都会を離れ、自然豊かな山地や海岸に出かけると、心なしか暑気も和らいでいる。とはいえ、アウトドア活動を頑張りたくなるほどの涼しさではない。
ならば釣りはどうだろう? 気温も穏やかな朝や夕まづめ、水辺に立って釣り糸を垂れ、魚がかかるのを待つ。これなら、真夏の今でも楽しめそうだ。
ただしこの趣味は、竿やリールに始まって様々な道具が必要となり、初心者にはややハードルが高い。おまけに結構かさばる荷物にもなる。
……と敬遠気味の方に、おすすめできそうなアイテムが「NEW Tiny Reel」だ。
ズボンのポケットに入るコンパクトサイズ
外観からは釣り具と想像できないが、実はこれ「世界最小級サイズの釣り竿」。「NEW」の冠がつく前の初代「Tiny Reel」は、2024年にクラウドファンディングで2千人以上の支援者を集めて話題となった。製造元は、精密鋳造部品で知られる(株)キャステムである。
今年6月下旬に発売の「NEW Tiny Reel」は、その進化版。ユーザーの声をもとに細かな改良を加えたもので、現在好評発売中。興味がわいて筆者も1つ入手した。カラーは、このシルバーのほか、ミラーシャイン、ヘザーブルー、アンティークゴールド、レッドがある。
素材はほぼアルミ合金で、金属ならではの重量感(自重150g)はあるが、なにしろ小さい。手のひらサイズで厚みもさほどないので、ズボンのポケットにすっぽり収まる。
釣り糸も仕掛けも付属していないので、これらは別途用意する必要がある。そして準備として、釣り糸をスプールに巻く。まず、糸をスプールに1回くぐらせて結ぶ。あとは、脇のハンドルを立て、くるくる回して巻き取っていけばOK。それが終わったら、仕掛けを結ぶだけだ。
この際、注意したいのが、あまり長く巻きすぎること。釣り糸が引き出しにくくなったり、スプールと本体の細い隙間に釣り糸が入りこんだりして、厄介なことになる。遠投用の道具ではないので、20メートルも巻けば十分だ。
ちなみに、釣り糸を保持するラインストッパーは本体底面に付いている。
仕掛けは、サビキ、ウキ釣り、カゴ釣り、ルアーなど様々なタイプに対応。狙える魚種も、アジ、サバ、イワシ、カサゴ、ヤマメ、イワナなど、海・川を問わないという。
様々な仕掛けもそつなく対応
上で説明のとおり、とてもシンプルな釣り具だが、やはり実用性が気になる。そこで、実際に川に出かけて、試してみた。このとき使用する仕掛けは、大小2種のルアーである。
先に「NEW Tiny Reel」の扱い方だが、2つの穴に指を入れる(そばの小さい穴はキーホルダー用)。それから釣り糸を長めに繰り出し、もう片方の手で仕掛けの根元近くの釣り糸を持ち、くるくる振り回す。その遠心力を生かして、水面の目指すポイントへ放る。こちらも、いたってシンプルである。
まずは、大きいルアーから。重さがあったほうが、風にぶれず遠投しやすいはず。では、どれぐらい遠くへ投げられるかやってみた。
意外にも10メートル近くは、簡単に飛んだ。釣り糸のたるみを、いったんハンドルで引き締めて、ルアーを少しずつ引き寄せる。ルアーを手元まで戻したら、またできるだけ遠くへキャスト(投げる)を数回繰り返したが、特に不都合ななかった。今度は、小さいルアーに取り換えると、やはりキャストできる距離は短くなり、風の影響も受け、糸もたるみやすい。
この後、ルアーでなく通常のオモリ付き仕掛け、玉ウキ仕掛けで試してみたが、「NEW Tiny Reel」は、わりとそつなくこなしてくれた。
キャストを繰り返しているうちに、「手釣り向きのガジェットだな」と思った。手釣りとは、堤防や船上から、数メートルくらい先にキャストして垂らす、竿をつかわない釣り方のこと。遠投では、数メートル長のロッドには絶対かなわないし、いわゆる「ちょい投げ」の飛距離を飛ばすのもコツが要る。ならば、割り切って手釣りに徹するのである。
また、使用のシーンも釣りが主目的のレジャーでなく、メインはプレジャーボートのクルージングだったり潮干狩りだったりで、「時間が余ったら釣ってみるか」のスタンスがよさそう。余分な荷物は持っていけないときに、コンパクトな「NEW Tiny Reel」は存在感を発揮してくれる。
また、スプールからの釣り糸の放出など、改良の余地はまだあるように思う。そうした点をバージョンアップした次回作にも期待したいところだ。
なお、「NEW Tiny Reel」は、公式サイトのほか、楽天市場、Amazon、meta mate 誠品生活日本橋店などにて販売中。価格は11,550円(プレミアムカラーは税込12,520円)となっている。
文/鈴木拓也
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