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激安旅行に要注意!夏休み前に急増する「偽予約サイト」の罠

2026.07.10

夏休みシーズンを前に世界中では何億もの人々がオンラインで航空券とホテルを予約しながら休暇の計画を立てている。そしてこの時期を狙って活気づくのがサイバー犯罪者たちだ。旅行関連のフィッシング詐欺やサイバー犯罪が急増していることが新たな調査から報告されている。

旅行関連のフィッシング詐欺が急増

専門家によると、夏休みの旅行予約をしようとする人々を標的とした詐欺が急増しており、サイバー攻撃件数も昨年や一昨年と比べて大幅に増加していることから問題が深刻化している。

米サイバーセキュリティ企業「Check Point Research」が先頃発表したレポートでは、宿泊、旅行、レクリエーション業界で週平均2291件のサイバー攻撃が発生しており、前年同月比で24%増加していることが報告されている。過去3年間で旅行業界に対するサイバー攻撃が累計で122%増と2倍以上に増加しているのだ。

世界全体の全産業におけるサイバー攻撃の前年比増加率はわずか2%にとどまっていることから、サイバー犯罪者が旅行者を格好の標的にしていることが示されている。

夏の休暇を前に旅行を計画している人々は予約を急いでおり、お得な取引を確保しようと躍起になっているまさにその時に、旅行関連業界とその顧客を標的とした意図的かつ季節的な集中的サイバー攻撃が行われているのである。

こうした詐欺行為の大部分はフィッシングメールや偽装ウェブサイトによるもので、その数は著しく増加している。同社によると2026年5月だけで旅行関連の新規ドメインが4万7318件登録され、これは4月と比べて33%、昨年5月と比べて19%の増加となっている。

これらのドメインのうち112個に1個はすでに悪意のあるドメイン、または疑わしいドメインとして分類されているのだが、これは残りの111個が安全なドメインであるという意味ではない。多くの新規ドメインが普段は休眠状態にあり、旅行シーズンが来るのを手ぐすね引いて待ち構えているのである。

偽の旅行予約サイトが大量発生

同社は4月と5月のデータから、3つの連携した大量登録キャンペーンを特定した。

1つ目は実在するホテルのドメイン210以上を中心に展開している大規模なフィッシングインフラストラクチャーである。

2つ目は「アメリカン・エキスプレス」とロイズバンクの旅行会社「Lloyds Travel Choice」になりすましたドメイン上で仕掛けられているフィッシング詐欺だ。

3つ目は「Fora Travel」ブランドを標的に108の異なるTLD(トップレベルドメイン)」サイトが展開しており、複数のWebドメインに類似サイトを大量に投入することで、旅行計画者を捕捉する可能性を高めることを目的とした飽和戦略が仕組まれていた。

さらに恐ろしいのは偽の「Booking.com」、「Airbnb」、「Skyscanner」のサイトがすでに稼働していることである。これらのサイトで公式サイトの認証情報とクレジットカード情報を収集しているのである。

米国人の半数がオンライン詐欺を懸念

市場調査会社「イプソス(Ipsos)」による新たな消費者調査によると、アメリカ人の約4割(42%)がオンライン詐欺の被害に遭い、平均で約2000ドル(約3万2000円)を失っており、5%は1万ドル(約16万円)以上の損失を報告している。

問題をさらに深刻にしているのは生成AIコンテンツの普及だ。アメリカ人のほぼ3分の2(62%)が、生成AIコンテンツによって詐欺がより巧妙になり、見破りにくくなっていると考えている。若い世代は生成AIコンテンツを識別する能力に最も自信を持っていると回答しているが、その自信が必ずしも識別能力につながっているわけではない。実際、18~24歳の回答者が生成AI画像を正しく識別できた確率はどの年齢層よりも低かったのだ。

さらにアメリカ人のほぼ半数(46%)が、オンラインで宿泊施設を予約する際に詐欺に遭うことを最大の懸念事項としており、3分の2(66%)が予約保護のために追加料金を支払う意思があると回答している。多くの旅行者は依然としてオンライン予約時に回避可能なリスクを負っているものの、信頼できる防御策へのニーズと需要は高いことになる。

民泊サービス「Airbnb」は不正行為の潜在的なリスクに対処するため、専門チームとテクノロジーを導入しており、潜在的に危険なリンクへのクリック数を20%以上減少させ、2025年だけでも約26万5000件の潜在的に疑わしいリスティングが「Airbnb」に掲載されるのを防ぐことができたと報告している。

詐欺回避の8つのチェックポイント

「Airbnb」は国際金融犯罪捜査官協会(IAFCI)と提携し、オンライン旅行詐欺の兆候や、予約先を問わず詐欺を回避する方法について旅行者への啓発活動を行っており、オンライン詐欺を回避するためのチェックポイントを8つ提示している。

●信頼できるプラットフォームを利用する:予約、支払い、連絡が集約された評判の良いプラットフォームを利用する。

●レビューを読んで質問する:予約前に過去の旅行者のレビューと宿泊施設の説明をよく読む。不明な点があれば、宿泊施設のホストにメッセージを送る。

●クリック先と支払い先を確認する:メール、テキストメッセージ、ソーシャルメディアのメッセージに含まれる予期せぬリンクには注意し、支払い情報を入力する前に、公式アプリまたはウェブサイトにアクセスしていることを確認する。

●クレジットカードで支払う:クレジットカード以外で支払いを求められた場合はいったん中止する。

●不審な取引に注意する:価格がほかの選択肢と比べて極端に安い場合は警戒するべきである。

●プレッシャーに注意する:予約時間制限や「残り1つ」という表示、あるいは短すぎる支払い期限の設定などは、旅行者に決断を急がせるためのものであり注意が必要だ。

●アカウントの保護:オンラインアカウントごとに固有のパスワード(12文字以上を推奨)を使用し多要素認証(MFA)を有効にする。

●不審な電話に注意する:予約に関して不審な電話がかかってきた場合は、すぐに電話を切り、公式ウェブサイトに記載されている連絡先情報を使って直接会社に連絡する。

くれぐれも早急な判断を避け、気になる箇所は何度も確認しながらこれらの点に留意し慎重に旅行計画を進めていきたいものである。

※調査レポート(Check Point Research)
https://blog.checkpoint.com/research/travel-phishing-and-cyber-attacks-are-surging-in-2026-growing-122-over-the-last-3-years-heres-what-cyber-criminals-are-actually-doing/

※調査レポート(Airbnb)
https://news.airbnb.com/partnering-with-experts-on-tips-to-help-avoid-summer-travel-scams-in-u-s/

文/仲田しんじ

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北海道生まれ東京育ち。学業ドロップアウト後、小説家を志しつつ広告代理店営業マン、任期制陸上自衛官、家電販売員などを経て経て出版業界へ。アスキーなどで編集者として勤務した後、フリーライターとして活動。科学から心理学まで幅広いテーマを執筆。ネット上の研究論文を読むのが趣味。大型自動二輪免許を持っている。 X: @nakata66shinji

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