2024年よりDIMEにて連載中の「マンガでわかる生成AI」の原作を担当している、アステリア株式会社、および生成AI協会(GAIS)のエバンジェリスト 森一弥です。本コラムでは、読者の皆さんにとって身近な生成AIツールや新機能を、実際に触ってみてご紹介していきます。今回はちょっと異色(?)なAIサービス「Pally」を試してみます。
現在、世の中にはAIのサービスが溢れていますが、特に「ChatGPT」をはじめとした「AIチャット」は、ネットにさえつながれば利用できるサービスから、環境を揃えれば無料で使えるオープンなモデルまで、さまざまなツールが出回っています。
これらのサービスは、基本的に自分の端末(パソコンやスマホ)にアプリをインストールして使うか、ブラウザで使うのが一般的です。
仕事を任せたり、個人的な相談をしたりと 利用用途も多岐にわたり、もはや「AIツールを使ったことがない」という方も段々と少数派になってきているのではないでしょうか。
ショートメッセージで使う「Pally」
そんな中、今回ご紹介するのは「Pally」というサービス。こちらは、パーソナルアシスタントを銘打ったサービスです。使うツールはブラウザでも専用のアプリでもありません。「Pally」自体に専用の電話番号があるので、自分の端末のメッセージアプリを使って会話をします。MacやiPhoneだと「メッセージ」にあたるアプリですね。相手がAIなのを気にしなければ、メッセージで連絡する秘書や友人のようなサービスと言えるかもしれません。
米国の電話番号に直接SMSを送るのを不安に思う方もいると思いますので、先に利用規約の方を確認しておきましょう。ご自身で普段利用しているAIを通して、懸念点を確認しておくのも良いでしょう。
ポイントとしては「18歳以上」の利用が条件になっていることと、「個人ユーザー」が対象であること。またAIのサービスには仕方のないことですが、内容に誤りがある場合も当然ある、ということ。また、何かあっても保証の範囲が実質50ドルに限られていることも注意点です。
重要な業務で使ったり、クリティカルな内容に使うのは控えたほうが良いでしょう。
またプライバシーポリシーも確認しておきましょう。Pallyに入力した情報は、AI処理のためOpenAIやAnthropicなど外部のサービスで処理される場合があることも記載されています。あまりプライバシーに踏み込むデータを入力するのは控えたほうが良いかもしれませんね。
さっそく「Pally」を使ってみた
それでは早速使ってみましょう。まずはブラウザで「Pally」のページを開きます。

右上の「Text Pally」をクリックしてみます。すると「メッセージ.appを開きますか?」とメッセージが表示されました。SMSを送ることができるアプリに紐付けられているようですね。そのまま開いてみます。

すると、新規のメッセージを送るメッセージの画面が表示されました。
上部に表示される「宛先」は「+1」で始まるアメリカの電話番号になっています。(一応マスクしてあります)日本語が通じるのかな? とか、こちらのアドレスがわかっちゃうよね? と、ちょっと不安は残りますが、確認のためにもメッセージを送ってみます。

まずは「日本語が応答できるのか」を確かめてみました。「こんにちは。日本語でも会話できますか?」と入れてみると……

回答の前に「新規連絡先情報」として「Pally」を追加するメッセージがポップアップされました。これは「メッセージ」アプリが新規の宛先に送った際に出しているのか、Pallyの機能なのかわかりませんが、そのまま数秒待っていると回答が返ってきました。

日本語でも問題ないようですね。
また今後も「Pally」を積極的に使うなら、この番号を連絡帳に登録しておくのも良いかもしれません。
ちなみに、今回サービスを利用してから本記事を執筆するまでの間に大量のDMが来る、といったようなことはなかったので、その点は安心しました。
回答には「予定の確認やリマインダー設定、調べ物」とあったので、もう少しどんな事ができるのか聞いてみます。

いろいろ出来そうなことが出てきましたね。一般的なChatGPTなどのAIチャットと同等のことはできそうです。ただ、Webサイトに記載されている情報だと、無料で利用できる連携先は3つまで、などの制約があるようでしたので、無料でできることを聞いてみます。

「接続先は3つまで」ということは明確に回答してくれました。また電話に関する機能など、一部は有料プランの範囲のようです。
「WhatsAppやメールに繋ぎましょうか」と促されていますが、ちょっと怖いのでスルーして、一般的な調べ物をしてみます。

箱根のランチのお店を調べてもらいました。
それっぽい回答が返ってきましたが、自分で調べてみると、提案された「ラ・テラッツァ芦ノ湖」という店は旧店名で、現在は「芦ノ湖テラス」というお店のようです。また「山彦寿司」さんは宮ノ下ではなく、宮城野にあり、しかも現在は休業中ということがわかりました。学習したモデルの情報が古いのと、ネットでの検索は指定が必要かもしれないので、「ネットで検索して」と前置きしてリアルタイムの情報を調べてもらえるように依頼してみました。

この調査には結構手間取ったらしく、2分くらい経ってから回答が来ました。
結果は確実には調べられなかったようです。捏造した情報を出す、いわゆる「ハルシネーション」が起こらないようにしているのか、無理にそれらしい情報を出さずに回答したのは逆に好感がもてます。がっつりと調査をお願いするよりは、話し相手として軽く聞いてみるような用途が向いているようですね。また変わりやすい情報は再確認したり、別の手段で調べたほうが良いでしょう。
まとめ
今回はメッセージアプリで使う「Pally」を使ってみました。今回は調べ物として使ってみましたが、Pallyの実力を発揮するためには、やはりメールやカレンダーと連携して、AI秘書として使い込んでいくのが良さそうです。とはいえ、国内では現時点でまだあまり情報のない「Pally」に、普段遣いしているGmailを連携するのはちょっと気が引けます。まずはチャットで試して判断するのが無難でしょう。
今回は連携機能までは試しませんでしたが、実際にPallyでできることだけを見ると「ChatGPT」などのAIチャットと大きな違いは感じませんでした。一方でPallyの面白いところは、「専用のAIアプリを開く必要がない」ということなのかもしれません。
これまでは「AIを使おう」と思い立ったら、アプリを開いて使用していましたが、Pallyであれば、普段スマホなどで使っているメッセージアプリを開いて、友人に連絡するのと同じように感覚で話しかけられます。「新しいアプリ」としてAIツールが増えるのではなく、普段使っている道具の中にAIが入ってくる。そんな感覚は確かに新鮮でした。こういったAIの使い方が、今後も増えてくるのかもしれませんね。
気になる方はぜひチェックしてみてください!
森 一弥(もり かずや) https://twitter.com/dekiruco
アステリア株式会社 ノーコード変革推進室 エバンジェリスト。 テレワーク推進の波に乗り、某有名SFアニメの聖地である箱根に移住。アニメや漫画、甘いものとかっこいいクルマをこよなく愛す、気ままな技術系エバンジェリスト。 AIやブロックチェーンなど先端技術とのデータ連携を得意とし、実証実験やコンサルティングの実績も多数。見聞きしたことは自分でプログラミングして確かめた上でわかりやすく解説することが信条。 現在は AI や IoTなどの普及啓発に努め、生成AI協会(GAIS)のエバンジェリストとしても活動中。




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