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個性だけでなく実用性の高さも際立つシトロエンのクロスオーバーSUV「C5 AIRCROSS HYBRID」

2026.08.08

シトロエンの「C5 AIRCROSS」は2017年5月に日本で発売を開始したクロスオーバーSUV。初代は2025年まで販売されていた。4気筒1.6Lと2.0Lのディーゼルターボエンジンを搭載するFFのSUVモデルだった。しばらく、ブランクがあったが、2代目は2026年4月から日本で発売を開始した。

シトロエンの名を汚さない仕上がり

クロスオーバーSUVという性格は受け継いでいるが、シトロエンのラインナップの中では、フラッグシップモデルに格上げされた。ボディも先代より全長は165mmも長くなった。全幅は1.9m、全高1.7mというサイズは、ミドルクラスのクロスオーバーSUVになる。しかし、フラッグシップモデルだけに、ディテールの造りは質感も高く、技術的にもハイレベルのものを用い、シトロエンの名を汚さない仕上がりになっている。

基本となるプラットフォームはステランティスが、グループ全体のマルチパワートレインへの対応を前提に開発した「STLA-Medium」プラットフォームを、シトロエンブランドとして初めて採用した。このプラットフォームは、室内のスペースを広く、重心は低く、乗り心地とハンドリング性能を向上させているのが特徴だ。外観もフロントフェイスは、中央に新世代のシトロエンを象徴するエムブレムを配し、シグネチャーライトは3分割、ヘッドライトはLEDマトリックスヘッドライトを採用。個性と上級感を演出している。リアも3本のラインで構成されているが、このライトは空力性能の向上にもなる「Citoren Light Wings」の造形。デザインだけでなく実走行でも高速走行安定性に役立っているという。室内もフラッグシップカーらしい造りだ。

試乗してわかったフラッグシップモデルの品質

試乗したのは上級グレードの「MAX」なので、シートが素晴らしい。もともとシトロエンの上級車のシートは、体をふんわりと包みこむコンフォートではトップクラスだが、肌触りまでこだわった上質感が快適さと機能性をハイレベルで両立させている。背もたれやサイドサポートには厚さ15mmのパッドを使用し、シートヒーター、ベンチレーション、さらにマッサージ機能も備えている。

リアシートは、長くなった全長の恩恵でレッグスペースは広く、床面もフラットなので大人3名掛けも可能。「MAX」グレードではシートヒーターも装備されている。唯一、ドアウインドを全開にしても下のほうで約1/6ほどガラスが残ってしまうのが残念だった。

リアシートの背もたれは2/1/2の3分割で前倒式を採用。ラゲージの床が上下2段に設定でき、上の段と背もたれを倒した状態がほぼ同一面になるようになっている。下の段は約10cmの高さがある。ラゲージスペースは大容量で、実用性が高い。

パワーユニットはガソリンエンジン+モーターを組み合わせたハイブリッド方式を新たに採用した。エンジンは最新の3気筒1.2Lターボ、電動モーターは6速デュアルクラッチ式ミッションに内蔵されている48Vマイルドハイブリッド。エンジン出力は180ps、モーターは、電池容量が0.9kwhで、22psを発生する。ドライブフィールだが、スタートから低速域ではモーターがアシストし、中・高速ではアクセル開度により、モーターが作動する。

この動きは、メーターパネル内のエンジン回転計を見ていないと、ほとんどわからない。エンジンがかかっても、音や振動はほとんど室内に伝わってこないのだ。このあたりのクルマの造りの良さは、フラッグシップカーだけのことはある。ハンドリングと乗り心地もシトロエンの最上級モデルらしい性能が与えられている。

サスペンションは、シトロエン独自の「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC」を標準装備している。かつての高級シトロエンほどではないが、高速走行になるほどにフラット感としなやかさが増してくる乗り心地は、独特のシトロエンワールド。“魔法の絨毯”と称されていた乗り心地の一端は味わえる。ドライブモードは「スポーツ」「ノーマル」「エコ」の3モードに、「ヒルディセント」スイッチも備わる。C5エアクロスはシトロエン伝統のFF車だが、オフロードでの走行安定性を確保する技術が採用されている。

1.2Lガソリンターボエンジンは、5000回転まで回すと1速40、2速60、3速で100km/hに達する。トルクは2000回転から盛り上がり、5900回転まで使える。あまり知られていないのだが、C5エアクロスは、最低地上高が245mmもある。これはオフロード用4WD車と同じレベル。なので、実は本格的なオフロード走行も得意科目なのだ。タイヤもミシュランのクロスクライナイト2 SUVというオフロードでも通用しそうなレベルのものを装着している。

シトロエンといえば、かつては本格的オフロードラリー最高峰の、ダカールラリーや、世界ラリー選手権(WRC)でも活躍した実績のあるメーカー。そのシトロエンの最上級モデルは、シックな外観やおしゃれな内装に似合わず、本格的オフロードにも対応するアドベンチャーカーでもあるのだ。今回はかなわなかったが、次回は、オフロードのドライブも楽しんでみたい。

■関連情報
https://www.citroen.jp/models/c5-aircross.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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