ホビー界の最先端を走り続ける模型メーカー・タミヤ。実物取材に基づく精密なスケールモデルにはじまり、RCカー、ミニ四駆、工作シリーズなど数々のエポックメイキングな製品と徹底したユーザーサービスにより、多くのファンに支持される同社の〝今〟に迫る。
タミヤ=赤と青のツインスターと連想する人は多い。シンプルにして雄弁。キャッチーでありながらも製品そのものを邪魔しないステルス性という二面性を併わせ持つますます輝きを増すタミヤのロゴマークのその魅力と背景を探る。
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80年の間に4回チェンジ!タミヤのロゴの変遷
1953~1960年
木製模型のみを扱っていた時代に使われた最初期ロゴ

1953年に模型専業メーカーへ転身を図った際に考案され、木製模型商品に使用された初代ロゴ。地球儀を背景に『田宮模型教材』の「TMK」イニシャルが入る。背景違いで2種類が確認されている。
1960~1966年
タミヤ初のプラモデル「戦艦大和」でお目見えした旧ロゴ

タミヤ中興の祖、田宮俊作氏(故人)が当時東京藝大デザイン科に通っていた弟の督夫(まさお。故人)氏に、「プラモデルという新しい時代にふさわしいマークを」と依頼して誕生した最初の「ツインスター」。
1965~1968年
輸出品を中心にツインスターと併用された「黒丸ロゴ」

1963年に大ブームとなった「走るプラモデル」ことスロットレーシングカー製品に主に付けられた「黒丸タミヤ」ロゴ。単独で使用されることはなく、旧ロゴや新ロゴ(現行)とセットで使用された。
1966年~
半世紀以上愛されつづける象徴的なロゴの誕生

1966年に使用開始。当初2年ほどは右記「黒丸ロゴ」との併用期間を経て、68年頃からは単独でタミヤの看板を背負った。以来60年もの長きにわたり、変わることのないハイデザインである。初代ロゴ「T.M.K」(田宮模型教材)に続き、「戦艦大和」でプラモデルメーカーとなったタミヤ(当時田宮模型)には、新しい時代のホビーであるプラモデルにふさわしいロゴが求められた。「ツインスター」をデザインした田宮督夫氏は、兄・俊作氏の著書『田宮模型の仕事』(文春文庫)の中で、「~私としては気楽に作りました。家の仕事を手伝いするような感覚でした。(略) 私が考えたのは『星のマーク』一案だけです。最初はマークのまわりに英文をあしらっていましたが、使い勝手が良くないということで、昭和40年代に発売したスロットレーシングカーの時に変更し、現在のシンプルなものになりました」と回想している。背景のない白い背景のパッケージに映える赤と青のシンプルなツインスター。星は模型界の人気者(スター)の象徴として、また赤は創造力や情熱、若さを、青は精密、正確、誠実さを表現している。
印象的な〝ホワイトパッケージ〟はタミヤ製品の顔だ。

タミヤの「ツインスター」ロゴは静謐にして硬派。
洗練の美をあわせもつハイデザイン

クリエイティブディレクター/グラフィックデザイナー
JUN WATANABEさん
スタート・トゥデイ(現ZOZO)の元クリエイティブディレクター。自身のブランド『JUN WATANABE』では、タミヤやスニーカーブランドなどと多数のコラボを展開。2016年に『BLOCKHEAD MOTORS』を始動し、『ワイルドワン』『ホットショットⅡ』のスペシャルモデルを手掛ける。
タミヤは歴史ある神聖なブランドあくまで第三者目線で
タミヤをタミヤたらしめている要素、それはもちろん精密な再現と作りやすさを併せもつ“模型そのもの”だが、「ホワイトパッケージ」とロゴマーク「ツインスター」を根幹とする“タミヤデザイン”を挙げる人がいるかもしれない。タミヤとのコラボでも知られるクリエイティブディレクター、JUN WATANABEさんもそのひとりだ。
「父がRC飛行機を楽しんでいたため僕も小学生で初めての愛車『ホットショットⅡ』を買ってもらいました。タミヤファンになったのはマンガやTV番組の影響もありますが、やはりパッケージデザインの力が大きかったと思います。例えば戦車のプラモデル。他社が激しい劇画タッチの背景や爆発エフェクト、派手なカタカナ文字を多用していたのに対し、タミヤは白い背景にイラスト。文字もアルファベットが主役で、絶妙な位置に『ツインスター』を配置するのみ……。それは静謐で硬派、かつ洗練されたデザインとして衝撃を受けました。だから僕はタミヤ製品のファンであると同時に、タミヤデザインのファンなのです」。
長じてZOZOTOWN運営会社のスタートトゥデイに参画。デザイン部門を率いる立場となっても、ホビー愛、タミヤ熱が冷めることはなかった。
「ある時、ファッションにタミヤを掛け合わせられるのが自分の強みだと気づいたのです。そして畏れ多くも【タミヤブランドは模型界を超えて、強い訴求力をもっている!】と熱心に記した手書きの企画書を送ったことからタミヤとの交流が始まり、それがアパレル製品やRCカーコラボ『ホーネット』(写真上)につながりました」
ある意味タミヤブランドの換骨奪胎を仕掛けてきたかに見える同氏だが、第三者目線を心がけている。
「僕はあくまでファンであり外部デザイナーです。タミヤには歴史に培われたデザインのレギュレーションがあり、『ツインスター』はそれひとつで世界観を提示できる強靭さをもっています。だから自分がデザインに関わる時も、その伝統を崩さないような視点とリスペクトをもって向き合うことが絶対に必要なのです」
タミヤ『1/10RC ホーネット by JUN WATANABE』

RCのデザインコラボという新境地!
2012年3月発売。タミヤの名車『ホーネット』をアレンジしたスペシャルモデル。ピンクのタイヤやナットを採用するほか、黒い水玉ボディーなど個性あふれる一台。
TAMIYA×JUN WATANABE『JUN WATANABE タミヤポロシャツ(ブルー)』4950円

通気性に優れた鹿の子生地で夏も快適
胸にはモノトーンのツインスター、ボタンにはタミヤの星マークとコラボネームの刻印が入る涼し気なポロシャツ。写真のブルーのほかブラック、ホワイト、バーガンディを展開。
TAMIYA×JUN WATANABE『タミヤマーク ミニショルダーバッグ カーキー』6380円

モノトーンのツインスターが個性的!
幅23cm、高さ17cm、マチ4.5cmとコンパクトなミニショルダー。素材は高密度ナイロンで耐久性に優れ、日常使いはもちろんキャンプなどでも活躍。写真のカーキーのほか、ネイビー、グレイ、ブラックも展開。
取材・文/前田賢紀 撮影/江藤大作 編集/寺田剛治
※本記事内に記載されている商品の価格は2026年6月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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