32年越しの〝南条弘〟がスクリーンに帰ってきた!
──映画『帰ってきた あぶない刑事』(2024年)以来の共演。印象に変化はありましたか?
西野 舘さんは紳士的でかっこいい、大人の男性のイメージだったんです。その印象は、お会いしてからもずっと変わりません!
──取材の前にも「コーヒーどう?」と、さりげなく西野さんを気遣われていらっしゃいましたね。
西野 映画の撮影現場でもいつも声をかけてくださいました。『免許返納!?』では俳優とマネージャーという近しい関係性で、舘さんのおちゃめな一面もめちゃめちゃ知ることができて、うれしかったです。
舘 あはは。西野くんこそ、今回はすっかりハジけていただいて。アクションスターさながらの立ち回りも体当たりで演じ切られて、僕の中にあった〝二枚目の西野〟の印象がどっかいっちゃった。
西野 えへへ。
舘 この作品は、西野くん演じるマネージャーの川奈がいなくては成立しない。大きな存在でした。
──舘さんは『免許がない!』(1994年)ぶりに映画スター・南条弘を演じられていかがでしたか。
舘 やっぱり素朴なんだなって。純粋で映画への愛がいっぱいあって、まっすぐで熱いがゆえに空回りもしてコメディにつながってしまう。愛すべき男なんですよ。
──前作と今作の南条弘、どちらがより愛すべき男でしょう?
舘 32年前の南条はね、もう忘れちゃいました(笑)。どちらも好きですけれど、昔のほうがもっとセコかったような気はしますね。
──かつての南条は撮影現場へ毛ガニを派手に差し入れたりして。
舘 人気取りのために、ひとり1杯ずつカニを配ってましたね(笑)。

──今作では、70歳になった南条が《絶対、免許返納なんかしたくない!》と激しく反抗します。
舘 引き続き、スター・南条という男の免許がないことへのコンプレックスがただただ、おもしろい。高齢者の免許返納問題に切り込むといった意図はなくて、南条が〝いやだ、返したくない!〟とひたすらあがく様が笑いを誘います。
──シルバーマークを巡る南条と川奈の応酬もコミカルでした。
舘 愛車に貼られるたびに、憤って投げちゃう。彼なりの美学と反抗心を貫く悪あがきは、ちょっと理解できるかもしれない(笑)。
──ポイッと投げたらパトカーにくっついて青ざめるシーンも。
舘 脚本では「川奈ぁ~!」と叫んで捨てるところまでだったんです。投げた先にパトカーがいるハプニングは、現場で浮かびました。
西野 ムキになって毎回投げちゃう南条さんの姿が愛らしくて、私が川奈でも、どんどん車に貼りたくなっちゃうと思いました(笑)。
舘 あのマークを貼るのは川奈のマネージャーとしての愛なんですよね。南条もそれはわかっている。でも愛車に貼られると「ふざけるな~!」って。ふたりの距離感を象徴するような場面で、僕は好きですね。実は川奈の立ち回りも、愛情表現としてどうしても必要だと感じて、足してもらいました。
西野 そうなんです。南条さんが騒動に巻き込まれ、川奈は何もできずにオロオロするだけだったんです。ところが急きょ、参加してほしいとなって飛び込みました!
舘 立ち尽くしているだけでは川奈の南条への愛が伝わらないと芝居しながら感じて南条を守る川奈のシーンを監督にお願いしました。
西野 川奈はぶっきらぼうで、普段は塩対応というか年下らしからぬ当たりの強さなのですが、心の底では、南条さんを大切に思ってもいる。そんな川奈だったら考えるよりも先に「どうにかして私が守らなきゃ」と、あの場は突進していくはずなんです。だから私も、とにかく必死でくらいつきました。
舘 その健気さが、泣けるじゃないですか。あの冷めきった川奈を西野くんは想像した何倍にもふくらませて暴れてくださって、南条への愛がすごく感じられた。もうね、川奈の魅力が満載ですよ。

映画『免許返納!?』公開中

かつてバイクアクションでスターダムにのしあがった南条弘も古希を迎え、老人役で評価が高まる一方で大好きなアクションの仕事は遠のくばかり。さらに自分の発言で免許返納を迫られる窮地に陥ってしまう。返納を直前に逃亡した南条。その胸には、2つの切実な〝想い残し〟を抱えていて──。




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