初代「インサイト」は、トヨタ「プリウス」に遅れること2年、1999年に量産ハイブリッドカーとして登場した。このときは、ファストバックスタイルの3ドアクーペだった。以降、2代目は5ドアファストバック5ナンバークーペ、3代目はトランクが独立した5ドアクーペ風セダンで、いずれもエンジン搭載のハイブリッドカーで、日本市場では2022年まで国内生産で販売されていた。
その「インサイト」が4年ぶりに販売されている。2026年4月に登場した4代目は、中国の東風本田汽車が生産するモデルを日本向けに内外装に手を加え、右ハンドルに仕立てた電気自動車(EV)だ。
ボディサイズは全長4785mm、全幅1840mm、全高1570mmというアッパーミドルクラスの5ドアハッチバックセダンとして登場。特徴は最低地上高が140mmと高いので、SUVのカテゴリーに入っている。室内はドア開口部も高めの運転姿勢でも大丈夫。センターコンソールもコンパクトにまとめられているので、前席でのサイドスルーも可能だ。
後席も着座位置が高くなく、足元もフラットなので、広さは十分。中央部分も座面が高くないので、大人3人掛けも苦にならない。背もたれは2段階だが、角度を変えることができる。この背もたれは6対4で分割前倒しができる。
ラゲージスペースの床も上下2段に調節できるので、上の段を選択すると、倒したリアシート背もたれと、ほぼ同一平面になる。下の段だと、段差が100mmほどできる。ラゲージスペースは、下段の下にさらに深さ110mmほどのサブトランクも設けられている。FF車ということで、車体後部の荷物空間はかなり広く、使い勝手もよい。
運転席に戻り、スタート準備。Dレンジ+ドライブモードは「NORMAL」を選ぶ。モードは「SPORT」「NOMAL」「ECO」「SNOW」の4モードが選択できる。リチウムイオン電池の総容量は68.8kwh。出力は204ps、トルクは310Nmだが、車両重量は1770kgと、EVにしては軽めなので、スタートからの動きはかなり軽快。ブレーキはやや重めの踏力で、回生はパドルで3段階設定。強めにしても完全停止はしない。
加速に関しては、0→100km/hを7秒台前半で走り切った。高速走行でもハンドルは重めで、切りこんだときの抵抗も強め。Sモードを選択して走ってみたが、ハンドルの切りこみの重さと、抵抗感は、同レベルだった。ハンドリングに関しては、全速度域で重めの印象だ。
音に関しては、「SPORT」モードに切り換えると、加速性能はさらにアクセルに敏感になるのだが、エキゾースト音に似せた擬似音も発する。この音は快音とは言えず、耳障りだった。もうひとつ気になったのは、アロマディフューザー。3種類の香りを選択し、室内に流すのだが、標準装備にしなくても良い気がした。
乗り心地は、周波数応答型ダンパーを装着しているがノーマルモードでも路面の細かいザラザラが伝わり、やや硬め。タイヤはコンチネンタル「ウルトラコンタクト6」の225/50R18を履いていた。EVとしての性能だが、WLTCモードでの航続距離は535kmだったが、試乗車を受け取ったときは充電率98%で、メーター表示は、可能航続距離368kmだった。
その後、試乗をして、約60kmを走行すると、電池容量は81%。ここで自宅充電(3kW)を行ったが、100%まで5時間30分と表示された。このレベルの充電なら、一晩の間に可能だし、ロングドライブにでも行かない限り、1日60kmも走ることはない。十分に実用になる。
今回は気にならなかったが、「SNOW」モードや最低地上高140mmというスペックが与えられているのなら、駆動方式もFFではなく、4WDが欲しかった。全長4.6~4.8mクラスのEVは選択肢も増えてきているが、インサイトの550万円という希望小売価格は、これが4WDだったら、という金額だ。3000台限定販売で500万円台前半だったら、注目度が違ったハズだ。
■関連情報
https://www.honda.co.jp/INSIGHT/
文/石川真禧照 撮影/萩原文博




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