猛暑と電気代の上昇で、エアコンの正しい使い方の関心は高まっているが、注目すべきなのは消費電力の多くを担う室外機の存在だ。台風シーズンは、防災対策の観点からも室外機トラブルに注意が必要な時期になる。エアコンの『エオリア』シリーズを発売しているパナソニックは、エアコンの消費電力に関する認識や室外機のメンテナンス状況などを調査して、「パナソニック エアーマイスター」である福田風子氏の日常的に取り入れたい室外機ケアから台風時の備えなどのポイントについての解説を公開した。
エアコン消費電力の約8割~9割は室外機と理解しているのは5%
エアコンの冷暖房能力を左右する室外機は、熱を屋外へ放出する役割を担うエアコンの「心臓部」ともいえる存在で、エアコンの消費電力の約8割から9割を占めるとされており、室外機の状態や使い方は電気代に大きく影響する。だがエアコンの消費電力に関する認識についての質問では、「消費電力が大きいのは室外機」と回答した人は51%だったが、「室内機」(17%)、「どちらも同じくらい」(13%)、「わからない」(19%)と回答した人を合わせると約半数になり、正しく理解していない人も多かった。室外機がエアコンの消費電力に占める割合が「80%以上」と回答した人は5%で、室外機が消費電力の大半を占めることは知られていない現状もわかった。
室外機の節電対策は、「積極的にしている」(10%)と「ややしている」(18%)を合わせても28%で、「あまりしていない」(28%)と「していない」(44%)を合わせた72%が対策をしていなかった。節電対策を行っている人に具体的な内容を質問すると、「室外機カバーを取り付ける」(52%)、「室外機の周りに物を置かない」(50%)、「よしずなどで室外機を日陰に置く」(42%)が上位だった。節電対策を行わない理由では、「やり方がわからないから」が66%で最多だった。やはり室外機の節電方法に関する認知不足が課題のようだ。
台風前の室外機対策をしているのは18%
台風への備えについては、台風前に室外機対策を行っている人は「頻繁にしている」(7%)、「時々している」(11%)とわずか18%しかいなかった。約8割が十分な台風対策をしていないようだ。台風後の室外機の確認についても「毎回確認している」(9%)と「時々確認している」(17%)を合わせても26%しかいなかった。台風後に室外機に異常があった場合の対応では、「販売店・修理業者に相談する」(34%)が最多だったが、「すぐに対応せず、しばらく様子を見る」(17%)や「特に気にせず放置する」(4%)などの回答も一定数あった。
回答者の1割が今年の夏に水漏れを経験
夏場のエアコン室内機の水漏れについては、30%が室内機の水漏れを経験したことがあった。さらに10%は今年の夏にすでに水漏れを経験していた。水漏れ経験者の対応では、73%が「そのまま使用を続けたことがある」と回答しており、不具合発生時にも使用し続けている人が意外と多い印象だ。
「パナソニック エアーマイスター」が室外機ケアを解説
エアコンの節電対策は、室内機のケアに気が向きがちだが、設定温度を下げすぎないことやこまめなフィルター掃除は欠かせないが、同様に室外機の節電対策やお手入れもできる範囲で実施するようにしよう。室外機の節電対策や台風対策については、パナソニック エアーマイスターの福田風子氏が次のように解説している。
・直射日光を避けて、室外機の周辺温度上昇を防ぐ
「エアコンは、外気温と設定温度の差が大きいほど消費電力量が多くなるため、外気温が高いほど冷房時の効率が低下し、消費電力も増加します。パナソニックの試験において同じエアコンの設定でも外気温35度に比べ、外気温30度の場合には消費電力が52%ほどと約半分になることがわかっています。エアコンは外気温と設定温度の差が大きいほど、消費電力量が多くなるためです。直射日光などで室外機自身が熱くなることも冷房効率の悪化に繋がります。この「外気温」とは、室外機の吸い込み温度を指します。厳しい暑さの日も室外機の周辺温度を下げることができれば、消費電力を減らすことができます。空気の流れを遮らないよしずなどを立てかけ、影をつくるようにしましょう。室外機の吸込み温度を1度下げることは、じつは設定温度を1度上げることと同じく約10%から13%もの消費電力の削減につながります」
・室外機の周囲はスッキリと整理整頓!
