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睡眠中の異変も教えてくれる!刷新されたSamsung Healthアプリを「Galaxy Watch9」で試してみた

2026.09.07

8月7日より、サムスンの新しいスマートウォッチ「Galaxy Watch9」、「Galaxy Watch Ultra2」が発売されている。今年はハードウエア的なステップアップは控えめになっている一方で、専用のSamsung Healthアプリには、AIを活用した新機能が多数搭載されている。

ここでは、Samsung Healthアプリの新機能を中心に、サムスンが提供するウェアラブルデバイスの現在地について、レビューをお届けする。

「Galaxy Watch9」のハードウエア面での進化は控えめ

今回はGalaxy Watch9の44mmモデルにて、Samsung Healthの機能を検証した。8月7日に発売されたGalaxy Watch9だが、ハードウエア面での前モデルからの進化は控えめだ。

細かなアップデートポイントとしては、バッテリー容量の増加、ディスプレイ輝度の向上、プロセッサの刷新が挙げられる。特にわかりやすいのがバッテリー容量の増加で、筆者の使い方では、丸2日程度は駆動する印象だ。1日1回、お風呂のタイミングなどで充電をしておけば、就寝時も安心して着けていられる。強いていえば、専用の充電器が必要なのが難点といったところだろう。

ディスプレイ輝度の向上、チップセットの刷新は使用感に直結するアップデートだと感じる一方、前モデルからある程度優秀だったことから、進化幅としては小さく感じてしまう。ただし、2世代以上前のGalaxy Watchユーザーであれば、恩恵は存分に感じられるはずだ。

AIを統合した新しいヘルスケア機能を搭載

ハードウエア面での進化が小粒な代わりに、Samsung Healthアプリには新機能が多数追加されている。サムスンのスマホに搭載されている「先回りするAI」ことNow Nudgeに近いコンセプトで、身体に何が起きているのかを測定しながら、「次に何をするべきか」の提案を行えるようになったのがポイントだ。

新機能の1つが「バイタルサイン」。睡眠中に多数の健康指標を継続的にモニタリングし、正常値から外れたデータがある場合に通知されるというものだ。記録できるデータは心拍数、心拍数変動、呼吸数、皮膚温度、血中酸素レベルの5項目となる。

スマートウォッチは、就寝時のデータを包括的にまとめられるのが1つの魅力だが、起きてすぐに全てのデータを確認するのは少々面倒である。睡眠時の状態をまとめてチェックできるのは楽なのに加え、閾値外のデータがあった場合には通知が届くため、わざわざ確認をしなくてもいいとすらいえる。

また、新たに心臓の健康スコアを測定する機能も追加されている。前7日間の睡眠時間の平均、中負荷から高負荷の運動、血管負荷、BMIといった数値をもとに、心臓の健康状態に関するスコアが算出される。他社スマートウォッチにはあまりない機能であり、どこまで正確な数値かは未知数ではあるが、1つの参考値として活用するには十分ありがたい機能だ。

ワークアウト機能としては、1日の有酸素運動負荷を記録する機能が追加されている。運動量、推定回復状況などから、ユーザーに最適なトレーニングガイダンスが提供される。フィットネス指数機能により、日常のパフォーマンス向上のための目標設定も提案される。

これらの新機能追加に合わせ、Samsung Healthアプリ自体のデザインも変更された。上部にタブが複数用意され、データを種類別に振り分けることで、自分が知りたい情報へと簡単にアクセスできるようになっている。見やすさがアップしているのは便利だが、個人的には左右へのスワイプでタブが切り替えられるようになって欲しいと感じる。

ホームタブの最初の画面には、収集した睡眠、運動といったデータをもとに、パーソナライズ化されたアドバイスが表示される。Google Healthアプリなどと同じアプローチではあるが、健康管理の一般論を語られるよりも、個人に合わせたアドバイスを得られる方が、よほど建設的であり、わざわざウェアラブルデバイスを装着している意義を強く感じられる。

フル機能を使い始めるまでのハードルがやや高い

機能の詳細を記載する前に、全体的な仕様に対する細かな不満を伝えておきたい。サムスンのスマートウォッチシリーズは、ハードウエアの管理にWearアプリを使い、健康管理にはSamsung Healthアプリを使う。

目的が分かれたアプリであり、それぞれのアプリから、もう一方のアプリを直接開くショートカットも用意されているが、やはり2つのアプリを横断するのはやや面倒だ。同じような立て付けになっているメーカーは多数あるが、2つのアプリをインストールして使い分けるのは、スマートウォッチ初心者に強いるハードルとしてはやや高いように感じる。

もう1つ、これは筆者の生活リズムが一般的ではないが故に生じるものであるため、難癖に近いのだが、多数搭載された新しい健康管理機能の中には、数日間の装着、特に睡眠時の装着を1週間程度行うことで、初めて動作するものがある。この睡眠計測がなかなかシビアで、1回の就寝で4時間以上かつ、間に起きてしまった場合は2時間以内に再度就寝をしなければカウントされない仕様になっている。

また、自身の平日、休日を設定することで、平日前夜の就寝、休日前夜の就寝と分けてデータを収集し、睡眠コーチングに役立てられるのだが、基本データの取得には、平日前夜が数回、休日前夜が数回といった形で、それぞれの就寝データを蓄積する必要がある。

つまり、休日が週に1日、土曜日の場合は、金曜日の睡眠時間が4時間以下になってしまうと、基本データを作成するのに、プラス1週間かかってしまう。「休日は朝からゴルフに行く」といったモチベーションの高い人が、うっかり夜更かしをしてしまうと、それだけで向こう1週間はフル機能が活用できなくなるというわけだ。

より正確なデータをユーザーに提供するための準備期間ということは重々理解できるが、それにしても流石にシビアな設計になりすぎている気がする。購入してしばらく、フル機能が利用できない状態となると、就寝時にスマートウォッチを装着する習慣がつく前に見放されてしまうリスクもあるだろう。

今回使用したGalaxy Watch9は、40mmモデルが6万6980円から、44mmモデルが7万3370円から。LTEモデルを選択した場合は、それぞれプラス1万6500円となる。一昔前であれば、それなりのスマホが購入できた金額だけに、高いと感じざるを得ないのは事実だが、円安、部材高騰といった情勢を恨むしかないだろう。

使い始める、慣れるまでのハードルがそれなりに高く、初心者にとにかくおすすめというデバイスではないのが残念なところではあるが、最初の設定、基準値の測定さえ終われば、動作性、機能面ともに優秀なスマートウォッチであることは間違いない。2世代以上前のGalaxy Watchシリーズを使っているユーザーや、他社スマートウォッチを使っている人であれば、十分に納得のいく完成度だろう。

取材・文/佐藤文彦

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