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災害時の緊急避難場所として活躍!車中泊と電源供給が可能なクルマ5選

2026.08.06

日本はまさに災害大国だ。地震、水害などいつ、どこで起こっても不思議ではない。自宅が損傷した場合、家の中で過ごすことは難しく、かといって避難所となるべき場所も被災し、停電、断水しているかも知れない。実際、令和8年熊本地震でも、多くの人が車内避難、車中泊を余儀なくされているのだ。

災害対策の基本は備蓄であり、水のストック、災害時の命綱になりうるスマホ充電用のモバイルバッテリーは不可欠。さらに非常用トイレの用意(トイレットペーパーの備蓄込み。屋外で使う場合は着替え用テントも)、非常食になる食料の備蓄も欠かせない。水は1日と1日3Lは必要と言われ、家族4人なら最低でも1週間分、つまり84Lを備蓄しておくと安心だ(500mlと2Lのペットボトル半々ずつが好ましい)。※もちろん、ヘルメット、防災バッグ、カセットコンロ(防風タイプ推奨)、そのガスボンベ、ライト類、電池などの用意、ストックも。

しかし、災害時、神経が張り詰め、疲労困憊している中で、プライバシーが守られ、横になって寝られる場所も不可欠。自宅内、避難所が無理となれば、被災していない知人、親戚の家に避難という方法もあらかじめ確保しておきたいところだが、移動が難しい場合もありうる(公共交通機関の損害、道路の破損などで)。

そんなとき、役立つのが、”無事である前提”のクルマである。エアコンが効き、ラジオやTVから情報収集でき、スマホの充電も可能だからである。シェードをセットすれば、日差しをカットでき、プライバシーも守れる緊急避難所になりうるのだ(暑い時期は日陰の駐車を推奨。ラディクール素材のサンシェードもあるといい)。

そこで注意したいのが、長時間、座ったままの姿勢でいると発症する、命にかかわるエコノミークラス症候群だが、大人2人程度なら軽自動車でも前後席をフラットにしたシートアレンジで横になることができる。が、荷物の置き場(貴重品を含む)などを考慮すると広さとしては十分ではないかもしれない。やはり、フルフラットアレンジが可能で、室内高が高く(車内をお座敷化できる)、さらに言えば、電動車にある、車内外で湯沸かしポットや簡易電子レンジなどが使えるAC100V/1500Wコンセントが備わっていればなおいいだろう。ペットと暮らしている家族にとって避難所に同行避難(同伴避難とは違い、いっしょの部屋に入れるという意味)できないケースでも車内避難は有効だ。

ここでは、そんな災害時の緊急避難場所になりうるクルマの一例を、ミニバンを中心に紹介したい。それも、AC100V/1500Wコンセントが備わり、外部給電も可能となるハイブリッド、PHEVモデルである。ただし、Mクラス、Lクラスミニバンでも、大人がゆったり真っすぐ横になるのは2人までであることをお断りしたい。大人2人以上で横になる場合は、譲り合って交互の利用となるだろう。具体的には、M/Lクラスのミニバンでは、前席シートに2人、2/3列目席をフルフラットにしたベッドスペースに2人の4人が滞在可能となる。また、ミニバンのスライドドア部分のウインドーにはロールサンシェードが備わっているケースが多く、外からの視線直射日光を遮り、プライバシーが保ちやすいメリットがある(フロントウインドー、前席サイドウインドー、リヤウインドーを覆うシェードもアフターマーケットのアイテムを含め入手可能)。

●トヨタ・アルファードHV/PHEV

改めて紹介する必要もない大人気のトヨタのフラッグシップミニバン。2列目席は豪華なキャプテンシートに目がいくが、車中泊対応では2列目ベンチシートの7人乗りのほうが適する。であれば、大人2人、子供1人が真っすぐ横になることが可能。HV、PHEVモデルにはAC100V/1500Wコンセントも用意される。

●日産セレナe:POWER

Mクラスのミニバンだが、2/3列目席フラットアレンジ時のフラット度はピカイチ。経験上、マットレスなどを敷かなくても快適に真っすぐ足を伸ばして横になることができる。3列目席部分はやや角度がつくものの、かえって逆流性食道炎対策になりうる。倒した3列目席の下が大容量の収納になる点も災害時の車中泊対応、盗難対策として望ましい。セレナの2列目席は左右にもスライドし、キャプテン、ベンチシート変幻自在であるところも車内をベッド化(お座敷化)しやすいポイントだ(普段は2列目キャプテンシートとして使える)。AC100V/1500Wコンセントも用意されている。

AC100V/1500Wコンセント

●トヨタ・ノア&ヴォクシー HV

ノア&ヴォクシーの7人乗り、2列目ベンチシートタイプの室内もベッド化しやすく、車中泊に対応。横方向は窮屈ながら、大人2人、小さな子供1人なら川の字になって真っすぐ横になることも可能だ(段差解消の敷物は必要)。HVモデルにはAC100V/1500Wコンセントも用意されている。スライドドア部分のロールサンシェードも完備する。

こうした普段使いでも快適に使えるミニバンがあれば、エアコンが効く車内のベッド化、お座敷化、車載ラジオ、TVによる情報収集、スマホの充電が可能になり、車中泊が行える緊急避難場所になりうるのである。

また、一部のSUVでも車中泊が可能な車種がある。

●スバル・フォレスター

車中泊が快適に行えるSUVの一例として紹介したいのがスバル・フォレスター。後席と荷室をフラットアレンジできるのはもちろん、マットレスや全周シェードなど完璧な純正車中泊アイテムが用意されているからだ。

●トヨタ・クラウンエステート

また、ステーションワゴンでも、トヨタ・クラウンエステートのように、後席を倒し標準装備の「ラゲージルーム拡張ボード」をパタリと倒すと全長2000mmのフラットスペースが出現。長身の大人でも真っすぐ横になれる車種もある。もちろん、HV、PHEVともにAC100V/1500Wコンセントの用意がある。

文/青山尚暉(モータージャーナリスト/防災研究家)
写真/雪岡直樹 トヨタ 日産 青山尚暉

プロミュージシャンからいきなり自動車専門誌の編集者を経験した後、モータージャーナリストに。新車試乗記や自動車関連コラム、防災記事などを幅広い媒体で執筆。クルマのパッケージング、洗車”オタク”でもある。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動。愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿厳選紹介、ドッグフレンドリーカー選びについて多方面で情報発信中。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」(リヨン社刊)、「すごい海外旅行術」(講談社刊)、「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)など。輸入車の純正ペットアクセサリーの開発にも携わっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~。現在は小学館DIME推薦)。

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