「室外機の周辺に物を置いたり、熱の吹き出し口をふさぐような形で囲ってしまったりするとエアコンの冷房効率が大きく低下する場合があります。室外機周辺も意外に汚れるもの。ホコリや落ち葉などのゴミが溜まると熱交換の効率が下がり、消費電力アップにつながる可能性もあるので、特に風の強い日や台風が過ぎたあとにはチェックしてください。基本、室外機の前側は20cm以上スペースを空けて、できれば30cm以内には物を置かないようにしましょう。室外機の裏側のホコリやゴミも忘れずに、丁寧に取り除きましょう。室外機の内部に入り込んでいる場合は、無理に取ろうとすると熱交換器のフィンを破損したり、ケガをしたりする可能性があります。手の届く範囲でお手入れをしましょう」
NG&注意が必要な室外機の節電対策
アンケート調査でも多くの人が実践している節電対策の中には、一見効果がありそうでも実は逆効果になったり、室外機に負担をかけたりするものがあるという。福田氏は、次の対策を実施する時に注意が必要と解説している。
・室外機カバーを取り付ける
「室外機の据え付けは放熱に必要なスペースとして前・後・左・右・上・下のうち少なくとも3方向を開放し通風路を確保してください。2方向しか開放できない場合には冷暖房は冷 暖房能力・消費電力が10%程度悪化するおそれがあります。室外機カバーを取り付ける際には、メーカーから発売されている専用部品を使用するのがオススメ。自作でカバーを作成するなど、エアコンの通風が妨げられると室外機周辺が高温になり消費電力がアップしてしまう可能性があるためNGです」
・ドレンホースの先端に虫除けカバーをつける
「虫の侵入を防ぐためにキャップやネットをつけるのは虫除け対策として有効ですが、目が細かすぎると排水が詰まりやすくなり、逆に水漏れや故障の原因になることも。防虫対策をする際は、通水性を確保したメーカー公式の防虫キャップを使用し、定期的に詰まりがないか確認することが大切です。排水がうまくいくようにドレンホースが下向きになっているかをチェックし、詰まったゴミは割り箸などでかき出して取り除きましょう。
・濡れタオルとバケツで天板を冷やす
「室外機の上に濡れタオルを置いて冷却する方法は、タオルが吸込口や吹出口をふさいで空気の流れを妨げて、かえって消費電力が増えてしまう可能性もあるので、おすすめできない方法です。天板の温度を下げたい場合は、メーカー公式の室外機日よけ屋根がおすすめです」
パナソニック エアーマイスター
福田風子氏
パナソニック HVAC & CC。自宅に異なる4機種のエアコンを設置して、機能の違いや風の違いを感じ分ける。スマホを使って家中のエアコンを遠隔操作したり、時にはカビの発生したエアコンを自ら入手・分解して調べたりなど担当の枠を超えて、ちょっとしたエアコンマニア。
夏はエアコンの稼働時間も長くなるので、予期せぬトラブルも起きる可能性も上がる。節電対策を含めて正しい知識で対処することが、快適なエアコン生活につながるはずだ。
『エアコン室外機に関する実態調査』概要
調査対象:エアコンを所有している全国の20代~60代の男女
有効回答:551名(男性:283名、女性:268名)
調査期間:2026年7月7日~2026年7月14日
調査方法:インターネット調査(協力:ジャストシステム)
「台風シーズンのよくあるエアコントラブル例と対処法&予防法」
「エアコン本体から水が漏れる・水滴が落ちるときの対処法」
出典:パナソニック「エオリア」調べ
構成/KUMU




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