今年の夏も全国各地で花火大会が開催されているが、最近は有料観覧席を設けているところも多い。帝国データバンクは、全国の主な花火大会における有料観覧席の価格動向について、『2026年「主要花火大会」有料席導入・価格調査』として結果を公開した。それによれば、日本国内で夏季に開催される主要な106の花火大会のうち、約8割にあたる84大会が観覧エリアに「有料席」を導入しており、その半数超は2026年開催の花火大会の有料席を値上げしていたことがわかった。
花火大会の8割は有料席を導入
106の花火大会の約8割にあたる84大会は、観覧エリアに「有料席」を導入していた。これは前年の84大会から大きな変動はなかったが、半数超の45大会が2026年開催の花火大会の有料席の値上げをしていた。前年の42大会から増加しており、有料席の価格を引き上げる傾向があるようだ。ちなみに調査対象の花火大会のうち、5大会が2026年開催の中止(未定含む)をしていたが、会場近隣で大規模な国際競技大会が開かれるなど特殊事情も一部でみられたものの実行委員会メンバーの高齢化や運営スタッフ不足、警備費などの物価高騰などを背景に開催を取りやめる花火大会があったようだ。
プレミアム席は初の平均4万円超え
有料席のチケット料金は、複数種類が用意された観覧席のうち、1区画(席)あたりでもっとも安い「一般席(最安値)」の平均は5517円で、前年の5286円から4.4%上昇していた。2025年開催時(+2.3%・120円増)から値上げ幅は拡大しており、コロナ禍後の2023年以降の4年間で約16%も上がった。最前席や区画当たりの面積を広く確保したテーブル席やソファ席など、多様な種類の観覧席が導入されている「プレミアム席(最高値)」の平均は4万611円だった。こちらは前年の3万7804円から7.4%増と大幅な値上げだった。集計開始以後では初めて平均4万円台に到達したが、2023年以降の4年間では約23%も上昇している。「一般席」と「プレミアム席」の平均価格差は7.36倍で、前年開催(7.15倍)を上回って過去最大だった。一般席と有料席の価格設定による「二極化」戦略を進める大会が増えているようだ。
価格上昇の有料席は「価値に見合う価格」の模索が続く
有料席の導入が本格化した2023年以降、高額化の動きは顕著でプレミアム席では10万円を超える価格帯も珍しくないという。最安値席は、席種の多様化で価格を引き下げる動きもみられるが、2023年比で約16%増、プレミアム席では約23%増とチケット代は大きく値上がりしている状況だ。2025年から席数の拡充や種別の細分化の動きは強まっており、観覧エリアなどへの入場料を数千円に引き下げる一方で、もっとも花火を見やすいロケーションの席種では、ふるさと納税の活用や設備・アメニティの充実、高い競争倍率を背景に価格上限を引き上げて、1席/1区画あたり5万円以上のプレミアム席を設置する大会も多くなっているという。
近時の花火大会では、豪華なサービスやプレミアム感を設定した「超高額席」がインバウンド富裕層向けや特別な日を祝いたいニーズ向けに、「最安値席」が猛暑や混雑、場所取りといった苦労を避けたい若年層やファミリー層向けに販売が好調だという。だが打ち上げ数が少なく、パイプ席のみなど一般席でも割高感のある大会や具体的な付加価値が乏しい1万円から2万円前後の価格では売れ残った大会もあるという。物価高による節約志向で、今年の夏休みの予算は減少傾向にあるので、価格帯や観覧シーンに応じた購入層の棲み分けに対応できるような、花火観覧を含めた体験価値に見合う「妥当な価格設定」が必要になりそうだ。
『2026年「主要花火大会」有料席導入・価格調査』概要
調査対象:全国の花火大会のうち、動員客数が10万人以上(平年、2023年調査時点)の106大会。
有料席の範囲は「個人席」、「グループ席」が対象(観覧エリアの入場料を含む)。
駐車場料金などの別途付帯料金、企業協賛金は集計対象外。
2020年~2022年はコロナ禍による大会中止が多いため対象外。
チケット価格は、2026年7月17日時点の最新値。席種の変更や本年調査以前で価格の変動が判明した場合は遡及して再計算を行った。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260722-hanabi26y/
構成/KUMU




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