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27万円超えの価値はあるか?「OPPO Find X9 Ultra」の実写レビューで見えた圧倒的高画質

2026.07.15

 24年末からハイエンドモデルの「Find」シリーズを再び日本市場に投入し始めたOPPOだが、26年に入り、そのラインナップを拡大している。4月には、日本で初めて折りたたみスマホの「OPPO Find N6」を投入。その際に予告していたカメラ特化型スマホの「OPPO Find X9 Ultra」も、7月に登場した。

 メインカメラのセンサーサイズは1/1.12インチと超大型。1インチセンサーを搭載する機種にはわずかにサイズでは及ばないが、超広角カメラに加え、2億画素の3倍望遠と5000万画素の10倍望遠カメラを搭載することでズーム性能を高めている。昨年末に投入されたベースモデルの「OPPO Find X9」と同様、マルチスペクトルカメラも搭載し、色を正確に再現する。

 カメラ特化型スマホは、ライカと協業したシャープやシャオミのそれが有名だが、OPPOは老舗カメラメーカーのハッセルブラッドとコラボし、絵作りを行っている。さらに、Find X9 Ultraの発売に合わせ、「Hasselblad Earth Explorer Kit」も発売。本体に大型のコンバーターレンズを取り付けることで、望遠カメラのように使うこともできる。そんなカメラスマホの最高峰とも言えるFind X9 Ultraで実際に写真を撮ってみた。使い勝手と合わせてレビューしていく。

思いのほかキレイに写った10倍望遠、20倍まで自由にズームできる

 まずは、キットなしで本体の実力を見ていこう。試用したのはツンドラアンバーだが、こちらのカラーのみ背面が2つに分かれてレザーのような質感のパーツがはめ込まれている。4つのカメラがデジカメのレンズを模したような大きな円形の台座に収められていることもあり、見た目はまるでカメラのようだ。ザラっとした質感で、手にフィットしやすいため、撮影の時に手からこぼれてしまいづらい。

ツンドラアンバーは背面が2つのパーツに分かれており、まるでデジカメのような見た目で所有欲が高まる
14mmの超広角と23mmの広角、70mmの望遠に加え、230mmの超望遠カメラを搭載する。さらに、マルチスペクトルカメラも備え、被写体の色を正確に捉える

 ディスプレイは6.8インチで比較的大型だ。重量も236gあって、手に取った際にはズッシリとした重みが伝わってくる。スマホと考えると重量級だが、14mmから230mm相当までを1台でカバーできるデジカメだと思うと、逆に軽さが際立ってくる。しかも、230mmは光学そのままでカバーできる範囲。10倍の望遠カメラには5000万画素のセンサーが使われているため、画素数そのままで撮った写真を切り出すことで20倍(460mm)まで劣化がほぼない写真が撮れる。

 この望遠カメラはセンサーサイズが1/2.75インチと小さいものの、夜景などを撮っても十分な明るさになる。以下は、1倍と10倍でそれぞれ撮った写真。デジタルズームをかます必要なく、無劣化でビルの上階にあるロゴにしっかり寄れている。空の色味が1倍(23mm)や3倍カメラの切り出しを使う6倍(139mm)とは変わってしまった点は気になったものの、ここまで高画質でズームできるスマホは珍しい。

それぞれ1倍、6倍(3倍望遠の切り出し)、10倍で撮った写真。10倍ズームとは思えないほどシャキッとした写真に仕上がっているのは、デジタルズームを一切加えていないからだ。ただし、背景の空の色味が1倍や3倍望遠カメラとはやや異なる

こちらは2倍の46mmと10倍の230mm。10倍ズームを使うと、ここまで花びらに寄ることができた

 次に掲載するのが、1倍と20倍(460mm)の写真。交差点の反対側に小さく写っていた横断幕の一部の文字にしっかり寄ることができ、デジタルズーム特有のモヤモヤ感も一切ない。センサーサイズやレンズの違いもあるため、メインカメラと同じクオリティとまではいかないが、センサーサイズの割にかなりキレイに撮れる。

1倍と20倍。切り出しで10倍を20倍に拡大しているため、画質の劣化がほぼない。ここまで遠くのディテールを精細に写せるスマホは珍しい

 また、本体側面にはシャッターキーとズームなどの操作を兼ねた「クイックボタン」が搭載されており、横に構えたときにシャッターが切りやすい。Find X9 Ultraと直接競合するとみられるシャオミのXiaomi 17 Ultraには、本体側にこうしたボタンがついていなかった。単体でも撮影しやすい点は、高く評価できるポイントと言える。

本体には、iPhoneのカメラコントロールのようなシャッターボタンを搭載。押し込むだけでなく、スワイプでズームなども行える

10倍超をキレイに撮れるテレコンバーター、ただし欠点も

 20倍以上を無劣化で撮りたいときに使えるのが、先に挙げたHasselblad Earth Explorer Kitだ。このキットは、Find X9 Ultraに装着できるシャッター&ズームレバーつきのケースとアダプター、さらに300mmのテレコンバーターレンズがセットになったもの。Find X9 Ultraに装着すると、大型の望遠レンズを装着した一眼カメラのような見た目になる。

テレコンバーターレンズを装着したFind X9 Ultra。まるで、デジカメのようだ

 このテレコンバーターレンズは、10倍望遠カメラをさらに拡大する役割を持っており、13倍(300mm)からスタート。ユーザーインターフェイス上では、30倍(690mm)と60倍(1380mm)の3段階にワンタッチで倍率を切り替えられるほか、このボタンをドラッグすると、間の画角も選択できる。

