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草薙素子といえば青!総作画監督に聞いた「攻殻機動隊」新作アニメキャラデザインのこだわり

2026.07.16

脳とネットが直結した電脳社会、そしてサイボーグが街を駆ける未来――。30年以上も前に、現代の生成AIやネット社会の到来を予言していた『攻殻機動隊』が、2026年、ついに再始動する。最新アニメシリーズが掲げたテーマは、士郎正宗の原作コミックを意識した「原点回帰であり、原典回帰」。最先端のテクノロジーが、始まりのイマジネーションへ追いついた今、どのような『攻殻機動隊』が描かれるのか。7/15発売のDIMEでは監督を務めるモコちゃん、脚本・シリーズ構成の円城塔、キャラクターデザイン・総作画監督の半田修平、声優陣などにインタビューした特集を掲載している。

黄瀬和哉氏を筆頭に、歴代のスーパーアニメーターたちが担当してきたアニメ『攻殻機動隊』シリーズのキャラクターデザイン。新作のキャラクターデザイン・総作画監督の半田修平さんに胸に秘めた思いを聞いた。

本稿はDIME2026年 9・10月合併号に掲載の「『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』ついにベールを脱いだ〝原典回帰〟の真実」より一部を抜粋・再編したものです。

『攻殻機動隊』のアニメを作るのは私たちの世代に残された宿題

キャラクターデザイン・総作画監督半田修平さん/アニメーター。1984年生。静岡県出身。TRIGGER所属。主な仕事に『リトルウィッチアカデミア』(メインキャラクターデザイン)、『スプリガン』(キャラクターデザイン・総作画監督)など。

――今作への参加の経緯は?

この作品の企画が動きはじめた頃に、監督のモコちゃんとたまたま会う機会があったんです。その時に、まさか自分が深く関わることはないだろうと思って、原作の士郎正宗先生の絵の魅力を好き勝手に熱弁したんですよ。そうしたらそのあと、キャラクターデザインのオファーが来まして。かなり無責任に「マンガ絵の『攻殻機動隊』も良くない?」みたいな話をしまくった手前、断りづらいじゃないですか(笑)。

それで一度、サイエンスSARUの関係者の方とお話をすることになったんですけど、その時に「『攻殻機動隊』のアニメを作るのは私たちの世代に残された宿題だ」と言われて、ハッとしたんです。自分は1984年生まれで、たしかにこのくらいの世代が、原作を若い頃に読んで衝撃を受け、さらに押井守監督の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の衝撃もリアルタイムで受け取れた、ギリギリ最後の世代なのかもしれない。

原作にテイストを近づけるこだわりは、左掲のティザービジュアルにも表われている。この構図は『攻殻機動隊』原作単行本の表紙イラストのラフ案が基になっているのだ。

――言われてみれば。

であるならば、その衝撃をちゃんと下の世代にも伝えなければいけないな……と考えるようになったんですが、所属しているTRIGGERでの次の仕事も決まっていたので、そのあともまだしばらく迷っていたんです。SARUから「メインキャラのラフだけでもいい」とご提案いただいたりもして、関わるにしても軽くかもしれないな、とか。

そうしたらある日、どこかでオファーを聞きつけたTRIGGERのプロデューサーが僕を呼び出して、「こっちのことは気にしないでいいから、『攻殻機動隊』を全力でやりなさい。『攻殻機動隊』のキャラクターデザインの仕事なんて、誰にでもできるものじゃない。今後のキャリアを考えても、ちゃんと取り組んだ方がいい」と言ってくれたんです。

それでキャラクターデザインに加え、総作画監督として制作現場にしっかりとシリーズの最後まで入ることになりました。今にして思えば、もしほかの誰かがやることになっていたら、とてつもなく悔しかったと思うので、本当にオファーを受けてよかったですね。

原作の草薙素子の持つ人間らしさがアニメで蘇る

表情豊かな今作の草薙素子。「今回のデザインでは立体としての整合性をそこまで追求していません。士郎先生の絵は正面顔と横顔の目の描き方が違うので、あえてそれを残しています。そして原作の素子は失敗するし、いたずらっぽいこともするし、よく笑う。今回はそうした素子の『人間らしさ』を表現することにこだわっています」(半田)

――キャラクターデザインの方針は?

とにかく「あの頃」の士郎先生の絵を、可能な限り再現することです。『スプリガン』を担当した時もそうでしたけど、僕はずっと「あの頃」の時代にいるんですよね。

だからその好きな気持ちを、何かに対するカウンターとかではなく、ストレートに出す。髪のボリューム感や目の形は、かなり士郎先生の絵に寄せたつもりです。線の量はアニメーションとして大量の作画枚数を描くことを考えて結構減らしましたが、それでもこれ以上少なくすると「らしさ」が出ないし、増やすと現場が大変なことになる、ギリギリのラインを攻めました。

色に関しても、色彩設計の橋本さんに原作単行本の表紙のイメージに近づけるようにしてもらっています。素子の髪の色はリアルに考えれば黒に近いものになるし、原作のカラーページでは茶髪だったりもするんですけど、僕も含めた多くの方にとっては、やはり表紙の青の印象が強いと思うんですよ。

瞳の色など、ほかのところも表紙のイメージの色ですね。体型に関しては、女性の体型を描く上でのセオリーとしては骨盤を大きく描くんですけど、士郎先生の描く女の子は肩幅が広くてお尻が小さい。そのバランスを意識しました。

原作でも今作でも、物語の展開によって新たな物事を知り、少しずつキャラクター性が変化していく素子。これまでのシリーズにない、揺れ動く様も見どころになっている。
男性陣もやはり、原作のコミカルな味わいをストレートに活かしたデザインに仕上がっている。とはいえ、ここはこれまでのシリーズとあまり印象が変わらないキャラも。

――今後の作品の見どころは?

すでに放送された2話までをご覧になっていただけたなら、今後もそんな感じで続いていきますので、安心して最後まで楽しんでいただけるかと思います。

自分の一番好きな話数は7話です。8話とセットで好きなエピソードですね。作画オタクの方は6話をお楽しみに。4話も、5話もいいし、9話もおすすめで、ほかの話数ももちろん……ようするに、全話見どころだらけです(笑)。最後まで一緒に駆け抜けてもらえたらうれしいですね。

©2026 Shirow Masamune/KODANSHA/THE GHOST IN THE SHELL COMMITTEE

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さらに注目のモナキの巻頭インタビューから始まる2026年上半期のヒット商品特集や、新作アニメがスタートした『攻殻機動隊』の原典回帰の舞台裏に迫るなど、大人の好奇心を刺激する一冊です!

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©2026 Shirow Masamune/KODANSHA/THE GHOST IN THE SHELL COMMITTEE

取材・文/前田 久 撮影/江藤大作 編集/石﨑寛明 web構成/峯亮佑

Author
大学卒業後、『週刊ポスト』で週刊誌記者としてキャリアを始める。医療、芸能、政治、社会問題などを担当し現場取材を中心に経験を積む。2023年からは@DIMEで編集者兼ライターを務め、ビジネスからエンタメまで幅広く取材・執筆を行なう。取材・執筆した企画(一例)/「ポケモン超進化論」(「DIME 2023年9・10月合併号」)、「ガンプラ45年の軌跡」(「DIME 2025年9・10月合併号」)

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