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サービス開始から15年!社会インフラとなったLINEの次なる戦略

2026.07.08

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

LINEアプリのサービス開始15周年を迎え、昨年末には日本国内の月間利用者数が1億ユーザーを突破した。グローバルでもユーザーが増えており、タイ、台湾ではナンバー1のシェアを続けている。

「LINEアプリ15周年記念イベント」では、運営するLINEヤフーが次の15年に向けたビジョン「Connect the Next」を発表。LINE上の体験を生活行動へ広げる取り組みとして、LINEとPayPayのアカウント連携、インフォメーション、ショッピング、ライフ、トークの4領域の進化、LYPプレミアムの機能拡張を発表した。

AI エージェントを活用した「LINE」のさらなる進化

これまで築いてきたLINEのつながりを「拡張」、「深化」、「最適化」の3軸で進化させる。AI エージェントを活用して、LINEを通じて様々な生活接点を築くライフプラットフォーム「Life on LINE」をさらに広げていく「Life on LINE with AI Agent」を推進する方針を発表。AIがその実現の鍵となり、社会にパラダイムシフトをもたらすと位置づけている。

LINEとPayPayのアカウント連携

LINEとPayPayのアカウント連携が2026年夏より開始される。国内月間利用者数1億ユーザーの「LINE」と、登録ユーザー7,400万⼈を抱える「PayPay」のサービスを連携させることで、LINEとPayPayの経済圏をさらに拡張する。

今まではPayPayのアプリを別途開く必要があったが、アカウント連携により、LINEのトークルーム上で友だちを選択し金額を指定するだけで、PayPay残高を送る、受け取る、割り勘が可能になるほか、LINE上でPayPayの登録や残高・ポイント確認ができるようになる。

PayPayアプリ上で、ユーザーが設定することで、LINEの友だちが表示され、よりスムーズに残高を送り合えるようになり、また、PayPayを利用していないLINEユーザーは、PayPayアプリを介さず、LINE上でPayPayアカウントを登録できるようになる。

インフォメーション領域/LINEホームタブのリニューアル

情報過多により、ユーザーが情報を得るために多くのアプリを使い分ける負担が増加していることを受け、LINEホームタブを「アクセスからマイホームへ」をコンセプトにリニューアルを実施。必要な情報や体験が自然に集まる場所を目指し、2026年夏ごろに全ユーザーへ提供を開始する。

今後はAIエージェントとの連携により、ニュースや天気、友だちに関する情報、好きなアーティストやコンテンツの最新情報など、ユーザー一人ひとりに最適化し、興味・関心や行動に応じた情報提案を行う「My Home Agent」や「Proposer Agent」機能の提供も予定。

LINEホームタブをAIでパーソナライズされた「マイホーム」へと進化させ、ユーザーが最適な情報や体験に自然に出合える仕様にしていく。

ショッピング領域/ショッピングタブの正式リリースと体験拡張

現在のLINEギフトは年間利用者1300万人以上、流通総額1000億円超の見込みで、LINEギフトを起点に成長してきたコマース体験を「生活とコネクト」へ拡張し、日常的な購買体験を目指す。

現在、一部のユーザーに提供中の「ショッピングタブ」を段階的に拡大し、9月に正式リリースする。コンセプトは「トークの合間に見る、あなただけのショッピングタウン」。

LINEヤフーグループのEC連携で、商品数を約30万から3億以上へ拡大。LINE上で、LINEヤフーグループのショッピングサービスが取り扱う3億点以上の商品の中から、AIエージェントが商品との出合いから購入、配送までを一気通貫でサポート。公式アカウントと連携し、AIが先行販売情報の検知や予約・購入代行まで行う。

一人ひとりに合った商品と出合うことで比較、検討ができ、LINE IDに紐づく住所、支払い手段と連携し、シームレスな購入体験を提供する。

さらに、ブランド提供のキャンペーンや、ユーザー参加型の「ほしい」ボタン機能などを提供。PayPayポイントが貯めやすく、使いやすい設計を導入し、コミュニケーションとポイントを連動させる。

ライフ領域/LINE公式アカウント、ミニアプリ、カレンダーの進化

ライフ領域では、「LINE公式アカウント」と「LINEミニアプリ」を通じて、企業や店舗とユーザーのつながりの先にあるユーザーの顧客体験を変えていく方針を紹介した。

LINE公式アカウント(約127万人)とLINEミニアプリ(約3,000万人)により、行列待ちやモバイルオーダーなどの日常の不便を解消。ミニアプリタブは2026年8月ごろから順次アップデートし、個人への最適化を強化する。

圏外や災害時でも衛星通信でLINEを利用できる「サテライトモード」をリリースし、安否確認に適用。トークルームを生活の中心と捉え、会話と行動の循環を自然にする「Deepen Connect」を推進する。

2026年3月にリリースしたLINEカレンダーに、OSや他カレンダーとの外部連携機能を追加。今後は学校情報、予約情報、セール情報などを自動で取り込み、登録の手間を削減する。公式アカウントをフォローすることで、関連情報が自動でカレンダーに追加される仕組みも検討している。

さらに、ミニアプリタブとAIエージェントを連携させることで、ユーザーの状況やニーズに応じて店舗検索や予約、順番待ちなどをAIがサポートし、ユーザーの行動を自律的に支援する「Agentic UX/CX」の構想を発表した。

