タミヤの名を世界に轟かせたシリーズこそミリタリーミニチュア(MM)。華々しいのは精巧な車輌群だが、その1/35「MM」ワールドを形づくる上で欠かせない要素にしてタミヤの独創と言うべき存在が人形=フィギュアなのだ。
※本稿はDIME (ダイム) 2026年 9・10月合併号に掲載の「僕らのタミヤ再入門」より一部を抜粋・再編したものです
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人気を決定づけた〝ミリタリーフィギュア〟という発明
「ミニ四駆!」「RCカー!」。しかしタミヤといえば「ミリタリーミニチュアシリーズだ!」(以下MM)という模型ファンは多い。1962年に発売されたモーターで走る『パンサー戦車』(スケール表記なし)を端緒とし、のち「ギヤボックスと電池が入るサイズ」から割り出された「1/35スケール」を提唱。「走らせてこそ戦車プラモ」の時代に、あえてディスプレイモデルを打ち出した〝タミヤの芯柱〟は68年発売の『ドイツ戦車兵』……そう「MM」の誕生は〝兵士フィギュア〟という発明だったのだ。
「1/35戦車と同スケールの兵士フィギュアが欲しい。そんなファンの声を背景にスタートした『MM』にとってはフィギュアも主役。その造形法は年々進化を遂げていますが、現在は軍装したモデルを3Dスキャンして金型データを作るのが主流です」
とタミヤ企画開発部の藤田さん。軍装品は社保有もあれば専門家から借りる場合もあり、社員がモデルを務めることが多いが、顔や体型はデジタル処理で調整するという。


「デジタル技術が向上した昨今の贅沢な悩み(?)と言えば、スキャンや金型の精度が高度化したことによる過剰な精密さです。実は過剰なディテールは製作や塗装のデメリットにもなるので、データ処理で適度に間引いています」(藤田さん)
〝やわらかいもの全般〟担当の藤田さんにとって忘れられないのが土のうだ。
「『ドイツⅣ号戦車G型 初期生産車』モデル化(2021年)の際に車輌の設計者から『土のうを付けたい』と相談されました。そこで珈琲専門店でもらった麻袋にタミヤサーキットの砂を詰めて、「まだ、僕の知らない土のうの表情があるはずだ!」ってつぶやきながらスキャンしました(笑)」(藤田さん)

「MM」で人気の第2次大戦中の兵士をモデル化する際は、当時の体格や食糧事情、民族の顔つきや部隊ごとの体格などを調べ上げる。
「例えばパラシュート兵の衣類はおおむね小ぶり。なぜなら小柄な人が選ばれるから」(藤田さん)
「MM」は2028年に60周年を迎えるが、〝車輌と兵士によるドラマ〟を求める姿勢にブレはないはずだ。


フィギュア開発手法の進化
初期 1968年~1980年代末:大型原型(1/7スケール)を使用

資料写真や軍装した社員の写真を参考に彫刻家に高さ30㎝程度の石膏像の製作を依頼。これを基にメス型を起こし立体彫刻機で1/35に縮小して金型を製作。
中期 1990年代~2012年:原寸大原型(1/35スケール)を使用

彫刻家個人のクセ等による仕上がりのバラつきをなくすと同時に、ガレージキット文化に育まれた社員の成長もあり原寸大での原型製作に移行。
現在 2013年以降~:3Dスキャナーを使ったデジタルモデリング

スキャナーの小型・高精度、また効率アップもありデジタルモデリングを本格導入。高精細がゆえ、逆に「シワなどを再現しすぎない」配慮も。
人形があると人間模様まで作りこめる!DIME的MMシリーズ5選
「実車取材に基づく製品化というスタンスがタミヤMMの肝心要です!」
近年、国内外の多くのメーカーから1/35のミリタリー系プラモデルが登場していますが、最新資料に基づくスケールモデルとしての精密再現とプラモデルとしての組み立てやすさを両立しているのがタミヤ「MM」の大きな特徴と言えます。7月発売の「チャーフィー」は内外とも再現性のベストバランスを目指した自信作ですね。ぜひ組んでいただきたいと思います!






「DIME」最新号の特集はプラモデルからRCカー、ミニ四駆、工作まで僕たちを夢中にさせてきたタミヤ製品の魅力を約40ページのボリュームで特集!

常に僕らにワクワクと夢を与えてくれる模型メーカー・タミヤ。実物を取材した上での製品づくりがファンの心を掴んで離さないが、その後もRC、ミニ四駆、工作シリーズなど「エポックメイクな名作」を生み出しつづけている。技術への執念と飽くなき挑戦が紡いだ、同社の魅力に迫る。
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取材・文/前田賢紀 撮影/福永仲秋(ANZ) 編集/寺田剛治 web構成/峯亮佑




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