夏の風物詩である花火大会。だがここ数日、今月22日に滋賀県の3市で計画されていた「琵琶湖三市同時花火大会」が突如中止になった問題が話題になっている。この大会をめぐっては、SNS上で、滋賀県の長浜・彦根・高島市の3市で、1万発以上の花火を打ち上げると告知されていた。
今、花火大会に何が起きているのか。最近の花火大会事情、問題点をあらためて振り返ってみよう。
花火=夏の風物詩、の式が変わるかも?夏以外にも移りつつある花火大会
夏のイメージがある花火大会だが、最近は開催時期をずらすところが増えている。関東エリアを見ても、Data1のように分散しつつある。また有料席が増加。Data 2のように1〜2万円の席を設定する大会も多い。
「花火大会を運営する皆様にうかがったところ、存続の危機に立たされている大会が多いという実態が見えてきました。ゲリラ豪雨による中止のリスク、スポンサーの撤退、安全面強化のための費用増加、人件費の高騰など、要因は多岐にわたります」(高田さん)
スポンサーに代わる新たな収益源として期待したい有料席だが、中止となってしまえば損失は避けられない。「大会は1年かけて準備するため、中止となると損害が大きい」と高田さんも話すように、今後も開催時期をずらす大会は増えるのではないだろうか。
ビールから花火大会へ恩返しする支援活動を展開しています。

キリンビール 「晴れ風」ブランド担当
高田 遼さん
キリンビール「晴れ風」の売上金の一部を自治体に寄付、花火大会や桜を守る活動を支援する「晴れ風ACTION」に携わる。
Data1 2026年、関東エリアの主な花火大会の開催予定
本誌調べ

足立の花火は2025年から天候や熱中症の対策のため開催日を5月末に変更したが強風で中止に。今年の開催は23年以来3年ぶりとなった。
data2|ところで有料席っていくらかかるの?花火大会の有料席の価格
花火大会の観覧席の価格
本誌調べ ※現時点で価格が判明しているもののみ

1万円以上の席は1区画最大4人まで使用できる枡席や、5人まで使用できるテーブル席など、複数で使用できるところが多い。戸田橋花火大会の9万円の席は2名がけラグジュアリーシート。同日に対岸で行なわれるいたばし花火大会の花火も楽しめる。
取材・文/渡辺雅史
花火大会の8割は有料席を導入
最近は有料観覧席を設けているところも多い。帝国データバンクは、全国の主な花火大会における有料観覧席の価格動向について、『2026年「主要花火大会」有料席導入・価格調査』として結果を公開した。それによれば、日本国内で夏季に開催される主要な106の花火大会のうち、約8割にあたる84大会が観覧エリアに「有料席」を導入しており、その半数超は2026年開催の花火大会の有料席を値上げしていたことがわかった。
106の花火大会の約8割にあたる84大会は、観覧エリアに「有料席」を導入していた。これは前年の84大会から大きな変動はなかったが、半数超の45大会が2026年開催の花火大会の有料席の値上げをしていた。前年の42大会から増加しており、有料席の価格を引き上げる傾向があるようだ。ちなみに調査対象の花火大会のうち、5大会が2026年開催の中止(未定含む)をしていたが、会場近隣で大規模な国際競技大会が開かれるなど特殊事情も一部でみられたものの実行委員会メンバーの高齢化や運営スタッフ不足、警備費などの物価高騰などを背景に開催を取りやめる花火大会があったようだ。
プレミアム席は初の平均4万円超え
有料席のチケット料金は、複数種類が用意された観覧席のうち、1区画(席)あたりでもっとも安い「一般席(最安値)」の平均は5517円で、前年の5286円から4.4%上昇していた。2025年開催時(+2.3%・120円増)から値上げ幅は拡大しており、コロナ禍後の2023年以降の4年間で約16%も上がった。最前席や区画当たりの面積を広く確保したテーブル席やソファ席など、多様な種類の観覧席が導入されている「プレミアム席(最高値)」の平均は4万611円だった。こちらは前年の3万7804円から7.4%増と大幅な値上げだった。集計開始以後では初めて平均4万円台に到達したが、2023年以降の4年間では約23%も上昇している。「一般席」と「プレミアム席」の平均価格差は7.36倍で、前年開催(7.15倍)を上回って過去最大だった。一般席と有料席の価格設定による「二極化」戦略を進める大会が増えているようだ。
価格上昇の有料席は「価値に見合う価格」の模索が続く
有料席の導入が本格化した2023年以降、高額化の動きは顕著でプレミアム席では10万円を超える価格帯も珍しくないという。最安値席は、席種の多様化で価格を引き下げる動きもみられるが、2023年比で約16%増、プレミアム席では約23%増とチケット代は大きく値上がりしている状況だ。2025年から席数の拡充や種別の細分化の動きは強まっており、観覧エリアなどへの入場料を数千円に引き下げる一方で、もっとも花火を見やすいロケーションの席種では、ふるさと納税の活用や設備・アメニティの充実、高い競争倍率を背景に価格上限を引き上げて、1席/1区画あたり5万円以上のプレミアム席を設置する大会も多くなっているという。
近時の花火大会では、豪華なサービスやプレミアム感を設定した「超高額席」がインバウンド富裕層向けや特別な日を祝いたいニーズ向けに、「最安値席」が猛暑や混雑、場所取りといった苦労を避けたい若年層やファミリー層向けに販売が好調だという。だが打ち上げ数が少なく、パイプ席のみなど一般席でも割高感のある大会や具体的な付加価値が乏しい1万円から2万円前後の価格では売れ残った大会もあるという。物価高による節約志向で、今年の夏休みの予算は減少傾向にあるので、価格帯や観覧シーンに応じた購入層の棲み分けに対応できるような、花火観覧を含めた体験価値に見合う「妥当な価格設定」が必要になりそうだ。
『2026年「主要花火大会」有料席導入・価格調査』概要
調査対象:全国の花火大会のうち、動員客数が10万人以上(平年、2023年調査時点)の106大会。
有料席の範囲は「個人席」、「グループ席」が対象(観覧エリアの入場料を含む)。
駐車場料金などの別途付帯料金、企業協賛金は集計対象外。
2020年~2022年はコロナ禍による大会中止が多いため対象外。
チケット価格は、2026年7月17日時点の最新値。席種の変更や本年調査以前で価格の変動が判明した場合は遡及して再計算を行った。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260722-hanabi26y/
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