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他人事ではない空き家放置のリスク!帰省した時こそ「実家じまい」について確認すべき理由

2026.08.10

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

普段は離れて暮らす家族が集まるお盆は、実家の老朽化や親の生活環境の変化を直接確認できる絶好の機会だ。将来、実家に誰もいなくなり空き家になった場合、長期間空き家のまま放置しておくと様々な問題が生じてくる。将来の放置空き家を防ぐため、帰省の際に将来、実家をどうするか話し合うことも大切。

長らく放置された空き家、家族・親戚間で揉めている不動産、再建築ができない建物、登記簿が数代前で止まっている不動産など、“訳あり不動産”の買取事業を行っている「ネクスウィル」代表取締役 丸岡智幸氏に、最新の空き家相談内容をもとに、空き家を取り巻く社会動向や、放置空き家に関するリスクなどを聞いた。

放置空き家防止のためにも「実家じまい」は重要だが様々なハードルも

共有不動産、再建築不可物件、老朽化不動産など通常の市場では買い手がつきにくい物件を専門にワンストップで買い取り、これまでに1000件以上の実績があるネクスウィルによると、特に地方での放置空き家による悪循環が大きな課題となっているという。

「放置空き家に起因する害虫・害獣被害の増加と、それに伴う周辺環境や治安の悪化が深刻です。地域住民の生活と安全が直接的に脅かされ、重傷・死亡事故も発生しており、地域社会へのダメージや移住、定住の大きな阻害要因となっています。

全国の自治体で被害相談が急増していますが、空き家所有者が遠方にいるケースが多く、連絡や対応に時間がかかるため行政指導が機能しにくく、放置がさらなる被害を生む悪循環に陥っています」(以下「」内、丸岡代表)

東京都でも多摩地区のハクビシン・アライグマ相談件数は、平成25年度229件から令和6年度2516件へ10年余りで10倍以上に増加。環境省が調査した全国のクマによる人的被害は、令和5年度では197件と近年で突出した水準になっており、昨年は238人(うち死亡13人)、相談件数は5万件に上っている。

「地方自治体の声として岩手県紫波町での例を挙げますと、部屋は草木が建物を覆うほど伸びて越境してしまっている、風で屋根や外壁で剥がれて落下の危険がある、害虫の大量発生、タヌキやネコの野生動物が空き家に棲みつく、クマが徘徊する、このような苦情やトラブルが寄せられたということです。

行政がすぐに対応できない理由としては、所有者が遠方に住んでいて連絡や確認に時間がかかる、相続放棄されて所有者が事実上不在となって空き家が放置されているといったことが挙げられ、空き家になる前に早めの対策を行政では強く望んでいます」

同社のアンケートでは、実家など自身が土地や建物を相続することになった場合の不安として、固定資産税、修繕、清掃など管理や維持が1位(132人)、次いで税金や費用の負担(94人)、相続手続きや書類の準備(83人)となった。

突然の相続、毎年の管理コスト、実家への距離など空き家になることのリスクは他人事ではなく、身近な問題として考える必要がある。

「相続発生時に何から始めるべきかわからず、買い手も全然見つからない、特に地方の空き家は未登記や明治期から名義未変更など権利整理が複雑な場合もあり、遠方での対応が困難な状況です。

こうした突然の不動産相続(実家じまい)に伴う経済的、時間的コスト負担と、権利関係の複雑さが所有者を追い詰め、空き家の放置を招いています。

過度な出費と労力がかかることから売却、活用ができず放置空き家が増加することで周辺環境悪化の根本原因となってしまっているのです」

ネクスウィルは、放置された空き家を買い取り、室内をリフォームして賃貸戸建てとして活用したり、24自治体(2026年7月現在)と連携した取り組みで、不動産所有者に対し、複雑な権利整理から買い取りまで網羅する「ワンストップ実家じまい」サービスを展開。心理的、経済的負担を軽減することを目指している。

「弊社では『売りたくても売れない』と諦める前に所有者の行動を促し、どんな訳あり不動産でも伴走して買い取り、再生することを目標としています。

空き家が老朽化やトラブルの温床となる前の早期対応はもちろん、複雑な権利の整理、残置物処理や修繕をワンストップで担う社内体制と独自のノウハウを持っています。

管理や所有に困っている空き家、共有持ち分、再建築不可物件などを弊社で買い取り、投資家などを通じ賃貸市場へ供給するサイクルを確立させていきます」

【AJの読み】突然の相続で慌てないために帰省の時期に実家の確認を

実家から遠方に暮らしている場合、親の健康や家の様子は気になるもの。突然の相続(実家じまい)で慌てないためにも、実家を放置空き家にさせないためにも、帰省の時期に実家の確認をしておきたい。

お盆の帰省で実家に戻る際は、外壁のひび割れや屋根の傷みがないか、雨漏りやカビの臭いがしないか、庭木や雑草が隣の敷地に侵入していないかなど建物のコンデイションの確認や、親の認知機能や身体能力に変化はないかといった点検を行う絶好のタイミングでもある。

さらに踏み込めるなら、将来、施設入所や同居が必要になった際、実家をどうしたいか親の本音を確かめたり、実家の名義人の確認、固定資産税・光熱費等の毎月の維持費についても聞いておきたい。

また、親族一同が集まるのなら、将来的に実家を「売却する」「賃貸に出す」「解体する」といった方針を、相続人全員で話し合うのも重要だ。

取材・文/阿部純子

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