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「インド株」という投信の新たな選択肢、夏のボーナスをフルベットするのはありか?

2026.07.28

今夏のボーナスの使い道は、もう決まっただろうか。

経団連の第1回集計では、2026年夏の大手企業のボーナスは平均100万8,706円と、100万円の大台になった。

また下図の、三井物産デジタル・アセットマネジメントが2026年6月に公表した調査結果(回答者1,094名)では、ボーナスの使い道が、5年前と比べて増えた使い道として「投資」が60.8%「預貯金」が21.1%となり、ボーナスを投資に回す人は増え、投資は、特別なコトではなくなった。

@DIME読者の皆さんの中には「オルカンとS&P500の積立はすでにやっている。さらに、ボーナスで同じものを買い増していいのだろうか?」と、考えている方も多いのではないだろうか。

そこで本記事では、次の一手として有力候補になるインド株投信を深掘り調査した。

なぜ期待できるのか、なぜボーナスと相性がいいのか、そして商品選びで失敗しないための基準を紹介しよう。

インドは今、人口ボーナス期で経済成長が見込めるし、米国株との相関の低さも魅力

インド株投信とは、その名の通りインド企業の株式に投資する投資信託である。

インドの個別株を取り扱う日本国内の証券会社が、見当たらず。日本からインドの個別株を直接買うことは難しい。そのため、個人がインドに投資する手段は、投資信託が本命になる。多くはNISAの成長投資枠で投資できる。

■主なインド株投信

出典:各ファンドの情報より編集部にて作成。大手ネット証券で購入できるラインナップとしてまとめた。

その投資先となるインドの人口は、約14億8,000万人と世界一で、名目GDPは約4兆ドルと日本と肩を並べる規模に達している、IMFは、2026年も6%台という主要国最速の成長が続くと見込んでいる。

注目したいのは、人口ボーナス期にある点だ。人口ボーナス期とは、働き手となる生産年齢人口の比率が高く、経済成長しやすい時期のこと。日本でいえば過去。1960年代の高度経済成長からバブル期頃までがこれにあたる。

インドは、2019年に始まったばかりで、2050年代まで続くと推計されている。いまはまだその前半なので、かつての日本や中国が駆け上がった経済成長の、入口に過ぎないのだ。

■人口ボーナス期のイメージ

出典:JTG証券

生活様式の数字も見てみよう。インドで乗用車を保有する世帯は1割に満たない。が、裏を返せば、これから車を買う世帯が9割も残っている。家電も住宅も金融サービスも同じ構図で、「普及率の低さ=伸びしろ」がそのまま内需の成長可能性になっている。実際に、インド版Amazonやインド版Uberといったビジネスがユニコーン企業に育ち、上場を果たしている。

■iPhoneの約25%は、インドで組み立てられている

米中対立やコロナ禍を経て、世界の製造業は、中国一極集中のリスクを課題視した。

そこで、サプライチェーン(部品供給網)の分散先として最も大きな受け皿になっているのがインドだ。例えば、Appleでは、世界のiPhoneの約25%をインドで組み立てた。台数にすると約5,500万台で、前年から5割増となった。

株式投資のマネーと違い、工場は「半年で逃げない」点に注目したい。株式投資のお金は見通しが悪くなればすぐ引き揚げられるが、建てた工場が半年で撤退することは滅多にない。実は、足の長い事業のお金が入り始めたことが、株式マネー主導だった過去のインドブームとの違いでもある。

■米国株との低い相関性が、分散投資に向く

資産形成を考えたときの最大の魅力が、米国株との相関の低さである。インド経済は、輸出より国内消費が主役なので、世界景気の波に揺さぶられにくい特徴がある。その証拠に、2022年では、米S&P500が年間マイナス19.4%、日経平均がマイナス9.4%と沈む中、インド株の代表的な指数SENSEXはプラス4.4%で着地した。同Nifty50指数は、2016年から2025年まで10年連続の年間プラスという記録もある。

もし、米国株を積み立てながら「正直、米株一本足は怖い」と感じ始めているなら、値動きの重なりにくい成長資産を組み合わせる意味は大きいといえる。つまり、米国株の下落、調整局面に対する、ポートフォリオの保険的な存在としても機能するわけだ。

「夏のボーナスを一気に投じて良いか?」といえば、答えはNO

インド株はリターンが大きい半面、値動き(ボラティリティ)が荒く、ハイリスク・ハイリターンな面がある。

年間ではプラスなのに、年の途中で10~20%下がる場面は珍しくない。2020年はコロナショックで約4割下げてから年間プラス14.9%で着地したし、直近でも、Nifty50は2026年1月に史上最高値を付けた後、春先までに最大16%下落し、7月には24,000台まで戻すという荒波さだ。

そのため、インド株投信に興味を持った矢先に、まとまったお金で一括投資してはいけない。積立投資と同じように、積立設定してくのが得策だ。ボーナスを使ってしまうのが怖いなら、まず証券会社の口座に入金し、そこから積立設定することで、一括投資したつもりで過ごしてもらいたい。

■本場のインドの人は、「SIP」という仕組みで、愚直に積立投資している

インドには給与からの天引きなどで毎月自動的に投信を買い付ける「SIP」という仕組みがあり、毎月3兆ルピー超(約30億ドル超≒約5000億円超)が定期的に、株式市場へ流れ込み続ける。

