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焦がさずご飯が炊ける!アウトドアシーンで評判の「スチームライスクッカー」は普段使いもOK

2026.07.16

■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!

2021年頃にキャンプ界隈を席巻した水蒸気炊飯だが、より登山などアクティブシーンに最適化した専用クッカーの登場で最注目されている。

発売したのはアウトドア用のバーナーやトーチで知られる「SOTO」。近年はコスパがいいけれども登山には不向きだと言われていたCB缶を用いる軽量バーナーを発表するなど、オリジナリティあふれる製品開発に定評がある。

▲収納サイズ=φ108×H134mm、使用時サイズ=φ108×H155mm。重量約250g

この春発売された「スチームライスクッカー ITADAKI」(7480円)は、その名の通り、蒸気を利用する炊飯専用クッカーだ。

▲大小ふたつのクッカーと蓋、スペーサー、リフターのセット

容量350mLと650mLのクッカーセットだが、特筆すべきは小鍋の形とスペーサーの存在だ。

小鍋は縁が広く、底が少し絞られたデザインとなっていて、これがスペーサーの縁に引っかかる。

▲スペーサーは、小鍋と大鍋との間に隙間を設けるためのもので、なおかつ大鍋の底とも距離をうむ。

飯盒による水蒸気炊飯では、スリット入りの中子(内蓋)に米と水を入れておくことで、水蒸気の熱がまわってふっくらおいしく炊き上がる。

一方、「スチームライスクッカー ITADAKI」では小鍋に穴をあけるのではなく、スペーサーによって物理的な隙間を作って水蒸気の熱で包みこむ。また、大鍋で沸かした湯に浸っている小鍋は、やや厚手のステンレス製であってもしっかり熱が伝わる。

飯盒と「スチームライスクッカー ITADAKI」にはこうした違いがあるが、どちらも米と水を入れた小鍋や中子を直接火にかけるわけでがないので、うっかり焦げ付かせることはない。

そして大鍋で沸かした湯を、即席スープやコーヒーに利用すれば燃料的にも無駄がない。

これが水蒸気炊飯のメリットだ。

炊飯はわずか4ステップ! 細かな火加減は不要

「スチームライスクッカー ITADAKI」の基本の使い方は次の通り。

(1)小鍋に0.5~0.8合の米と水(同量~1.2倍)を入れて1時間浸水
(2)大鍋に水(350mL)を入れてから小鍋を重ね、火にかける。大鍋の水が沸騰するまで中火
(3)湯気が出たら弱火にして約10分
(4)火を止めて10分ほど蒸らしたら完成

さっそく使用してみよう。

▲小鍋に水100mLと米0.5合を入れて浸水

もっともスタンダードなのは、100mLの目盛りまで水を入れ、米0.5合を投入するという方法。

ごはんの硬さは好みがわかれるのでこの方法で試してから、硬めが好きなら少し水を減らし、やわらかめが好きなら増やせばいい。

▲大鍋に350mLの水を入れる

大鍋にいれる水は、少なすぎると空焚きの危険が高まる。反対に多すぎると沸騰したときにこぼれ落ちるし、燃料と水が無駄になる。ここは規定通りがベター。

▲タテ型のクッカーは、小型の登山用バーナーにぴったり

細かな火加減は不要だが、強火にかけると大鍋の熱が伝わってスペーサーが溶ける危険があるとのこと。

沸騰までの2~3分は中火、沸騰したら弱火にしよう。

▲写真では見づらいがたっぷり湯気が出てくる。それでも噴きこぼれの心配はない

弱火にしたらあとはほったらかしで約10分。

噴きこぼれることはなく焦げ付くこともないのでただ待つだけでいい。

▲粒立ちがいいおいしいご飯に炊き上がった

さすがに火にかけたままその場を離れることはできないが、そばで別のことをしていてもまず問題はない。

小型クッカーでの炊飯は、タイマーをかけていてもちょっとした水量や火加減の差で焦げることがある。

とくに登山用バーナーは風が強い日でも短時間で沸騰するほど火力は強くとも、弱火を維持するのが苦手なものがままあり、ちょっとした油断で焦げたり立ち消えしていたりすることがある。

多少の焦げや芯飯でも食べられないことはないが、間違いなくテンションは下がる。

この日はあえてやや強めの弱火にかけたが、10分たっても焦げることはなかったし、大鍋の湯はたっぷり残っていて即席スープとお茶を楽しめた。

ほったらかしでごはんとスープの準備ができるのはなかなか効率がいい。本体も軽く、登山やカヌー、自転車旅に向いた設計だ。

▲0.5合に小分けした米2袋と付属のリフターを入れてみた

ただし、「スチームライスクッカー ITADAKI」には125gのCB缶が収まるが、バーナー本体は収納できない。また100~110gのOD缶は大鍋には収まるが小鍋とまとめることはできないなどパッキングにひと癖あるので、小分けした米や調味料を入れるのが無難だ。

なお、水蒸気炊飯に特化したクッカーセットのため炊飯にしか使えないように思えるが、構造そのものは飯盒や蒸籠と似ていて蒸し物もOK。

▲小鍋に惣菜とおにぎりを入れてあたためる。残った湯で即席スープを作れば立派な一食だ

ソロキャンプや車中泊旅なら冷めたコンビニおにぎりや惣菜をあたためるのもいいだろう。

市販おにぎりなら小鍋に2個入るし、おにぎり1個でいいなら底に缶詰やレトルトの惣菜を入れてあたためてもいい。

もちろんワインや牛乳をあたためるのはお手の物だ。

それに、0.5合をおいしく失敗せずに炊けるので、日常でも晩酌後の「ちょっとだけごはんがほしい」ときの救世主にもなり得る。スリムなタテ型なのでキッチンでの収納場所にも困らない。

「スチームライスクッカー ITADAKI」は登山やキャンプ、そして日常の〆ごはんに活躍する新しいタイプのクッカーセットだ。

【問】新富士バーナー

文/大森弘恵

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