グーグルのスマホやスマートウォッチ、ホームデバイスの購入ができる「Google Store 表参道」が、8月13日より日本でオープンした。
立地は表参道と原宿の間あたりで、ラフォーレ原宿の向かい。明治神宮前駅から徒歩1分の好立地となる。スマホ好きにわかりやすくいえば、Galaxy Harajukuがすぐそばに見え、数分歩けばApple Storeにも辿り着く、なかなか痺れる位置でもある。
Google Storeがオープンするのは、アメリカの10店舗を除いて初となる。かねてよりGoogle Pixelシリーズは日本で広く受け入れられており、グーグルも日本市場を重視していると明言している。ストア展開においても、この考えが反映されたことが伺える。
表参道という立地については、グーグル初の海外オフィスが日本の渋谷であったことから、縁のある場所と紹介されている。トレンドの発信地である表参道、原宿エリアにて、物理的な顧客接点を持つことも狙いの1つとなる。
3フロアで別の体験を提供するGoogle Store 表参道
Google Store 表参道は、地下一階から2階までの3フロア構成となっており、それぞれで別のサービス、体験が提供される。
■グーグルの各製品が並ぶ1階フロア
1階には、グーグルが現在日本で展開しているプロダクトが一挙に公開されている。スマホのGoogle Pixelシリーズを中心に、Google Pixel WatchやGoogle Homeスピーカー、スマホケースやウォッチバンドといったアクセサリーも展示しており、実物を手に取りながら試すことができる。
展示されているPixelスマホは、発表されたばかりのPixel 11シリーズが中心となっている。内装は今回のPixelスマホで採用されたカラーを反映させており、ピンク色のハイビスカスを模した造花や、オリーブの木の枝を模した展示などが用意されている。ハイビスカスの花の中心には、ウォッチバンドを加工する上で生まれた端材などが再利用されている。
製品が展示されている1階だけでなく、地下1階から2階まで、各フロアで製品の購入ができる。充電器やケーブル、Pixelsnapのアクセサリなども置かれているため、ふらっと立ち寄り、純正モデルを購入できるのもリアル店舗を構える良さだろう。
■AI体験フロアで楽しめる5つの体験サービス
Google Store 表参道の2階には、フロア全体をAI体験に特化させたフロアが開設されている。これはアメリカのGoogle Storeを含めて初の試みとのこと。ここでは、創造力とGoogleの最先端イノベーションが融合する場所として、PixelやAIを没入して体感できるよう設計されており、現在は5つの体験を無料で堪能することができる。
・インタラクティブアート体験
フロアに入ると、まず足元の動きに反応するインタラクティブアートが迎える。自身の動きに合わせて砂の粒子が舞い上がり、最終的に文字が浮かび上がる仕組みとなっている。奥には鏡が設置されており、没入した体験をしながら自撮りを楽しむことができる。
・ドローイング体験
ドローイング体験では、自分の写真を撮影してエフェクトを選ぶと、静止画や動画が新たに生成される。AIで加工をしてくれるプリクラのような体験だ。静止画はデータとプリントの両方で持ち帰ることができ、動画はデータでの提供となる。1人でもグループでも楽しめる設計で、アメリカでも展開されているコンテンツだが、表参道店には限定のエフェクトが用意されている。
・超解像ズーム体験
新発売のPixel 11シリーズの目玉機能である120倍超解像ズームを実際に体感できるデモである。画面に進んでズーム操作をすると、最大倍率までズームした様子を体で体感することができる。
・アバター生成
日本のカルチャーに着想を得た、表参道店限定で初公開の体験である。原宿の時代にインスパイアされた「原宿風」や「ストリート風」といったエフェクトを選んで撮影すると、世界に一つだけのオリジナルアバターが生成される。生成されたアバターはデータとカードの形で持ち帰ることができる。
・プロジェクションミーティング体験
Geminiを使った体験となっており、プロンプトを入力すると、仮想の3D世界が広がり、Pixelをコントローラーとして動かすことで、その中で新しい空間がリアルタイムに生成されていく。
・表参道限定モデルを含むグッズも展開
フロアの左奥には、日本公式Google Store限定モデルを含む販売スペースが設置されている。
「表参道」の文字が入ったスタイルバッグなど、限定アイテムを含む、全25種類のアイテムが購入できる。
■地下1階はカスタマーサポートの拠点に
地下1階は、よりリアルなカスタマーサポートの場として機能する。
ヘルプカウンターでは、PixelスマホやPixel Watchの修理を直接受け付ける。部品の在庫状況によっては最大2時間以内での即日修理も可能。予約なしでの来店も受け付けているが、スムーズなサービス提供のためにオンライン予約が推奨されている。
なお、これまでGoogleが直接運営する修理拠点は存在せず、サードパーティーによる正規修理サービスも提供されていなかったため、この店頭修理サービスは画期的な取り組みといえる。
また、Googleストアオンラインで注文した製品をここで受け取ることもできる。受け取りの際には、QRコードを提示するだけとなるため、面倒な手続きがいらないのも魅力だ。加えて、製品の返品や返金、下取り手続き、延長保証サービス「Pixelケアプラス」の追加手続きも行っている。
ヘルプカウンターの向かいには、1人ひとりのニーズに合わせた個別コンサルティングを提供する専用スペースが設けられている。新しいスマホの初期設定、データ移行、Fitbitの利用開始方法、Google Nestデバイスとの連携など、Googleエコシステム全体にわたるサポートを提供する。この個別相談ブースも、オンラインでの予約が可能だ。
そのほか、地下1階にはグーグルの壁面には、Googleのサステナビリティへの取り組みを視覚的に伝える「サステナビリティギャラリー」や、ウォッチバンドの端材を使用して作られたアート作品などが飾られている。
スマホメーカーがリアル店舗を持つ絶対的な強み
スマホメーカーの実店舗展開としては、近年はXiaomiが大きく力を入れている。従来、携帯電話やスマホはキャリアから購入するのが一般的だったが、近年はECサイトや家電量販店で、オープン市場向けモデルも展開されており、必ずしもキャリアを経由して端末を購入する必要がなくなってきている。
そのため、メーカーとしては、キャリアとは別にユーザーと直接接するポイントを持つことが強みとなる。店内の雰囲気も含め、スマホシリーズのコンセプトを懇切丁寧に説明できる拠点は、新規顧客の獲得という意味で有利に働くはずだ。
また、Google Store 表参道のヘルプカウンターのように、困った時に相談、修理ができる場所が用意されている意義も大きいだろう。スマホの価格が高騰している今、以前にも増して気軽に機種変更ができなくなっていることからも、修理対応や保証サービスの相談ができる場所が、リアルに用意されているメリットはあるはずだ。
Google Store 表参道は、日本だけでなく、世界的に見てもアメリカ以外では初の店舗となるため、今後グーグルがどのように店舗を展開していくのかは未知数だが、ユーザーとの接点が増える利点は多分にある。これを皮切りに、都市部だけでなく、さまざまな場所でスマホメーカーの店舗ができていくことにも期待したい。
取材・文/佐藤文彦
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