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ヒョンデがサッカーW杯で人型ロボットによる試合運用サポートを実現

2026.07.10

人型ロボット「Atlas」による最先端ロボティクス技術を世界にむけて発信

Hyundai Motor Companyは、Boston Dynamicsが開発した先進的人型ロボット「Atlas」を、2026年7月19日まで開催中のFIFA World Cup2026ラウンド16において、ヒューマノイドロボットとして史上初めてライブ試合環境に投入。

大会の公式ロボティクスパートナーとしてハーフタイム演出を実現すると共に、世界に向けて最先端のロボティクス技術の発信を行なった。

同社では「この取り組みは、Hyundai Motor Groupがロボティクス分野におけるリーダーシップをさらに強化するとともに、人を中心としたイノベーションを推進し、テクノロジーと人々を有意義につなぐ体験の創出に取り組んでいることを示すものです」とコメントしている。

FIFA World Cup 2026で実現したロボティクスとスポーツの実運用

今回の演出は、世界最大級のスポーツイベントであるFIFA World Cup 2026の舞台に先進的なロボティクス技術を導入することで、未来のテクノロジーがライブ試合というダイナミックな環境の中でも実際に機能することを示した。

このパフォーマンスは、次の2つの重要なマイルストーンを達成している。

・CES 2026で初公開された人型ロボット「Atlas」の実環境における運動性能を、一般向けに初めて披露
・ロボティクスとして史上初めてFIFA World Cupのライブ試合環境に登場

ロボティクスをライブスポーツの現場に導入することで、Hyundai Motor Companyは「Progress for Humanity(人類のための進歩)」というビジョンを体現するとともに、ロボティクス技術が世界中の人々へ新たな価値ある体験を提供できることを示した。

■ハーフタイムで披露された「Atlas」のパフォーマンス

ハーフタイムになると、「Atlas」は選手入場口から登場。ハリー・ケイン選手、アーリング・ハーランド選手、マテウス・クーニャ選手、ソン・フンミン選手などのゴールセレブレーションから着想を得たパフォーマンスを披露した。パフォーマンス終了後には、卓越した精度と制御能力を発揮して、公式試合球を主審へ手渡すセレモニーを実施。後半戦のキックオフへと繋いだ。

世界中の観客と視聴者が見守る中で行われた今回の演出は、「Atlas」が大規模な国際スポーツイベントという環境においても、正確かつ安定した動作を実現できることを示すものとなった。

人型ロボット「Atlas」はいかにしてサッカーに着想を得た動きを習得したのか

今回のハーフタイムパフォーマンスは、「Atlas」に搭載された複数の先進的なロボティクス技術によって実現した。

これらの技術を組み合わせることで、「Atlas」は複雑かつ高度な動作を実行しながら、変化する環境や状況にも柔軟に適応することが可能になるという。

■モーション・リターゲティング(Retargeting Technology)

人間の動作やジェスチャー、サッカーのゴールパフォーマンスなどを「Atlas」のロボット構造に合わせて変換・再現する技術。

■強化学習(Reinforcement Learning)

実運用前に数千回に及ぶシミュレーションを行い、試行錯誤を繰り返しながら動作の学習と最適化を行なう技術。

■全身制御技術(Whole-Body Control)

ロボット全身の関節や動きを統合的に制御し、滑らかでバランスの取れたダイナミックな動作を実現する技術。

「School of Football」や「Next Starts Now」の世界観を現実の舞台へ

今回の演出は、Hyundai Motor Companyが展開するグローバルキャンペーン「Next Starts Now」の一環として実施されたものだ。中でも、「Atlas」がサッカーを学びながら成長していく姿を描いたコンテンツシリーズ「School of Football」と密接に連動している。

その映像の中で描かれたサッカーに着想を得た動きや学習プロセスは、今回FIFA World Cup 2026の舞台において実際のパフォーマンスとして披露された。

このようにコンテンツとして発信していたストーリーが、世界最大級のスポーツイベントを通じて現実の体験へとつながったことは、本取り組みを象徴する要素の一つと言える。

「Next Start Now」は、サッカーを通じてコミュニティをつなぎ、次世代の選手、ファン、そしてイノベーターたちにインスピレーションを届けることを目的としている。

■実証実験として紹介されてきた技術を世界的な舞台で実体験へと発展

また、今回のライブ試合環境への「Atlas」の導入は、これまでコンセプトや実証実験として紹介されてきた技術を、FIFA World Cupという世界的な舞台で実体験へと発展させる取り組みでもある。

Hyundai Motor Companyがこれまで展開してきたロボティクスに関するストーリーテリングの集大成として、先進的なロボティクス技術が管理された環境だけでなく、変化の多い実社会の環境においても活用できることを示すものだ。

さらに「School of Football」では、「Atlas」が高度なサッカー技「Ghost Rabona」をはじめとするサッカーに着想を得た動きを学習する過程が描かれている。そこで活用されたロボティクス技術は、今回FIFA World Cupで披露されたパフィーマンスを支えたものと同じ技術だ。

足を交差させてボールを蹴る「ゴースト・ラボーナ」は、動的なバランス制御や精密なタイミング制御を必要とする難度の高い動作だ。「Atlas」は、人間のサッカー動作データを詳細に分析・モデリングした上で、物理ベースのシミュレーション環境へ適用。そして「強化学習(Reinforcement Learning)」を通じて試行錯誤を重ねることで動作精度を高めていった。

こうした動作の実現には、不安定かつ非対称な姿勢における動的なバランス制御、複数の関節や四肢を連動させる全身の協調動作、変化する体重移動や推進力(モメンタム)へのリアルタイムな適応、さらに物理的制約下においても精度を維持するモーター制御など、複合的な先進技術が必要とされている。

■今回の演出に関する舞台裏コンテンツや追加ストーリーを公開

今回の演出に関するビハインドや追加ストーリー描いたコンテンツとして、Hyundai Motor Companyは、BBC Story Works Commercial Productionsと共同制作したドキュメンタリー形式の映像作品「The Training Ground」を公開する。

本作品では、「Atlas」がFIFA World Cupの舞台に向けて行った技術的な準備やトレーニング過程を紹介しており、映像は3分30秒版と30秒版の2種類を用意。Hyundai Motor Companyの公式ソーシャルメディアチャンネルで順次公開される予定だ。

関連情報
https://www.hyundai.com/jp/

構成/清水眞希

@DIMEはサイトローンチ時より編集業務に携わる。現在は雑貨や家電、オーディオなどの新製品に加え、各種の社会調査・統計、話題の新スポットからイベント情報などを担当。信条は正確さとわかりやすさ。最近の趣味は日付が変わる時刻のウオーキング。

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