資材の高騰や都市部への人口集中などを背景に、首都圏の新築マンションは高騰を続け、マンション購入希望者たちの心を挫いている。こうした中、新築ではなく、中古のリノベーションマンションに活路を見出している人も多いのではないだろうか?
中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」を運営するツクルバはこのほど、「首都圏における中古リノベーションマンション検討者の『叶えたい暮らし』と『街選び』」の実態調査を実施し、その結果を発表した。
本調査は、首都圏(一都三県)に住んでいて、中古リノベーションマンションの購入を検討している・購入してから3年以内の(1)単身かつ年収400万円以上/(2)2人暮らしの夫婦かつ世帯年収400万円以上/(3)小学生未満の子どもを持つファミリーかつ世帯年収400万円以上/(4)小学生以上の子どもを持つファミリーかつ世帯年収400万円以上の1,008人を対象に行ったものだ。
約半数が新築よりも良い条件を求めて中古リノベーションマンションを検討
中古リノベーションマンションの購入を検討している理由について尋ねたところ、予算内で新築よりも広さ・立地などが良い条件であることを優先する現実的な視点と、将来の資産価値を見据えた戦略的な考えから、中古リノベーションマンションを検討していることがわかった。
新築マンションの供給が限られる中、希望エリアに住むための有効な手段としても中古リノベーションマンションが選ばれているようだ。
「ヴィンテージマンションならではの味・ディテールが好きだから」と回答した人も約2割おり、建物の新しさを妥協する層だけでなく、古い建物自体の価値を積極的に評価して選ぶ層も一定数いることがうかがえる。
購入を検討している(購入した)中古リノベーションマンションの予算帯は、「3,000万円~7,500万円未満」という人が多く、幅広い価格帯に分散する結果になった。
さらに、予算「9,000万円以上」が13.6%と、コスト重視の層だけでなく、資金に余裕のある層も理想の立地や住環境を求めて、あえて中古リノベーションマンションを選んでいることがうかがえる。
【住みたい街】理想と現実に乖離なしで「目黒」「武蔵小杉」「横浜」が上位に
希望する予算の中で、実際にどのようなエリアが選ばれているのだろうか。
住みたい街と実際に住むと決めた街を「駅」単位で調査したところ、どちらの設問においても「目黒」が1位という結果になった。続く順位も、ともに2位が「武蔵小杉」、3位が「横浜」という結果になっている。
これは、中古リノベーションマンションという選択が「住みたい街に住むための手段」として機能しているからと考えられる。
新築では予算を超えてしまう、あるいは物件がない人気エリアも、中古物件なら住みたい家がある可能性が高いといえる。
絶対に譲れない条件は「通勤時間」と「駅からの徒歩距離」、譲ってもよい条件は「築浅」かどうか
絶対に譲れない条件として「都心や職場への通勤時間」と「駅からの徒歩距離」が上位になり、物件の広さや価格よりも、日々の移動負担を軽減する立地の利便性を優先していることがわかった。
一方で、「エリアを検討する中で、妥協した(あきらめた)条件」を聞いたところすべての世帯において「築年数の浅さ」が最多になった。
先ほどの結果と合わせると、立地を最優先し、建物の新しさの優先度を下げる傾向が見られる。
リノベーションによって内装や設備は後から自分好みに変更できるという前提があるからこそ、築年数に縛られない合理的な選択ができていることがうかがえる。
世帯別でも理想と現実の街選びは一致傾向、小学生未満の子どもを持つファミリーは広さを求め「船橋・川崎」など郊外へ
住みたい街として人気が高い「目黒」だが、実際にその街を選んで暮らしている人は経済的にどのような傾向があるのだろうか。
目黒に住んでいる人の多くが世帯年収「800万円~1,000万円未満」の中間層であることがわかる。
理想と現実の街選びを世帯別に見ると、単身・2人暮らしの夫婦では上位の傾向がほぼ一致しているのに対し、子どもを持つファミリー層では異なる傾向が見られる。
