AIグラスは本当に旅行を変えるのか。その答えを確かめるため、Metaが開催した韓国・ソウルのプレスツアーに参加し、「Ray-Ban Meta Blayzer Optics Gen 2」を2日間にわたって使い続けた。漢江クルーズの夜景、北村韓屋村の街歩き、韓国カフェ巡り、街中での自由行動まで、写真や動画はもちろん、Meta AIによる情報検索やライブ翻訳も実際の旅行シーンで試した。本記事では製品のハードウェアから専用アプリ、AI機能、そしてソウルで撮影した作例とともに、その実力を詳しく紹介する。
旅先で一番自然なカメラだった「Ray-Ban Meta Blayzer Optics Gen 2」
旅行中にカメラを取り出す回数は意外と多い。しかし、その一瞬でシャッターチャンスを逃すことも少なくない。ミラーレスよりも素早く撮影できるのがスマホのカメラ機能である。電源は常にONなので、「iPhone17 Pro」であればサイドのボタンを2度押しするだけでシャッターが切れる。これよりすばやく撮れる撮影機材はないだろうと思っていたが、AIグラスはその一歩先を行く。眼鏡は掛けたままなので、スマホのように取り出す必要がなくシャッターボタンを押すだけで見たままを記録できる。両手がふさがっていれば音声コマンドも使える。もちろん動画も撮影できるのだ。タテ位置固定だが画質的には充分満足できる。記事中のタテ位置画像はRay-Ban Metaで撮影したものだ。
「Ray-Ban Meta Blayzer Optics Gen 2」は、普段使いのRay-Banサングラスに超広角カメラやスピーカー、マイク、AI機能を搭載したスマートグラスである。
見た目は普通のRay-Banそのものだが、
・超広角カメラ&ビデオカメラ
・オープンイヤー型スピーカー
・5基のマイク
・音声操作
・充電ケース
などを備えている。
Meta AIは”旅のガイド”になった
普段からお世話になっているAIは旅でも役に立つ相棒になってくれる。今まではスマホを取り出して音声入力かテキストを入力する必要があったが、Meta AIはAIグラスを掛けていれば「Hey Meta」で起動でき、回答はスピーカーから再生されるのでテンポがいい。目の前の建造物の説明、お店の情報、メニューの翻訳などにも使える。
今回、制作体験したのは「Lettering Jewelry lab」でのシルバーアクセサリー作りだ。ハングル文字2音節までの言葉を選び、パーツを組み合わせてデザインしたら、銀ろう付けして仕上げる工程を体験した。Meta AIのライブ翻訳を使って、講師の韓国語をリアルタイムで日本語に翻訳。Meta AIの翻訳画面を見せれば、双方向での翻訳にも対応できた。ハングル文字の説明書も翻訳可能だが、読み上げてもらうには長いので、チャット画面でテキスト化されたものを見るほうが実用的だった。このようにAIグラスは完璧ではないが工夫して使いこなせば、思った以上に役に立つ存在だった。
写真は”人間の視点”だから自然だった
一番驚いたのは“撮影していることを忘れる”ことだった。カメラを構えない。立ち止まらない。視線のまま撮れる。だから旅行の空気感がそのまま残る。我が家のカメラは私が小学校を卒業するまで、「OLYMPUS PEN」だった。ハーフサイズカメラなので、普通に構えて撮るとタテ位置になった。これが当たり前だと思っていた。人物やスナップに適したアスペクト比で構図の収まりもいい。Ray-Ban Metaは超広角21mm相当の画角だが、タテ位置であることで、不自然さがない。上下方向は広く、左右方向は30mm程度の広角にしか感じられない。右手で右上にあるシャッターボタンを押せばすぐに撮影できる。ピントも露出も構図も考える前に撮れる。まさにブルース・リーのセリフ「Don’t think! Feel.(考えるな、感じろ)」を実践したカメラ機能と言えるのだ。撮影後はスマホとシンクして自動的に画像は保存される。Meta AIを使えば複雑な画像補正もお願いするだけで出来上がる。もう「PhotoShop」を起動しなくてもいい。
動画は歩き撮りが想像以上に自然
動画はタテ位置の高画質3Kの30fpsか、フルHDの30fpsか、フルHDの60fpsの3つの選択肢に加えて、動画の撮影時間1分、3分、5分と手振れ補正の強さの選択ができる。
歩きながらでも「目線」そのものなのでVlogとの相性が抜群。さらに手にスマホがないので自然な映像になる。
旅行で2日間使って分かったメリットと課題
2日間、朝から夜まで使い続けて感じた最大のメリットは、撮影という行為を意識しなくなることだ。スマホをポケットから取り出す、カメラを構えるという一連の動作が不要になるため、目の前の景色や食事、人との会話に集中できる。気になった瞬間にシャッターボタンを押すだけなので、旅の流れを止めない。Meta AIも海外旅行との相性は非常に良く、観光地の説明や店探し、翻訳まで一つのデバイスで完結するのは想像以上に便利だった。
一方で課題もある。静止画はタテ位置固定なので、風景を横位置で撮りたい人には物足りなさを感じる場面もある。また、暗所ではスマートフォンの最新モデルほどの画質は期待できず、細部の解像感には限界がある。手振れ補正も十分実用的ではあるが、歩く速度によっては多少の揺れが残ることがあった。それでも、「今しかない瞬間を確実に残せる」という価値は非常に大きい。作品を撮るためのカメラではなく、旅そのものを自然な視点で記録するためのAIグラスとして考えれば、その完成度は非常に高いと感じた。
関連情報
RAY-BAN META
写真・文/ゴン川野
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