
今年6月、23年ぶりに復活すると発表された東海道新幹線の個室サービス。
グリーン車のさらに上、飛行機でいうファーストクラスが1日に約40万人もの旅客を運ぶ東海道新幹線に設定されるとあって、各SNSやメディアをにぎわした。
10月1日(木)からはいよいよ運行が始まるとあり、盛り上がりを見せているこの個室サービスだが、今回は「Supreme Class」と名付けられたこの最上級個室のメディア向け体験の様子をお伝えしていく。
東海道新幹線の個室は2タイプ!それぞれサービス開始時期が異なる
体験の様子はひとまずおき、個室の詳細や導入時期をご紹介する。
「Supreme Class」に位置づけられている部屋は大まかに個室と半個室の2タイプに分かれており、個室が「Cabin」、シートが「Seat」という名称となっている。このうち「Cabin」に該当する完全個室タイプは2026年の10月1日から、「Seat」は2027年度中のサービス開始を予定している。
今回体験したのは「Cabin」のみ。16両ある新幹線一編成のうち、7号車に2人用、10号車に1人用の2室が設置されている。専用のWi-Fiが用意され、ドリンクやお菓子といったウェルカムサービスが無料で提供される。他にも東海道新幹線沿線にちなんだSupreme Class限定の軽食も有料で注文できる。
新幹線の個室サービス、気になる料金は?
グリーン車よりも更に上のグレード……となるとどうしても気になってしまうのが料金だが、東京~新大阪間で7号車が6万500円、10号車が4万2100円となっている。
その他の料金については下記の表を参照されたい。

1人用の10号車で計算しても、通常の指定席料金の約3倍近くとさすがの「Supreme(=至高)」っぷりだが、いざ室内の様子を見学・体験してみるとその価格設定も相応に思えるラグジュアリーさだった。
「Supreme Class」の室内に潜入!
まずは10号車にある1人用個室から。
実際に利用する際、扉は施錠されていて交通系ICカードかQRコードを使って個室に入ることになる(2人用個室も同様)。
当然だが、自分の座席に間違って別の人が座っているなどということは起こりえない。席につく手前の段階から、他の席にはない特別なおもてなしを感じることができる。
車内は温かみのある照明で、シックで落ち着いた雰囲気なのが印象的だ。
シートもSupreme Class専用のもので、脇のタブレットからリクライニング、レッグレスト、ランバーサポート、シートヒーターを好みに合わせて調整することができる。
大きく貼り出たヘッドレストの両端には特殊なシートスピーカーが内蔵されており、周囲への音漏れを気にせずに音楽や動画を楽しむことが出来る。

向きは固定で、上り列車の時は進行方向になり、下り列車は後ろ向きになる。個室があるのは山側で、上り列車なら進行方向の左側になるので、車窓から富士山を眺めることができる。
JR東海の新幹線鉄道事業本部車両部担当課長・佐藤永次氏によると、
「座り心地はリニア車両で培った知見を活かして開発しました。限られたスペースの中で可能な限りより上質な空間を広く取るというコンセプトで設計しています」
編集部員も実際に着席!

リクライニングとレッグレストは珍しくないが、腰部の形状を調整できる『電動ランバーサポート』は電車内の設備としては初めてお目にかかった。
実際これを調整することで腰に負担がかかることなく座ることができ、仕事用のPCを取り出してみての作業も快適のひと言だったという。
もちろんシートは全体的にとても快適なつくりで睡眠をとることも可能だが、1席のみの貴重な座席、もったいなくて寝られないだろう。

気配りは室内の細部にも及んでいる。シートの横には、航空機内に持ち込み可能なサイズ(55cm×40cm×25cm以内)のスーツケースを収納できる。
専用タブレットでは、照明や空調の調整や飲み物や軽食の注文が可能で、室内には東海道新幹線の沿線の伝統工芸を用いたオーメントを設置している。
さらにハンガーは走行中の揺れで音がでないように、あえて重心をずらしてあると至れり尽くせりだ。
ただ、床のカーペットはグリーン車と同じもので、コストカットの痕跡を感じないわけでもないが、この上質な空間においては些事だろう。
「Supreme Class」2人用個室はどうなっている?
続いて7号車の2人用個室。
2人用はシートとソファが向かい合わせに置かれ、向きは固定。上り列車の時にシートが進行方向で、ソファは逆向きになる。

シートは1人用と同じなので、ここで注目したいのはソファだ。
シートのように安定感のある背もたれはないものの、左右にゆったりと余裕があるため、新幹線に乗っているというよりは空港のラウンジにいるかのような感覚に。向かいのシートとの空間の余裕もあり、圧迫感は感じなかった。
この中でSupreme Class専用のお酒・おつまみが楽しめる…元よりお弁当は新幹線移動の醍醐味だが、それとは一線を画した上質な時間が過ごせるだろう。

SupremeClassは今年10月1日からサービスを開始し、16両編成のN700Sに順次導入されていく。料金は高いが、決して手が出ない額ではない。
是非一度は体験会用の停車した新幹線ではなく、移ろう車窓とともに素敵な空間を楽しんでみたいものだ。
気になる予約は9月15日(火)より開始される予定。詳しくはJR東海・JR西日本の公式HPなどを確認されたい。
取材・文/金子長武
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