2025年1月30日に発表され、同年4月から発売を開始した、インドのマルチ・スズキ・インディア社での現地生産車であるスズキのジムニー・ノマド。2025年2月の時点で国内販売計画台数を大きく超える約5万台の受注から、注文受付を一時的に停止。2025年7月からは月間約3,300台に増産し、早期に受注を再開できるよう、全社を挙げて取り組んできた。そして2026年1月30日から注文受付を再開・・・。
そこまで加熱した人気の理由は、ジムニー・ノマドが、それまで海外仕様でしか手に入らなかったジムニーのシエラの3ドア車に対してリヤドアを持つ5ドア車であることが大きい。つまり、ファミリーユースにも適する唯一無比の5ドアコンパクトクロカン4×4だからである。
そんなジムニー・ノマドは、2026年1月30日からの注文受け付けと同時に、”2型”として一部仕様変更を実施。2026年7月1日から発売することになったのだ。
スズキ・ジムニーノマド解説!1型/2型&シエラ徹底比較
ここでは、いよいよ実現叶った”2型”ジムニー・ノマドの試乗を機に、2025年4月に発売された1型と最新の2型の進化のポイント、違いについて紹介したい。
2型のもっとも大きい進化は、まずは予防安全装備のSuzuki Safety Supportの大幅アップデートだ。デュアルセンサーブレーキサポートはデュアルブレーキサポートⅡとなり、フロントコーナーセンサーが標準で備わり、低速時ブレーキサポート(前進、後退)、車線逸脱抑制機能、発進お知らせ機能(先行車、信号切り替わり)、転回禁止と赤信号を追加した標識認識機能、4AT車の全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)、5MT車の追従機能付きクルーズコントロール(30km/hから作動/全車※電子パーキングブレーキは依然不採用)が採用、追加されている。同時にこれまでリヤのみだったパーキングセンサーをフロントに追加。
さらに4.2インチの液晶メーターディスプレイをモノクロからカラーに変更。ステアリングハンズフリースイッチの追加、リアシートリマインダーの追加、フロント、センター、ラゲッジのルームランプのLED化、9インチのメーカーオプションナビ「バックアイカメラ付きディスプレイオーディオ・スズキコネクト対応通信機」、Android Auto/Apple CarPlay用USBポートの搭載、および新色のグラナイトグレーメタリックの新設定など多岐にわたる。細かい点では、平均燃費と航続可能距離の同時表示も可能になっている。
つまり、エクステリアの変更はないに等しく、しかし予防安全装備や先進運転支援機能、便利装備の進化、追加が2型のポイントとなる。
無論、ボディサイズ、エクステリアデザイン、210mmの最低地上高、5.7mの最小回転半径、K15B型1.5Lエンジン(101ps、13.3kg-m)、トランスファー、4AT、5MTのギヤ比、トランスファーレバー、4ATで13.8km/L、5MTで14.9km/LのWLTCモード燃費などはそのままだ。
では、3ドアのジムニー・シエラと5ドアのジムニー・ノマドはどう違うのか。インテリアはジムニー、ジムニー・シエラ、ジムニー・ノマドで共通だが(ともに4名乗車定員)、ノマドはシエラに対してリヤドアが加わっただけでなく、ジムニーらしさを一切損ねずホイールベースと全長をともに340mm延長。ここで、ジムニー・ノマドはジムニー・シエラの全長、ホイールベースを伸ばして5ドア化しただけの、依然、コンパクトな5ナンバーサイズのクロカン4×4だと思うのは早合点。後席膝回り空間の拡大はもちろん、ラゲッジルームの奥行きも350mm拡大した590mmとなり、4シーターながら後席クッション、背もたれの厚みを増し、文句なく実用的で快適なリヤドアから乗降できる後席に仕立てているのである。
オフロード性能を継承したハード面もシエラとノマドは異なる。ラダーフレームを延長するとともにセンタークロスメンバーを追加し、4ATの各構成要素の高強度化が図られたほか、フロントベンチリーテッドディスクの採用、リヤプロペラシャフトの長さおよび直径の拡大(210mmに)、フロントサスペンションのバネ定数、ショックアブソーバーの減衰特性の最適化、スタビライザー径の拡大など、シエラ→ノマドの変更点は多岐にわたるのだ。
もっとも、ホイールベースの延長で、悪路走破性にかかわるアプローチアングル36度、デパーチャーアングル47度は変わらないものの、ランプブレークオーバーアングル(オフロード走行時に車体中央が地面に当たらずに越えられる角度)はシエラの27度から23度となっているものの、実際、ハードなモーグルコースをなんなく走破できる実力には変わりない(実走行経験済み)。
ちなみに、装着される195/80R15サイズのタイヤもシエラから刷新。これは車外騒音規制の強化(フェイズ1からフェイズ3)とも関連し、タイヤの走破性、走行性能はそのままに、ロードノイズが抑えられたブリヂストンのSUV用コンフォートタイヤのDUELERを装着している。
ただし、シエラに対して譲る部分もある。まずは最小回転半径だ。3ドア、今となってはショートホイールベース版と呼ぶべきシエラが軽自動車並みの4.9mであるのに対して、ノマドはロングホイールベース化によっていきなり5.7mと、小回り性(駐車性含む)で大型ミニバン並みになっている点だ。
また、リヤドアの追加とともに後席のクッション、背もたれの厚みが増したことで、シエラは後席格納時にフルフラットになるラゲッジルームの拡大フロアが、ノマドはシートの厚みによって約120mmの段差ができてしまうのである。ただし、純正アクセサリーの「ラゲッジボックス」(29700円)を装着すれば、ラゲッジルームのフロアがかさ上げされ、後席格納時のフロアのフラット化が可能になる。もっとも、フロアが132mm上がるので、ラゲッジボックス内の荷物の収納性が高まる一方、ラゲッジルームの天地、容量はやや減少する。それでも十分なラゲッジスペースであることは間違いないのだが。
このように、1型から最新の2型に進化したジムニー・ノマドは3ドアのシエラとは各部に違いのある、ファミリーユースにも適した、依然、世界最小クラスの走破性に特化かしたコンパクトクロカンであることは間違いないだろう。
なお、ジムニー・ノマドの価格は安全装備、先進運転支援機能、実用装備の充実から、1型の4ATモデルから17万6000円、5MTから275000円高となる、両モデル共通の292万6000円となっている。
今回の報告はここまで。2型ジムニー・ノマド5MTモデルの想定外の快適性を体感した公道試乗の様子、4ATモデルをオフロード(林道、急坂の上り、下り、すり鉢、ハードなモーグル)で試した驚愕の悪路走破性については改めてお届けしたい。
文・写真/青山尚暉
大人気の5ドアモデル「ジムニー ノマド」を新車で買うとしたらいくらかかる?
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