特に、小学生未満の子どもを持つファミリーでは、住みたい街・住むと決めた街ともに1位は「目黒」だが、実際に住むと決めた街の2位には「船橋」、3位には「川崎」と郊外エリアがランクインした。
また、小学生以上の子どもを持つファミリーでは、1位が「武蔵小杉」、3位に「新浦安」という結果になった。中古マンションでも1億円を超える物件が珍しくない昨今、ファミリー層においては、「郊外シフト」の傾向が強まっていると考えられる。
住むと決めた街の魅力、1位は「都心や職場へのアクセスの良さ」
では、実際に購入を決めた、あるいは有力な候補としているエリアについて、どのようなところに魅力を感じているのだろうか。
住む街の魅力として最も支持を集めたのは、「都心や職場へのアクセスの良さ」や「駅前の便利さ(スーパー・ドラッグストアなど)」といった生活の基盤となる要素だった。
これに続いて、「落ち着いた公園や緑道・水辺」「活気ある商店街・市場」「馴染みになりたい個人店(飲食・本屋・喫茶・酒屋など)」といった、暮らしに彩りを与える環境が上位に挙がっている。一方で、「リセール・資産価値の安定感」や「再開発による将来性」といった経済的側面を重視する声は限定的だった。
これらの傾向から、目黒や武蔵小杉といった人気エリアが選ばれる背景には、資産形成の目的以上に、日々の生活の充実を優先する「暮らし重視」の姿勢があると考えられる。
暮らしの中で大切にしている要素を聞いたところ、単身・2人暮らしの夫婦では「自分の時間・趣味の充実(推し活・読書・運動・創作など)」が最も重視されていた。
小学生未満の子どもを持つファミリーでは、子育てや家族との時間が優先されるため、自分の時間の優先順位は一時的に下がるが、子どもが小学生以上になると再び3位にランクインしている。このことから、子どもの成長に伴って、再び自分自身の時間を大切にする暮らしへとシフトしていく様子がうかがえる。
さらに、夫婦やファミリーといった複数人世帯では『家族・パートナーとの時間』が上位に挙げられており、日常における「時間の質(タイムクオリティ)」を追求する傾向が見て取れる。
まとめ:住宅価格高騰時代に、「住みたい街に住める」のが中古リノベーションマンションという選択
首都圏の中古リノベーションマンション検討者は、「通勤時間」や「駅近」といった立地の利便性、そして、将来の資産価値以上に、商店街の活気や自然との触れ合い、趣味の時間といった「時間の質」と「日々の暮らしの充実」を大切にするという価値観を持っているようだ。
利便性の高い立地と、自分らしい空間を両立できる中古リノベーションマンションは、現代の多様なライフスタイルに応える重要な選択肢になっていることがうかがえる。
<調査概要>
調査概要:カウカモ中古マンション購入者の価値観調査「首都圏における中古リノベーションマンション検討者の『叶えたい暮らし』と『街選び』」の実態調査
【調査期間】2026年5月1日(金)~2026年5月11日(月)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,008人
【調査対象】調査回答時に首都圏(一都三県)に住んでいて、中古リノベーションマンションの購入を検討している・購入してから3年以内の(1)単身かつ年収400万円以上/(2)2人暮らしの夫婦かつ世帯年収400万円以上/(3)小学生未満の子どもを持つファミリーかつ世帯年収400万円以上/(4)小学生以上の子どもを持つファミリーかつ世帯年収400万円以上と回答したモニター
【調査元】株式会社ツクルバ
【モニター提供元】サクリサ
出典元:株式会社ツクルバ
構成/こじへい
マンションの買い時は?売り時は?DIME最新号は不動産の大特集、最新事情と業界の裏側がまるわかり!
現在発売中のDIME最新号は映画『正直不動産』とコラボした不動産特集! 情報非対称性の象徴とも言える不動産業界。嘘をつけなくなった営業マン・永瀬財地の活躍を描く…




DIME MAGAZINE























