
「完全キャッシュレス」という言葉に注目が集まっている。
これはたとえば、路線バスの完全キャッシュレス実証実験が例として挙げられる。現在、国土交通省は全国のバス会社と協力し、現金決済ができない(キャッシュレス決済のみ対応の)路線バスのオペレーションを企画している。このような具合に、かつてはキャッシュレス決済後進国」とまで言われた日本が大きく様変わりしている。
ならば、消費者個人も「完全キャッシュレス」であるべき……ということか?
それでは、いっそのこと夏のボーナスを全てPayPay残高にしてしまうというのはどうだろうか?
安全が保障された生活のために
ボーナスを全てキャッシュレス決済の残高にしてしまう。これは2026年の現代においても、それなりの勇気を要する決断ではないだろうか。
かつて、ボーナスは封筒に入れられて支給されるものだった。封筒の分厚さが、そのまま受給者のステータスというのが昭和という時代である。業績好調の大企業の部長になると、ボーナスの入った封筒を横に立てた状態で机の上に置くことができたらしい。こんなものを会社から自宅に持って帰るとしたら、盗難や紛失の心配がどうしても拭えないが、ともかく昭和はある意味でおおらかな時代だったのだ。
しかし、21世紀も4分の1に達した今、多くの人がキャッシュレス決済サービスを利用している。
仮にボーナスを銀行口座からPayPay残高に全て移してしまったとしたら、そこにどのような恩恵があるのだろうか?
「恩恵? そんなのはリスクばかりじゃないか!」と現金決済主義を貫いている人から突っ込まれそうだが、実は安全が保障された手堅い生活を送ろうと考えると、給料やボーナスを全てPayPay残高にしてしまうという選択肢は決して悪くない。たとえば、保険。PayPayのアプリでは「PayPayほけん」がシームレスに契約できる仕組みが用意され、自転車保険、熱中症保険、ペット保険、ドライブ保険、賠償保険、医療保険、そしてゴルフ保険といった変わった商品もある。
PayPay残高がある限り、これらの保険に即座に加入することができる。筆者個人が特に気になるのは、ドライブ保険。これは何かというと、普段の自動車保険には最安プランに加入している人がいざという時に利用することを想定した商品だ。友達を自分の車に乗せたり、友達の車を運転することになった時にすぐさま加入できる保険である。
友達の車を運転している際に、電信柱にぶつかってしまった。そういう時、12時間3,000円の「安心プラン」に加入していると最大300万円の車両補償が発生する。
こうした事態にも十分対応できる保険が、その場で契約できる形で整備されているのだ。
「投資貧乏」になってしまう可能性も
ボーナスを全てPayPay残高にすることで得られる恩恵について、もう一つ欠かせないのがPayPay証券を気軽に利用できるようになるという点だ。
日本株と米株、そして投資信託。これらをまさに思いついたタイミングで購入できる。PayPay証券の場合、話題の上場企業に関する情報をいち早く配信してくれるのが大きな特徴だ。先日のスペースXのナスダック上場の際は、PayPay証券では新規公開株の公募は実施しなかったものの、アクセス集中対策としてアプリの一部の機能をオフにすることで、接続障害で多くの人が初値を取りこぼす最悪の事態を回避することに成功した。こうした対応の細やかさがPayPay証券の持ち味と言えるかもしれない。
ただし——これは筆者自身がそうなりかけているのだが——アプリを使ってあまりに手軽に株式投資ができるせいで、いわゆる「投資貧乏」になってしまったりも。一旦株を買ってしまうと、含み益が出るまではなかなか売ることができない。PayPay証券にNISA口座を作ったはいいが、ゲーム感覚で株を買い過ぎてしまい可処分所得がなくなってしまう……というのはよくある話。
もっとも、そうしたことに気をつけさえすれば己の資産を一つのアプリで管理できる仕組みは極めて合理的で、もう二度と手放したくないと思うほどの利便性を実感できるだろう。
「お盆玉」にも最適!
ところで、1984年生まれの筆者の世代にはなかった文化だが、お盆になると親戚の子供たちに「お盆玉」を配らなければならなくなる。
このお盆玉をPayPayで送る、ということももちろんできる。PayPayには「ポチ袋」という機能もあり、これを使ってメッセージ付きの送金を実施することも可能だ。嬉しいことに、1円から送金できる。これがたとえば「1,000円以上」とか「5,000円以上」だと、なかなかどうして大きな出費である。筆者のような貧乏な個人事業主であれば尚更だ。それがPayPayを利用することで、「親戚の子供たち10人に100円ずつ送金」ということをしつつ、「叔父さんってケチだよね」と不満を漏らす甥や姪の顔を見なくても済むわけだ。
このような具合に、ボーナスを全部PayPay残高にすることでより細かいお金の使い方ができるようになる。
文/澤田真一
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