キャッシュレス化が進んでいるが、経済産業省が公開したデータによれば、2025年の国内のキャッシュレス決済率は58%で、クレジットカードの利用は82.7%と大きな割合を占めていた。だが企業間取引市場に関しては、キャッシュレス比率が全取引の1%にも満たないと推計されるデータが公開されている。
アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは、「企業間(B2B)決済のキャッシュレス化」に関する調査を実施したが、それによれば企業間決済のクレジットカード利用率は約3割だったが、支払い利用意向は6割を超えており、導入企業の満足度も8割を超えていたという。
企業間決済の現状は銀行振込が主流
企業間決済の支払い・請求の両面で銀行振込の割合がもっとも高く、支払い時が78.7%、請求時が85.8%と突出していた。それに続く口座振替は支払い時が45.1%で請求時が46.0%、現金は支払い時が31.1%で請求時が42.8%だった。いまだに従来型の決済手段が中心といえる。
クレジットカードの利用率は、支払い時が27.9%で請求(代金回収)時が29.4%と企業間決済の利用はまだ限定的だ。ただ直近1年では、クレジットカードを利用している企業のうち、支払い・請求ともに約4割が「利用が増えた/増やした」と答えており、他の決済手段と比較しても10ポイント以上高く、企業間決済のキャッシュレス化は成長余地もありそうだ。
クレジット決済の受け入れを増加した約半数が新規顧客を獲得
直近1年で請求時にクレジットカード決済の受け入れが増加した企業で、効果がもっとも多かったのは「『カード対応』をきっかけにした新規顧客・注文の獲得」で48.7%が効果を実感していると回答した。さらに38.5%は「未回収リスクの回避」や「キャッシュフローの改善」を実感していた。
クレジットカード決済の利用満足度は、支払い時が81.5%で請求時が80.5%とそれぞれ8割を超えており、支払い側・請求側の両面で調査対象の決済手段ではもっとも高い満足度だった。
6割超が企業間取引でクレジットカード決済を導入希望
企業間取引のクレジットカード決済は、「支払いの時に利用したい」と回答した企業は63.4%で「取引先にクレジットカード決済を受け入れてほしい」と回答した企業は63.2%という結果だった。現在の利用率が3割程度だが、企業としては「クレジットカードで支払いたい」という潜在需要もありそうだ。
企業間の支払い業務でクレジットカード決済を導入しない理由では、「メリットを感じないから」と「管理に手間がかかるから」が25.6%でもっとも多かった。導入効果をイメージできないことや管理業務への懸念が導入に向けての課題といえそうだ。
個人のキャッシュレス決済利用はかなり浸透している印象だが、企業間取引のキャッシュレス決済やクレジットカード決済の比率は、まだ伸びる余地がありそうだ。企業側も新規顧客の獲得などのメリットがあれば積極的に導入していくはずだ。利用満足度は高いので、利便性を訴求していけば企業間決済のクレジットカード化も進みそうだ。
『アメリカン・エキスプレス 企業間決済に関する調査』概要
実施対象者:経営者、経理担当者、自営業など20代~70代の男女、1030名
調査期間:2026年3月13日~2026年3月16日
調査手法:オンライン調査
構成/KUMU




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