2026年8月30日から9月5日までは、毎年行われる「防災週間」だ。この夏、日本各地で地震、水害被害に見舞われ、防災意識が高まっているはずだが、改めて防災に対する準備を行いたいところだ。
すでにこの@DIMEでは「緊急提言! 災害時における車内での過ごし方の注意点」、「災害時の緊急避難場所として活躍!車中泊と電源供給が可能なクルマ5選」、「おすすめは2Lより500mlのペットボトル!断水経験者が語る災害発生時も安心できる水のストック方法」といった防災記事を公開しているが、今回は一次避難時に役立つ、防災ベストの紹介である。
すでに防災リュックを用意している人も多いに違いないが、いろいろとあれこれ詰め込んでいるうちにリュックが重くなり、歩き、走りにくくなり、リュックの重さで避難に疲れてしまうことも想定できる。そこで我が家では、家族一人一人が、避難リュックとともに、あくまで一次避難用として家族それぞれが中味を吟味した防災ベストを用意している。
しかも、防災ベストは避難先でも役立つ。避難所などに身を寄せる際、常時必要なもの、お財布などの貴重品を肌身離さずいられる安全・安心も防災ベストの強み、メリットとなりうるのだ。
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その防災ベストは専用品でなくてもいい。筆者が用意しているのはオールシーズン対応の、フィッシングなどでも活躍してくれるメッシュベスト(3600円程度)だ。タフな作りかつ軽量で、多ポケット(背中部分にも大きめのポケットを備えている)やDカンを備えているのがポイント。そして重要なのが、中身を詰め込んだときを想定し、1~2サイズ大きめのものを選ぶこと。実は、身長172cm、体重65kgの筆者のベストは、最初にMサイズ(バスト106×肩幅42×着丈61cm)を注文したのだが、なにも入れない状態ではピッタリだったものの、多ポケットに防災用品を入れていくと、そのぶんベストが膨らみ、前のジッパーが締まらなくなったことから、改めて2サイズ上のものに買いなおした経験があったのだ。
普段使いの財布が入るポケットがあることが重要
そして、多ポケットのうち、自身が使っている財布が入るポケットがあることもポイント。とくに長財布を使っている人は、避難時にサッと収められるサイズのポケットが不可欠だからだ。筆者の災害ベストは幸い、左右一番下のL字ジッパー付きのポケットが、長財布が入るサイズとなっている。ただし、地震などで緊急避難する際、「普段使いの財布が見当たらない!!」という緊急事態も想定できるため、コンパクトなセカンド財布をあらかじめ防災ベストに入れておくことを推奨する(100均で手に入るストラップ付ミニ財布もお薦め/実際に使用)。中味は小銭1000~2000円分、1000円札数枚があれば十分だろう。このキャッシュレス時代に現金にこだわるのは、災害時、コンビニに駆け込むにしても、スマホ決済やクレジットカード決済ができない可能性があるから現金の所持は必須である。また、災害時に強いとされる公衆電話での通話、連絡のために10円玉10枚程度、テレフォンカードも用意すべきだ。
防災研究家でもある筆者の防災ベストに入っているアイテムとは
さて、ここからは防災研究家でもある筆者の防災ベストに入っているものを紹介しよう。
左右にふたつあるDカンにはキーホルダータイプのLEDライト2個、防犯ブザー、スマホストラップ、そして折り畳み式のサファリハットが吊り下がっている。キーホルダータイプのLEDライトは手に持たずに足元を照らしてくれて、左右2個あるのは電池切れに対応するためだ(スペアの電池も用意)。防災ブザーは緊急時、あるいはどこかに閉じ込められた際に、ホイッスルより音量が大きく、ホイッスルを吹くことでの体力消耗を防げるメリットがあると考えている。もちろん、災害に乗じた犯罪の防犯に使えるわけだ。折り畳み式のサファリハットは雨、直射日光から頭を守るためである。もちろん、避難時にはヘルメットの着用が必須だ(ヘッドライト装着済み、氏名、連絡先、血液型の記載シール張りつけ済み)。
そして前部の一番大きなポケット左右の片側は、すでに説明した、普段使いの財布を入れるスペースとして空けてあり、もう片側には災害用のセカンド財布をあらかじめ入れてあるのだ。
小型軽量なモバイルバッテリーとケーブルは必須のアイテム
そのほかの多ポケットに入れてある基本的なアイテムの電装品としては、災害時の命綱になりうるスマートフォンを充電するためのモバイルバッテリー(10000mAhは重いので5000mAhのものと、モバイルバッテリーを防災ベストに入れたままスマホに接続できる1mの長さの高速USB充電ケーブル)、一次避難先でスマホを充電できる場合に備えたスマホ用AC12V電源ケーブル、眼鏡が必要な人ならスペア眼鏡、老眼の人は老眼鏡(コンパクトなルーペでも代用可)、キーホルダータイプのLEDライトのスペアボタン電池などだ。
衛生用品や救急セットも忘れずに
避難時には衛生に気を使うことになるため、マスク数枚、アルコールタイプのウェットティッシュ、アルコールジェルなどは必須である。
さらに救急セット(筆者の場合は消毒液、減菌ガーゼ、バンドエイド、ハサミなど)、ミニタオル、圧縮タオル、ポケットティシュ数個、常備薬、口内衛生のための歯ブラシセット、抗菌折り畳みコップ、のど飴(災害現場ではホコリが舞い、喉を傷める可能性があるため)もあると安心できる。
意外かも知れないが、ミニノート&ペン、マーカーといった文具品も災害現場では役立つ。災害のメモ、伝達、私物へのマーキング(氏名など)に、である。
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非常用トイレやブランケット、ゴム引きの軍手もの用意も推奨
そのほか、筆者の防災ベストの内ポケットには、非常用トイレ(セイワのひざ掛け付き)、寒さ対策のアルミ製ブランケット(着替えにも)、耳栓を入れてあり、背中側の大きなポケットにはゴム引きの軍手、季節に合わせた下着類も入れてある。
そして繰り返しになるが、防災ベストは、避難所などで貴重品を含め肌身離さず携えられるメリットがある点に注目していただきたい。トイレに立つとき、洗面所に立つとき、スマホを充電しに行くとき、さらには横になって休んだときにも、身の回り品の置き忘れ、盗難を防げるのである。
防災ベストに入らない水はストラップ付ボトルホルダーで用意したい
ただし、命にかかわる水分補給のためのペットボトルの水は、さすがに防災ベストには入らない。そこで筆者は持ち出しやすい場所に、防災ベストとともにストラップ付のペットボトルホルダーに500mlの水のペットボトルをセットし、用意している。
スマートフォンはネックストラップを用いると喧噪の中でも応答しやすくなる
さらに言えば、災害時の命綱になりうるスマートフォンについてだが、衣類のポケットに差し込んでいると落とす可能性がある。で、画像の防災ベストに写っている、スマホのネックストラップも必需品と考えている。電話の呼び出し音、LINの通知音は騒然とした災害現場では聞こえにくくなる可能性があるのだが、首から下げておけば、置忘れを防げるとともに、電話の呼び出し音、LINの通知音が聞こえやすくなるというわけだ。
ここで紹介した、防災ベストの中身は、基本的なアイテムは必須としても、あくまで筆者が必要と考えているもの。実際には、各自に合わせたアイテムを厳選していただきたい。
文・写真/青山尚暉(防災研究家)
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