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【昆虫博士・牧田習が解説】カブトムシも顔負けのツノを持つ意外な昆虫たち

2026.07.26

ツノを持つ昆虫と言えば、夏の風物詩・カブトムシを思い浮かべる方がほとんどかと思います。しかし、昆虫界にはカブトムシ以外にもカッコいいツノを持つ昆虫たちが数多く存在しています。そして、そのツノの色や形も多種多様です。今回は、驚きのツノを持つ3つのグループの昆虫たちについて、解説いたします。

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フン虫の仲間

カブトムシと同じコガネムシ科に属するフンを食べるコガネムシ「フン虫」の中にはカッコいいツノを持つ種類が多く知られています。中でも、「ダイコクコガネ属」というグループに属する種類はカッコいいツノを持つことから多くの昆虫愛好家から人気があります。こちらはダイコクコガネの写真なのですが、頭部から長いツノが1本、胸部から対をなす2本のツノが生えており、見る人を圧巻します。また、体長3cmほどと、日本にいるフン虫の中では最大の種類でもあり、日本フン虫界の王様的存在です。

ダイコクコガネ

そして、日本に生息するダイコクコガネ属の中でも、特にツノの美しさと迫力で群を抜いているのが「ゴホンダイコクコガネ」です。体長は1~1.5cmほどとカブトムシに比べると小型ですが、頭部から真っすぐ伸びる長い1本のツノに加え、胸部には4本のツノを持ち、まるで王冠をまとっているかのような威厳があります。サイズこそ控えめですが、その精巧なフォルムは、昆虫好きの間でも「カブトムシにも負けない格好良さ」と高く評価されるほどです。

ゴホンダイコクコガネ

ダイコクコガネの仲間は、ウシやウマ、シカなど大型哺乳類のフンを食べて生活しています。フンを食べることで栄養を還元し、自然界の物質循環を支える「森や草原の掃除屋」として重要な役割を果たしています。

カメムシの仲間

カメムシと言うと、「臭くて嫌な虫」のイメージしかないかもしれませんが、心踊るほどカッコいいツノを持つ種類も存在します。

まず、最初に紹介するのは「ウシカメムシ」という種類で、胸部の両側に牛のツノのようなカッコいいツノを持つ種類です。体長は1cm弱と小柄ですが、黒っぽい体に鋭いツノという組み合わせは存在感抜群です。アセビやシラキ、ヒノキなどさまざまな植物の汁を吸って生活しており、里山や公園など、比較的身近な環境でも見つけることができます。

ウシカメムシ

そして、さらに美しいツノを持つ種類が「ツノアオカメムシ」です。体長は約2cmとウシカメムシよりひと回り大きく、金属のようにキラキラと輝く鮮やかな緑色の体が目を引きます。胸部の両側から鋭く伸びるツノは、まるで鎧をまとった武将のような力強さを感じさせます。都市部ではあまり見かけませんが、山地や北日本では比較的普通に見られ、夜になると灯火にもよく飛来します。

ツノアオカメムシ

このこのように、カメムシの仲間にはツノを持つ魅力的な種類が数多く存在します。種類によっては葉っぱキノコ、さらには地球外生命体をも想像させるものまでおり、その奇抜なデザインは世界中の昆虫ファンを魅了しています。

アゲハチョウの幼虫

最後に紹介するのはアゲハチョウの仲間の幼虫です。アゲハチョウという華麗な美しい翅を持つことから、ツノの印象はあまりないかもしれませんが、幼虫は危険を察知すると、「臭角」という臭い角を出します。この角は臭く、天敵を撃退する効果があると言われています。

アゲハの幼虫

アゲハの幼虫を飼育している時に、この臭角が出てきたら、手ににおいが付くと取れづらいので、触らないようにしましょう。また、臭角を見るために、何度も刺激を与えて臭角を出させようとすると、幼虫が弱ってしまうため、無理に見ようとすることはおすすめしません。あくまでも、臭角が出てきた時に観察するようにしましょう。

さて、今回はカブトムシの顔負けのツノを持つ昆虫たちに紹介してきましたが、あらゆる昆虫たちが個性豊かなツノを持っていることが伝わったのではないでしょうか。これら以外にもゴミムシダマシやツノゼミなど、小さな昆虫でもツノを持つ種類が多く存在するため、ぜひ虫眼鏡を持って昆虫たちのツノを観察してみてくださいね。

昆虫ハンター・牧田習

博士(農学)。1996年、兵庫県宝塚市出身。2020年に北海道大学理学部を卒業。同年、東京大学大学院農学生命科学研究科に入学し、2025年3月に同大学院博士課程を修了。昆虫採集のために14ヵ国を訪れ、9種の新種を発見している。「ダーウィンが来た!」(NHK)「アナザースカイ」(NTV)などに出演。現在は「趣味の園芸 やさいの時間 里山菜園 有機のチカラ」(NHK)、「猫のひたいほどワイド」(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。昆虫をテーマにしたイベントにも多数出演している。

著書:「昆虫博士・牧田習の虫とり完全攻略本」(小学館)、「昆虫ハンター・牧田習のオドロキ!!昆虫雑学99」(KADOKAWA)、「昆虫ハンター・牧田習と親子で見つけるにほんの昆虫たち」(日東書院本社)、「春夏秋冬いつでも楽しめる昆虫探し」(PARCO出版)好評発売中。Instagram・Xともに@shu1014my


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文/牧田習

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