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発売開始から19年目で最高販売台数を記録!三菱「デリカD:5」の進化を徹底検証

2026.07.22

2007年1月に登場したミニバンの三菱デリカD:5は、2025年度の国内新車販売台数が2万6379台を記録し、過去最高を記録した。なぜデリカD:5はここまでユーザーに長く支持されるのか。2026年1月に商品改良後の最新モデルでロングドライブを行いその実力に迫った。

三菱の1BOXタイプミニバン、デリカシリーズの第5代目モデルとして、デリカ:D:5は2007年1月に登場。デリカD:5は、「さまざまな走行環境下で、多くの乗員を安全に目的地まで運ぶ」という“デリカブランド”の特長を発展させ、走行性能、ボディ構造、室内環境に至る全てを新設計したミニバンとなっている。

ボディ構造には、乗員をしっかり守る環状骨格構造の「リブボーンフレーム」を採用。歴代「デリカ」伝統の十分なグランドクリアランスを持つスクエアなボディを、大径タイヤで支える独創的なフォルムを採用しているのが特徴だ。また直線基調のデザインにより機能的で飽きの来ない端正なデザインとなっている。

一方、室内には“クリーン”、“ストレスフリー”、“安心・安全”をテーマとした「ここちインテリア」を追求。すべての窓で紫外線・赤外線の室内への侵入を低減する「UV&ヒートプロテクトガラス」の採用をはじめ、生活臭やタバコ臭、VOC(揮発性有機化合物)を低減・抑制し、クリーンで居心地の良い室内空間を実現する「脱臭機能付クリーンエアフィルター」「消臭天井」を標準装備するなど、くつろぎの空間を実現している。

デリカD:5は、販売開始から12年が経過した2019年2月にビッグマイナーチェンジを実施。外観は三菱のフロントデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用。縦型のマルチヘッドライトなどにより、ひと目でデリカD:5とわかる個性的なデザインへと変更。インテリアはデザインを一新した水平基調のインパネは機能性と開放感を兼ね備えると同時に質感の高さが特徴となっている。

搭載するエンジンは大幅に改良が加えられた2.2L直4ディーゼルターボエンジンで、トランスミッションは新開発の8速ATが組み合わされている。駆動方式は4WDのみとシンプルな構成だが、モデルラインアップは標準車に加えて、アーバンギアというエアロパーツを装着したグレードの2種類を用意した。そして安全装備は、予防安全技術「eアシスト」を採用。衝突被害軽減 ブレーキシステム[FCM]や車線逸脱警報システム[LDW]、レーダークルーズコントロールシステム[ACC]などの運転支援システムにより、ドライバーのサポートそして負担を軽減してくれる。

続く2019年11月の一部改良で、予防安全技術「e-アシスト」に誤発進抑制機能(前進時)を追加し、GとMを除くグレードに、 助手席ドア/助手席側スライドドアと連動し自動で展開・収納する電動サイドステップ(LEDステップ照明付)を新たに標準装備し、乗降性を向上させている。2020年12月に行った一部改良では、雨量に合わせてワイパーの動作速度を自動で切り替える雨滴感応オートワイパーを採用したほか、寒冷時にステアリングホイールを温めて快適なドライブをサポートするステアリングヒーターを採用するなど利便性を向上。また、オートライトコントロール機能を従来より早いタイミングでヘッドライトを自動点灯、夜間走行中のヘッドライトの点灯忘れ防止に効果を発揮する。

そしてデリカD:5は、2026年1月に2019年以来の大幅改良を行い、内外装の変更に加えて走行性能を進化させた。注目のポイントは、新たに四輪制御技術「S-AWC」を搭載し走行性の向上させたこと。「S-AWC」は、三菱が誇るスポーツセダンのランサーエボリューションXにも搭載されていた技術で、前後輪間トルク配分、左右輪間トルクベクタリング。そして四輪ブレーキ力を制御し、「走る・曲がる・止まる_という車両運動を、ドライバーに違和感を感じさせることなく、連続的にきめ細かく統合制御することで、操縦性と安定性を比約的に向上させるデバイスだ。

さらに運転支援機能では、「衝突被害軽減ブレーキシステム」では、従来の車両と人物の検知に加え、新たに自転車の検知を可能としました。また「誤発進抑制機能」では、後退時でもアクセルの踏み間違いに対応させるなど安全性も高めている。「マルチアラウンドビューモニター」では、従来からカメラ画質を約3倍高め、両サイドビュー+フロントビュー画面やバードアイビュー+透過フロントサイドビュー画面を追加することで、視認性が大幅に向上。さらに移動物検知機能を採用することで、駐車場などでの周囲確認性も向上しサポート機能が充実している。

外観ではフロントグリル、フロント及びリアバンパーのデザインを変更。さらにホイールアーチモールの追加などによって力強さと高い走破性を強調。一方インテリアは、8インチカラー液晶メーターの採用やインストルメントパネルやシート記事の変更などのより、先進性に加えてギア感とプレミアム感を向上させている。グレードも統廃合され、P、Gパワーパッケージ、Gの3グレードでそれぞれ7人乗りと8人乗りが選べるようになった。

今回試乗したのは、車両本体価格494万4500円のP 4WD 8人乗り。オプション装備としてブラックエンブレムパッケージ(マットブラック)をはじめ、アルパイン製11インチナビゲーション、12.8インチ後席用モニターなど総額93万1200円が装着された豪華仕様の車両だ。

最近、国産ミニバンではラージサイズだけでなく、ミドルサイズにもセカンドシートにラグジュアリーシートを装着する車種が増えているが、デリカD:5はこれまでどおり、オールラウンドミニバンを追求し、ツール感を強めたシンプルなインテリアを採用する。しかしながら、デリカD:5は見た目の豪華さではなく、走りの質感を高めたのが特徴だ。それは従来モデルと比べるとディーゼルエンジン特有の音と振動の車内への侵入を抑えていることが挙げられる。試乗して、最も強く感じたのが、質感の高い走行性能だ。これは新採用された「S-AWC」の効果が大きい。

今回はダブル台風が近づく中、東京と大阪を往復するロングドライブを敢行した。台風特有の強風もなく、雨も一部区間しか降られなかったが路面はほぼウェットの状態。背の高いデリカD:5ゆえ、高速走行時の直進安定性をはじめ、カーブでのロール量や車線変更時のボディのねじれ剛性に物足りなさを従来モデルでは感じた。

しかし大幅改良後のモデルはそういったウィークポイントを見事に修正している。高速道路のインターチェンジにおける急なカーブでもロール量は極力抑えられ、安定感は抜群だ。しかもドライバーのハンドル操作に合わせてリアルタイムで動いてくれるのでミニバンとは思えないほどの身のこなしの良さを感じる。

運転支援システムの制御の質感も向上している。高速道路の大半もアダプティブクルーズコントロールを使用して走行したが、加減速とくにブレーキの掛け方は乗員を不安にさせないように、滑らかなブレーキ操作を行ってくれる。まるでドライバーが運転しているのかと錯覚するかのようだった。気になる燃費性能も約1090kmを走行して15.4km/L。カタログの数値、12.9km/Lを上回っただけでなく、高速道路モードも上回る数値となった。この数値は法定速度を上限に高速道路ではアダプティブクルーズコントロールを多用した結果で、決して燃費走行をしたわけではない。

高い悪路走破性を発揮するオールランダーミニバンという唯我独尊系モデルのデリカD:5。着実な進化によって販売開始から19年が経過してもその魅力に陰りはなく、最高販売台数を記録する理由を感じることができた。

■関連情報
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_d5/index.html

文・撮影/萩原文博

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