2025年に海外投資家が記録的な売り越しに回った局面でも、インド株を下支えしたのはこの国内の積立マネーだったといえるし、投資は積み立てでやるものが浸透しきっているともいえる。

■アクティブ型のインド株投信でも積立可能

ここでよくある誤解を解いておきたい。「アクティブ型のインド株投信は、つみたて投資枠の対象外だから、そもそも積立投資はできない」と思っていないだろうか。実は、NISAの成長投資枠には買付方法の制限がなく、対象ファンドであれば毎月の積立設定ができる。年2回のボーナスは、この積立額を引き上げる予算として、また、急落時に買い増すための待ち資金として使うのが賢い方法だ。

前述の通り、一括で高値を掴むリスクを避けつつ、まとまった軍資金という強みは活かせる。

インド株投信の商品選びでは、「『インデックスなら安心』が通用しない」と心得えよう

オルカンやS&P500で、低コストのインデックスファンドを選べば間違いないと学んだ人ほど、インド株投資では理解して欲しいポイントが2つある。

●ポイント1:インドは株式の売買コストが高い
●ポイント2:インドでは外国の投資信託が現地株の売却で得た利益にもキャピタルゲイン税(値上がり益への課税。短期20%・長期12.5%)がかかる

この税は、日本株や米国株の投信には存在せず、ファンドの中で発生する税金で、信託報酬とは別の「その他費用」として基準価額から差し引かれる。そのため、インド株投信の総経費率が4%を超えこともある

インド株のインデックスファンドは指数への連動を目指しながら、コストと税の分だけ指数に劣後しやすい。実際に、日本で買えるインド株インデックスファンドが1年で指数に約5ポイント劣後した事例もある。そのため、指数並みの成績が保証されないのなら、最初から指数超えを狙うアクティブファンドを一考する価値があるというわけだ。

当然、アクティブなら何でもいいわけではない。国内で買えるインド株投信は約60本(編集部調べ)あるが、人気化してから設定された後発組が多く、実力を測る長期実績を持たない。10年の運用実績がある主要ファンドで比べると、10年リターン(年率)はトップの約15%から下位の約7%まで開きがある。複利で考えると、10年で資産が約4倍になったファンドと約2倍にとどまったファンドがある。少ないながらの玉石混交なので、目利きは慎重に行ないたい。

その目利きの視点は、以下の3つだ。

■目利きの視点
視点1:10年級の長期実績があるか。
視点2;コストではなくコスト控除後のリターンで比べる
投信の成績は信託報酬などを差し引いた後の数字なので、「成績は悪いがコストは安いファンド」を選ぶ合理性はない。
視点3:インド現地に根ざした投資リサーチ体制があるか

例えば、この目利きの視点を持って評価した場合に、イーストスプリング・インベストメンツの投信が、投資検討の価値がある。

同社によれば、2004年に日本初のインド株公募投信を設定した草分けで、10年実績を持つ主要ファンドの10年リターン上位3本のうち、首位の「インド・インフラ株式ファンド」(年率プラス14.9%)と3位の「インド消費関連ファンド」(同プラス14.1%)の2本を同社が占めている。

■2004年に設定した日本初のインド株公募投信「イーストスプリング・インド株式オープン」

消費とインフラは、個人消費の拡大とモディ政権のインフラ整備というインド内需要素にそのままかさなる。また同社は、インド現地で運用資産最大級のICICIプルデンシャル・アセット・マネジメントというICICI銀行と英プルデンシャルの合弁会社で、2025年12月にインドで株式上場した会社から助言を受ける体制になっている。

■インド株投信への投資に必要なリスク認識もまとめておこう

◆リスク1:値動きの荒さ

前述の通り、年の途中の10~20%級の下落はよくあることで、短期で下げて急反発する値動きが多いため、売り買いのタイミングを計ろうとすると、足下をすくわれやすい。半年で結果を求める人には向かない。インドルピー安が円換算のリターンを減らす為替リスクもある

◆リスク2:インフレリスク

インドは原油をほぼ輸入に頼っているため、原油高が長引くと輸送コストが物価に影響を与え、金融政策の逆風になる。足元の消費者物価は前年比4%台と、インフレ目標(4%±2%)の中心近辺に収まっているが、ここが崩れると相場の見通しも変わってくる。

◆リスク3:インド“だけ”に投資するのはナンセンス

インドの魅力は米国株と値動きが重ならない点なので、インド「だけ」に投資してしまってはその意味が消える。あくまで既存の投資ポートフォリオの一部に加えるにとどめたい。

数十年後の成長に期待する超長期目線で、インドに投資してみたい

インド株投資は、半年後の値上がりを当てるゲームではないと改めて主張したい。

2026年のインド株は最高値から調整が入り、PER(株価収益率)は過去10年の中央値を下回る水準まで過熱感が冷めてきている。投資判断は自己責任で行って欲しいが、ブームの熱気に飛び乗るより落ち着いて始められる局面が、まさに今訪れている。

まずは夏のボーナスを原資に、月1万円程度の積立設定をしてみてはいかがだろうか。

文/久我吉史

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