住である。
実は筆者は、1月にもYahoo!防災速報に関する記事を書いている。
海外旅行中に日本で地震発生!たまたまダウンロードしていた「災害速報アプリ」に救われた話
12月8日夜、筆者は日本にいなかった。詳しいことは後述するが、中国・昆明の長水国際空港にいたのだ。 成田発の旅客機に乗り、中国に到着。タラップを降りてバスに乗り…
この時は、タイに渡航する意図で経由地の中国・昆明に降り立っていた。預入荷物の受け取りの際にYahoo!防災速報の機能が発動し、青森県八戸市で震度6強の地震が発生したことを知ったのだ。
海外に渡航している場合、日本で発生した震災の情報は現地のテレビでは報道されなかったりする。だからこそ、日本製の災害速報アプリをダウンロードしておく必要があるのだ。
「21世紀の利器」をフル活用するために
数百年後に21世紀の歴史が総括される日が訪れるとしたら、「21世紀を象徴する発明品」はやはりスマホである。20世紀はテレビとコンピューター、19世紀はカメラと電話と電信、18世紀は蒸気機関になるだろうか。
2009年8月11日の駿河湾地震の時、筆者は地元静岡市ではなくベトナムのホイアンにいた。これは駿府城が一部崩壊したほどの災害で、筆者はホテルのロビーのテレビでそれを知った。当時は海外でローミングができる携帯電話はなく、海外旅行の最中に日本で発生した災害を知る方法はテレビしかなかったのだ。静岡市の様子を報道してくれたBBCには感謝してもし切れない。
それから17年。我々はスマホという21世紀最大級の発明品を手にしている。この利器を「命を守る道具」としてフル活用するためには、Yahoo!防災速報のダウンロードは避けて通れないと言い切ってもいいだろう。
文/澤田真一




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