新AIエージェントサービス「Agent i in Chat」

新しいAIエージェントサービス「Agent i in Chat」は、LINEのチャット内で友だちと話すように自然にAIと対話することで、質問の回答からタスク実行までユーザーの日常的なコミュニケーションをより便利にすることを目的としている。

「LINE」のトークルーム内でAIエージェントを呼び出すことで、会話の文脈に応じた回答や、ToDoリスト作成、カレンダー登録、アルバム作成、メッセージ要約などを支援する機能で、サービスのリリースは年内を予定している。

ユーザーは新しいアプリをインストールする必要がなく、LINEの友だちリストやグループチャットにAIエージェントを追加して利用できる。グループチャット内では、特定の相手を指定して呼びかけるメンション(@)を使ってAIエージェントに直接指示を出すことが可能。

一例として学園祭の準備を紹介。会話内で発生した「誰が何をするか」というタスクをAIエージェントが認識し、ユーザーが「タスクをまとめて」と指示すると、AIエージェントは会話内容を読み取り、担当者とタスク内容をLINEのノート機能に自動でまとめてくれる。

会話の内容から予定を抽出し、自動でカレンダーに登録する機能も紹介され、 一例として、ディナーの約束に関する会話を紹介。日付、場所などの会話をAIエージェントが認識し、会話後に「カレンダーに登録して」と指示すると、日付、場所、店名などの情報を自動でカレンダーに登録する。

グループチャットで共有された多数の写真も、ユーザーが「写真を整理して」と指示すると、AIエージェントが写真の中身を読み取り、人物、風景、食事などカテゴリごとに複数のアルバムを自動で作成し、整理する。

LINEのサブスクリプションサービス「LYPプレミアム」の新たな取り組み

LINEのサブスクリプションサービス「LYPプレミアム」はLINEの成長戦略の柱として位置づけられ、お得な特典やLINEを便利に使うための機能を提供することで、ユーザーとの関係を深めることを目的としている。

既存の月額650円のスタンダードプランに加え、新たに月額290円の「ライトプラン」を準備中で、2026年7月中旬ごろにリリース予定。ライトプランの第1弾として「エンジョイパック」を提供する予定で、「LINEスタンプの使い放題」「LINE通話の着信音・呼び出し音の設定」「アルバムへの動画保存」「アプリアイコンの設定」の機能が使える。

また、1億曲以上の楽曲が聴き放題の「LINE MUSIC」との新セットプランは2026年秋から提供開始予定。LINE MUSICの通常プラン(月額1,080円)と同価格で、LYPプレミアムのライトプラン特典も利用可能になる。

LYPプレミアム会員向けに新たに加わるのが、「メッセージ編集」「プレミアムブロック」「メッセージ予約」「通話レコーディング」の4つの機能。

これまでLINEのメッセージは、送信後の編集は提供していなかったが、送信済みメッセージを15分以内に編集できる「メッセージ編集」を新たに実装。送信後15分間であれば、誤字脱字、誤った情報などがあった際に、送った後の自分のメッセージを編集できるようになる。編集した後はトーク画面上に「編集済み」が明記される。

2つめは「プレミアムブロック」。従来はブロックされたこと、したことに気づかれないための配慮として、ブロックしても相手の友だちリストから消えることはなかったが、相手側のリストからも消してほしいという要望が多かったことから、相手の友だちリスト上で自分を非表示にできる「プレミアムブロック」も選択できるようにした。

3つめは「メッセージ予約機能」。誕生日の0時ちょうどにメッセージを送りたい、深夜帯を外して連絡したい、早朝連絡したいなど、送りたい日時を指定してメッセージが送れる機能。

4つめの「通話レコーディング」(仮称)は、LINEの通話を録音・録画し、文字起こしして保存できる機能。これらの新機能は2026年秋以降にLYPプレミアムの新特典として提供予定で、2026年8月から順次、LINEの新しい機能を試せる「LINEラボ」にて、先行リリースをしていく。

【AJの読み】連絡ツールから社会インフラへの進化したLINEの今後のカギは「AI」の活用

東日本大震災を経て、大切な人とすぐにつながれるサービスとして2011年に誕生したコミュニケーションアプリ「LINE」は、今年6月23日にサービス開始から15周年を迎えた。無料通話機能やスタンプなど使いやすさから家族や友人との連絡ツールとして発展し、今では日常生活のさまざまな場面で利用する社会・行政のインフラへと進化。2025年12月には国内月間利用者数が1億ユーザーを突破した。

次の15年はLINEを通じて、AIエージェントが日常に自然に存在する「Life on LINE with AI Agent」の実現に向け、ユーザーの生活に寄り添うサービスの強化に取り組んでいくとLINEヤフーは話す。

インフラとして社会に浸透しているLINEだが、飲食店で注文する際も「LINEの友だち登録」してからではないとできない店もあり、企業や店舗がLINEに依存し過ぎて、連絡ツールを主体として使っているユーザーとしては正直ウザいと感じてしまうこともある。つながりたくない企業や店舗からLINEを強要されるのが嫌でLINEアプリをあえて使っていない知人もいる。日常生活に当たり前のツールとなった今、どう使うかはユーザーの選択に任せてもらえる余地も欲しいというのが本音だ。

取材・文/阿部純子

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