平成から令和にかけて、社会や労働環境は大きく変化した。その中で、人々の「セルフケア」に対する意識はどう変わったのか?
第一三共ヘルスケアはこのほど、20年前の2006年と現在(2026年)におけるセルフケアに対する考え方や行動の変化を明らかにするため、20~70代の男女600人を対象に調査を実施し、その結果を発表した。
1. 20年前との社会環境の変化
■20年前と比べワーク・ライフ・バランスが浸透し労働環境が改善し労働時間は減少するも、疲労感は増加
平成から令和へ、この20年で私たちを取り巻く環境は大きく変化している。厚生労働省によると1人当たりの平均年間総実労働時間※1は約150時間短くなり、今回の調査でも50.8%が「1日の労働時間が減った」と回答。その推進力がワーク・ライフ・バランスで63.3%が20年前に比べ「ワーク・ライフ・バランスを意識するようになった」と回答している[図1]。
日本で現在のようなタッチパネル式スマートフォンが本格的に発売されたのは2008年7月だ※2。20年前にはなかったスマートフォンが生活に定着した現在、73.3%が「(20年前に比べ)情報が多く、必要な情報を取捨選択するのが大変」、75.6%が「(20年前に比べ)世の中の変化や物事のスピードが速く、気ぜわしいと感じる」と回答している[図2]。
※1:厚生労働省「毎月勤労統計調査」より 常用労働者1人平均年間総実労働時間2006年1,843時間→2025年1,693時間
※2:総務省「令和元年版 情報通信白書」より編集
■2026年、日本は「休んでも疲れが取れない」慢性的な疲労感が続く傾向に、約7割が「メンパを重視」。現代人の約9割が健康・体調はセルフケアが大切と回答
情報過多で気ぜわしさが増す現代社会。71.9%が「(20年前に比べ)休んでも疲れが取れない」と回答しており、疲労感が途切れず続く、慢性的な疲労社会ともいえる実態がうかがえた。こうした背景からか、73.5%が「メンパ※3を重視する」と回答している。また、87.7%が「(20年前に比べ)自分の健康や体調を自分で管理することが大切」と回答している[図3]。
※3:メンパ=心理的な負担の少なさを表すメンタルパフォーマンスの略語
2. 意識する健康テーマ、健やかさの内容の変化
■意識している健康テーマ、今は「食生活」、20年前は「人間関係・コミュニケーション」が1位
疲労回復や腸活、ダイエットなど健康に関する24のテーマを提示し、意識しているテーマを選んでもらった。20年前の意識している健康テーマは「人間関係・コミュニケーション」(19.4%)、「運動」(15.6%)、「ダイエット」(15.2%)の順、現在は「食生活」(34.4%)、「運動」(28.8%)、「疲労回復」(27.5%)の順となった。
20年前に比べ特に意識が高まった健康テーマは、「腸内環境・腸活」 (6.5%→27.3% +20.8ポイント)、「睡眠・睡眠サポート」(7.1%→27.5% +20.4ポイント)、「食生活」 (14.4%→34.4% +20.0ポイント)となった[図4]。
■現在の「健やかさ」は、心身に不調がなく、気持ちが安定しストレスが少ない状態のこと。20年前に比べ、自身の「気持ちの安定」を重視するメンパ傾向も
第一三共ヘルスケアでは、2035年ビジョンとして「ひとりひとりの健やかな人生のライフパートナー」を掲げている。そこで、「健やかさ」に該当する項目を聞いた。
20年前は「身体に不調がない」(34.8%)、「病気ではない」(31.0%)、「人間関係が良好」(25.6%)が多く、現在は「身体に不調がない」(40.2%)、「気持ちが安定」(36.7%)、「ストレスが少ない」(31.5%)が多くなっている。20年前と比べると現在は、「気持ちが安定」(19.8%→36.7% +16.9ポイント)が重視されるようになっている[図5]。また、現在自身が「健やかだと思う」と回答したのは全体の51.3%で、高齢層ほど自身の健やかさを実感している傾向が見られた[図6]。
3. セルフケアの変化
■自分自身の健康を守り、対処する「セルフケア」。2026年の実践率は58.8%、20年前の3.5倍に!
20年前に「セルフケアに取り組んでいた」のは16.9%、現在は58.8%と、この20年で3.5倍にもなっている。実践率は60代・70代が69.2%と高く、伸び率は30代が10.8%から60.0%と、5.6倍にもなっている[図7]。
セルフケアの捉え方は、20年前の「病気を防ぐ」ものから、「心を整える」「不調を未然に防ぐ」 メンパ重視の“先回りセルフケア”へとアップデート
自身が考えるセルフケアを選んでもらうと、20年前は、「病気を防ぐ」(24.0%)、「自分らしくいる」(21.5%)、「疲れを改善する」(19.8%)が多く、現在は「心を整える」(39.8%)、「身体の不調を未然に防ぐ」(36.0%)、「病気を防ぐこと」(35.6%)の順となった[図8]。
20年前は病気を防ぐことを重視していたのに対し、現在は身体だけでなく心の不調を未然に防ぐ“先回りのセルフケア”へとアップデートしているようだ。
■20年前から実践率が伸びたセルフケアは、「腸活」「食生活」「運動」「睡眠」
セルフケアを実践している人に図4と同じ24の健康テーマを提示し、実践するセルフケアを選んでもらった。
20年前も現在も実践しているセルフケアは「休息」が1位だが、20年前と比較すると、「腸内環境・腸活」(5.7%→22.3%+16.6ポイント)、「食生活」(20.5%→33.9% +13.5ポイント)、「運動」(22.0%→35.1% +13.1ポイント)、「睡眠・睡眠サポート」(11.4%→23.8%+12.5ポイント)の実践率が大きく伸びている[図9]。
■コロナ禍を経てセルフケア行動に変化あり?自分の気持ちを大事にして無理をしない“メンパチョイス”なセルフケアが拡大
セルフケアの具体的な行動は、「十分な睡眠をとる」(41.9%)、「できるだけ歩くようにする」(34.9%)、「手洗い・うがいをこまめにする」(30.4%)の順となり、20年前と比べ、「睡眠」が+16.1ポイント、「歩く」が+17.8ポイント、「手洗い・うがい」が+18.7ポイントと高くなっている。コロナ禍を経て、基本的な健康習慣により積極的に取り組むようになったのかもしれない。
また、「無理な人間関係を控える」(6.8%→28.3% +21.5ポイント)、「余計なものを食べない」(6.1%→13.2%+7.1ポイント)、「会食や飲み会を控える」(4.5%→10.5% +5.9ポイント)など、自分なりの社会とのつながり方を考え、無理をしない“メンパチョイス”のセルフケアも増えている[図10]。
<「セルフケア意識・行動の20年間の変化調査」調査概要>
実施時期:2026年6月18日(木)~6月22日(月)
調査対象:全国の20~70代の男女600人
調査手法:インターネット調査
調査委託先:楽天インサイト株式会社
※グラフの構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合がある。
出典元:「セルフケア意識・行動の20年間の変化調査」(第一三共ヘルスケア)
構成/こじへい




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