糖質制限の流行で、敬遠されることもあった果物だが、その健康効果が見直されている。厚生労働省は、ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含み、生活習慣病の予防にも効果があると指摘。「1日200gの果物を摂取」と呼び掛けている。
他方、成人の1日あたりの果物摂取量は減り続け、平均で80gを切っているのが現状だ。若い世代ほどこの傾向は顕著となり、20代だと6割がほぼ摂っていない。理由は、「値段が高い」「日持ちしない」「皮をむくなど手間がかかる」といったものだ。
現状を憂慮し、商機とも捉えた食品業界は、主に若い層をターゲットに、果物を原料とした商品を次々と投入。生の果物、カットフルーツに続く、「第3のフルーツ」と呼ばれるジャンルを形成しつつある。では、具体的にどんな商品があるのだろうか? 現時点で入手しやすいものを紹介したい。
果実本来の味を生かした「すりおろし果実」
こちらは、キッコーマン食品の「デルモンテ ピュレフルーツ」シリーズの人気商品。フレーバーは、りんご、マンゴー、ぶどう、キウイ、そして(9月末までの期間限定で)白桃を展開している。いずれも、品名の果物にすりおろしたりんごなどをミックスしたもので、内容量は110gである。
通常こうした食品は、変色を防ぐため高温で加熱したり添加物を加えるものだが、それだと本来の風味・栄養素が失われやすい。そこで、同社独自の技術を生かし、加熱・添加物なしで変色させず、かつ生の果物に近い風味にしたがアピールポイント。
一口食べてみての印象は、想像したよりもずっと「濃い」というものであった。筆者は、ふだん果物のスムージーを作るが、その場合は水を混ぜるため、果物本体よりも味は薄めになる。「それに近い?」という先入観があったが、覆された。まさに、すりおろした果実から、少し水分を抜いたような感じ。ただ、後に尾を引くような感じはなく、果実がもつ自然なおいしさを四種四様で堪能できる。キャップ付きのスタンディングパウチ入りなので、外出先でも便利。また、今の暑い時期だと、凍らせて、溶けかけたのを飲むと暑さ対策にもなる。
なお、「すりおろしりんご」は、2026年の「第1回災害食アワード」で「果物・菓子・飲料部門」の最優秀賞を受賞している。常温保存OKなので、万が一に備えローリングストックしておくのもいいだろう。
不思議な味にハマってしまう「まるかじゅり」
ジャムなど果物加工品の老舗企業、アオハタのシリーズ商品で、「グレープフルーツ&オレンジ」「マンゴー&ベリー」が2024年に発売。ヒットを受けて、2025年には「ブルーベリー&シトラス(グレープフルーツ入り)」と「ピーチ&グレープフルーツ&グァバ」が、2026年には「キウイ&アップル レモンピール入り」加わって、全5種類のラインナップとなって今に至る。内容量はいずれも80gである。
冷凍した状態で食べるもので、特許技術によりほぐしやすいのが特徴。「もんで食べる」スタイルが評判となり、SNSを通じて人気が広まった。また、多種類の果物が材料に使われているのが特徴で、例えば「グレープフルーツ&オレンジ」だと、品名の2種類の他にりんご、グァバ、レモンが含まれている。
味は、濃厚なミックスフルーツといった感じで、食感はシャーベットに近い。使われている果物それぞれが味の個性を主張し、酸味と甘みが組み合わさった不思議な食体験をもたらしてくれる。また、細かい果肉も入っており、それが程よいアクセントになっているのもいい。
厳選した果物が絶品な「凍眠フルーツ」
こちらは、伊藤忠食品の「凍眠市場」ブランドの主力商品。国産フルーツを厳選し、急速液体凍結システムで凍らせたもの。加工しないシンプルな冷凍果物だが、第3のフルーツとみなされることが多く、本稿でも取り上げた。写真のシャインマスカットとさくらんぼの王様こと佐藤錦のほかに、ナガノパープル、平核無柿などある。
周辺のスーパー、コンビニでは見かけず、市をまたいでイオンモールで入手した。内容量が80~100gで、実勢価格が約600円となかなかのお値段でありながら、売れ行きは上々だという。「厳選」されただけに、味は絶品だ。冷凍しただけの果物が、これほどおいしいものなのかと、ちょっとしたカルチャーショックを受けるほど。日本の果物の底力をあらためて知った。「頑張った自分へのご褒美」として、冷凍庫にストックしておいていいかもしれない。
滋味しみわたる甘さのファミマのフラッペ
ファミリーマートは、フラッペの新たなラインアップとして「味わうごほうびフルーツシリーズ」をスタートした。6月23日発売の「メロンフラッペ」を皮切りに、8月11日にかけストロベリー、シャインマスカット、ピーチ、マンゴーと順次発売していく。価格はいずれも380円。
ニュースリリースには、「まるで果実をかじったような味わいをテーマに、果汁・果肉比率にこだわり」などとあり、第3のフルーツの仲間に入れた。
執筆時点(7月24日)で、「メロンフラッペ」と「ストロベリーフラッペ」が販売中。近隣の数店舗を見て回ったが、いずれもの店も冷凍コーナーの2つの棚板を占めており、力を入れていることがわかる。
買った状態ではアイスクリームに近いが、レジで購入後、店に備え付けのコーヒーマシンでミルクを注いでかき混ぜると完成。ミルクを入れる前に容器を「揉んで」、アイスを崩しておくのがコツ。
原材料に砂糖や異性化液糖はそれなりに含まれているが、変な甘さはなく、メロンやストロベリーの自然な甘みがよく感じられる。特にこの暑さだと、身体に滋味しみわたるような満足感が大きい。なお、店に備え付けの太いストローよりも、小さいスプーンですくったほうが食べやすい。
ほどよいゼリー感を楽しめる「粒々ジュレ」
中国・台湾の商品の輸入卸など手がける三洋通商発の商品で、フレーバーはぶどう、みかん、そして(店頭ではあまり見かけない)グレープフルーツがある。
公開情報は乏しいが、パウチタイプのゼリー飲料で「粒々」になった果実を15%含んでいる。一部の医療関係者が、「健康リスクがある」とするぶどう糖果糖液糖が主原料となっており、健康を気づかう人は、そこが気になるかもしれない。
食感は、有名なスポーツ系ゼリー飲料に近く、その中に果実の粒々感があって喉越しがいい。予想したほど甘くはなく、果実の味がしっかり生きている。キンキンに冷やして、夏の行楽のお供にするとよさそうだ。
文/鈴木拓也
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