テレコンバーターレンズ装着時は、専用メニューで撮影を行う

 1倍で撮った風景写真と、13倍、30倍、60倍をそれぞれここに掲載する。1倍だと、文字通り豆粒のようにしか写っていなかった基地局が13倍ではきちんと中心にとらえることが可能。60倍だと、その背景にあったネットまでしっかり描画されている。スマホでここまで撮れるインパクトは非常に大きい。

本体で撮った1倍の写真と、13倍、30倍、60倍の写真。1倍では豆粒のようだった基地局を大写しにできている

 ただし、上記のようにテレコンバーターはサイズが大きく、お世辞にも持ち運びやすいとは言えない。下手な一眼カメラのズームレンズよりも長さがあるため、これを装着するのであれば、デジカメを持ち運べばいいのでは……という疑問も頭によぎる。

 また、テレコンバーターレンズ装着時は、このレンズが邪魔になり、10倍望遠カメラしか利用することができなくなる。標準カメラを使う際には、外さなければならないというわけだ。野鳥や遠くを走る電車の撮影などで遠くを常に狙っておきたい時にはいいかもしれないが、頻繁に画角を変えるようなシチュエーションには向いていない。使い勝手としては、望遠レンズを装着した一眼カメラに近い。

テレコンバーターレンズ装着時にメインカメラを使うと、レンズが写り込んでしまう

 そもそも、20倍であれば、切り出しで十分な画質になることは先に述べたとおり。そのため、このレンズは使いどころがかなり限られてくる。一方で、このキットにはシャッターキーとズームレバーのついたケースも含まれており、これは撮影時に重宝する。シャッターキー部分がグリップのようになっていて、片手でホールドしやすく、そのままシャッターを切れるからだ。

 本体との接続はBluetoothで行っており、USB-Cに挿すタイプよりやや反応が鈍いのが難点だが、Find X9 Ultra単体で撮影する際にも、このケースがあると撮影しやすくなる。残念なのは、このケースが単体で販売されていないこと。キットとしてまとめて購入すると5万9800円にもなるため、かなり悩ましいアクセサリーと言えそうだ。

キットには、このケースも含まれる
テレコンバーターレンズ装着時には、リング部分のアクセサリーを付け替える仕掛け
シャッターキーとズームレバーが独立しており、グリップが盛り上がっているためホールドしやすい。このケース単独で販売してほしいと感じたほどだ

色味のバランスが良好で精細感のあるメインカメラ、超広角も優秀

 とは言え、これはあくまでアクセサリーの話。本体は、ズーム以外の画質も非常に高く、センサーも0.9インチ弱あるため、暗い場所でもかなりノイズが少ない。ライカブランドを冠したXiaomi 17 Ultraがどちらかと言うと“エモく”写真を仕上げてくるのに対し、ハッセルブラッドと協業しているOPPOのFind X9 Ultraは、より色が忠実な印象。屋内で料理を撮った際にも、過度に温かみを増すような処理をせず、目で見た時に近く好印象だ。

照明の雰囲気をうまく残しながら、目に見えたのに近い色味を記録しており、ディテールも精細。料理写真にはかなり強い1台と言えそうだ

 暗い場所、特に夜景のようなシチュエーションでも、過度にギラっとさせず、それでいてきちんとHDRが効いて白飛びが起こっておらず、一目でキレイだと感じる写真に仕上がっている。拡大してみると、明かりが当たっていない木の葉までしっかり描写されていて、センサーサイズの大きさやレンズの作りのよさを感じた。

暗所撮影にも抜群に強く、ノイズが少なく、白飛びも起こっていない

 また、ともすればおざなりになりがちな超広角カメラも、センサーサイズが1/1.95インチとこの画角では比較的大き目で、画素数も5000万画素あるため、端までしっかりと描写されている。14mmから460mmまでの画角を、ポケットに収まる薄さのスマホで自由に行き来できるのはなかなか便利。しかも、そのいずれもがデジカメクオリティに達している。

機種によっては手抜きになりがちな超広角も、画質が高い

 当然ながら、スマホとしての性能も高い。チップセットには最上位モデルのみが搭載するクアルコムの「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を採用しており、メモリも12GB。ストレージは512GBとたっぷりあるので、写真や動画をたくさん撮る人にもうれしい。また、特筆すべきはそのバッテリーで、その容量は7050mAhにも及ぶ。

 撮影は、カメラのセンサーやディスプレイなどをフルに使うため、バッテリーを消費しがち。スマホだと、撮ったあとにGoogleフォトなどに同期するため、通信も使う。そのため、バッテリー容量は多いにこしたことはない。特にカメラ特化型スマホの場合、アクティブに使うことが多いため、他社のUltraモデルを超える大容量バッテリーを搭載してきた点は評価できる。

バッテリー容量が大きく、持ちもいい

デジカメとスマホをまとめて買い替えたいという人向き?

 悩ましいのはその価格だ。公式ストアでの値付けは27万4800円と、かなり高額。しかもオープンマーケットモデル(SIMフリーモデル)のみでの展開になるため、キャリアの用意している残価設定型プログラムも利用できない。ここに、先に挙げたHasselblad Earth Explorer Kitを足すと、33万4600円にもなってしまう。カメラ性能は評価できるが、一般的なハイエンドモデルよりもさらに高いとなると、簡単には購入できないだろう。

 特に、直接競合するXiaomi 17 Ultraの20万円を切った価格を見ると、なおのこと高く感じてしまう。シャッターキーや、ズーム性能など、Find X9 Ultraの方が優れている点も多々あるだけに、価格で人をかなり選んでしまうのは残念なところと言える。メモリやストレージが高騰しているあおりを受けた格好だ。とは言え、その性能は高い。デジカメとスマホをまとめて買い替えたいという人が、これ1台で済ませるにはいい選択肢になる。カメラ性能を追い求めたい人には、太鼓判を押せる1台であることは確かだ。

文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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