AmazonなどのECサイトで注文した商品については、近年「置き配」が普及しています。商品の配送を玄関先に置くことで完了させるものですが、家の中に取り込むまでは盗難のリスクがあります。
もし置き配の商品が盗まれてしまったら、購入者は補償を受けられるのでしょうか?
1. 置き配の商品が盗まれた場合、販売業者に対して再配送を依頼できる?
注文者の指示に従って置き配が完了した商品が盗まれた場合、販売業者や配送業者に責任はないと考えられます。契約に従った対応を完了しており、その過程に不備がないためです。
「家の外にあるのだから、まだ配送は完了していない」と主張することも難しいでしょう。注文者と販売業者の合意に従って置き配がなされたなら、その時点で配送は完了したとみなされる可能性が高いと考えられます。
したがって、置き配の商品が盗まれても、販売業者に対して再配送を依頼する権利が当然に生じるわけではありません。
利用規約によって「置き配の商品が盗まれたら再配送する」などと定められている場合を除き、権利として再配送を請求するのは難しいでしょう。
ただし販売業者によっては、置き配の商品が盗難に遭った場合には、再配送や返金に応じることもあります。たとえばAmazonは、置き配を指定した荷物が紛失した際には、利用者から状況を聞いたうえで商品の再配送や返金に対応するとしています。
いずれにしても、置き配の商品が盗まれたと思われるときは、販売業者に問い合わせてみましょう。
2. 日本郵便の置き配保険
「ゆうパック」などの配送サービスを提供する日本郵便は、東京海上日動・三井住友海上・損保ジャパンの保険会社3社と連携して「置き配保険」を提供しています。
日本郵便の置き配保険は、置き配指定により配達された商品が盗難に遭った場合に、保険会社から保険金が支払われるものです。購入代金が1万円以下である場合は購入代金と同額、購入代金が1万円を超える場合は1万円の保険金が支払われます。
ただし、日本郵便との間で事前に合意したEC事業者などに対象が限られているほか、一部の商品は補償対象外である点に注意を要します。また、置き配保険を利用できるのは1年間に2回までです。
置き配保険の保険金を請求するには、警察に盗難届(被害届)を提出したうえで、配達完了日から起算して15日以内にフォームへ必要事項を記入して送信する必要があります。
ゆうパックでの置き配後に盗まれた商品につき、販売業者から再配送や返金を受けられないときは、速やかに置き配保険の請求を行いましょう。
参考:置き配保険|郵便局
3. 置き配の商品を盗んだ犯人を突き止めるには?
置き配の商品を盗んだ犯人の処罰を求めたいなら、警察に被害届を提出しましょう。周囲の防犯カメラ映像などを手掛かりとして、犯人の特定に繋がることがあります。
特に、近隣で同種の置き配盗難被害が生じている場合には、警察は捜査に動く可能性が高いです。ある家での置き配窃盗によって摘発された犯人が、余罪として別の家でも置き配窃盗を行っていたことが判明するケースもあります。
4. まとめ
置き配の商品が盗まれたら、まず配送業者に連絡して、再配送や返金に応じてもらえないかを問い合わせましょう。ゆうパックでの配送品については置き配保険を利用できることもあるので、日本郵便のウェブサイトを参照してください。
置き配にはどうしても盗難のリスクがつきまといます。商品の盗難が心配であれば、可能な限り置き配ではなく対面で受け取ることをお勧めします。
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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