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日産の新型「キックス」VSホンダ「ヴェゼル」買うならどっちが正解?

2026.07.04

日産から2代目となるキックスが6月18日から発売されている。力強く躍動的かつスタイリッシュなエクステリアと高品質なインテリアに加え、全車に大幅に燃費を向上させた第3世代「e POWER」を搭載。モデル初搭載となる電動駆動4輪制御技術「e 4ORCE」を、キックス初となるスノーモードをドライブモードとともに用意している。日常からレジャーまで、幅広いシーンで活躍する、日本の路上にもジャストサイズのコンパクトSUVへと進化したことになる。

ここでは、国産クロスオーバーSUVのライバルとなりうるホンダ・ヴェゼルとのスペックを中心とした比較を行いたい。

ボディサイズは新型キックスが全長4365×全幅1800×全高1610~1615mm。ホイールベース2655mm。ヴェゼルは全長4340~4385×全幅1790×全高1545~1590mm。ホイールベース2610mmで、両車、極めて近いサイズとなる。ちなみにトヨタ車ではヤリスクロスとカローラクロスの中間的サイズとなり、トヨタに同サイズのSUVは見当たらないも。特筆すべきは、ヴェゼルには全高1545mm、立体駐車場への入庫が可能なRSグレードを用意していること。言い方を変えれば、新型キックスは全高1550mm制限の立体駐車場は利用できないことになる。

パワーユニットも両車、異なる。新型キックスは全車第3世代「e POWER」を搭載。つまり、モーター・インバーター・減速機・発電機・増速機を一体化した次世代電動パワートレイン5-in-1を採用した、e-POWER電動ユニットと発電特化型エンジンの組み合わせだ。e:POWERについて補足すると、ガソリンエンジンとモーターを融合した日産独自のハイブリッドシステムで、エンジンを発電専用として、大出力モーターのみで100%駆動。電気自動車的な走りを楽しむことができるパワーユニットということになる。

日産キックス

一方、ヴェゼルはガソリン車とe:HEV(イー・エイチ・イーブイ)と呼ばれる、シリーズ式とパラレル式ハイブリッドのいいとこどりをした1.5Lエンジンとモーターによるシステムで、e:HEVは日常域、中低速域の多くをモーターで走行し、エンジンが得意とする高速走行ではタイヤに直結したエンジン走行が主体となる、EVモード、ハイブリッドモード、エンジンモードを使い分けるハイブリッドシステムである。

ホンダ・ヴェゼル
ホンダ・ヴェゼル

両車の電動パワーユニットのスペックを整理すると、新型キックスは直列3気筒1.4Lエンジン98ps、11.7kg-m。モーター143ps、32.0kg-m(電子制御4WDのe-4ORCEのリヤモーターは68ps、14.3kg-m)。WLTCモード燃費2WD 25.7km/L、e-4ORCE 21.5km/L。ヴェゼルのe:HEVは直列4気筒1.5Lエンジン106ps、13.0kg-m。モーター131ps、25.8kg-m。WLTCモード燃費2WD 25.4km/L、4WD 21.4km/Lと、両車、かなり拮抗している。

ドライブモードは新型キックスが2WDモデルにECO、STANDARD、SPORTを備え、e-4ORCEにはそれにSNOWが加わる4モードとなる。ヴェゼルは2WD/4WDともにECON(エコモード)、NORMAL、SPORTの3モードとなる。

日産キックス
ホンダ・ヴェゼル

インテリアはさすがに新型キックスの上質感、先進性が際立つ。それを象徴するのがメーター&センターディスプレイ周りだ。リーフ、エルグランドでも採用されているメーターとセンターディスプレイを統合し、センターディスプレイは12.3インチと大型だ(X+とGに標準)。さらに2段重ねのインパネの平面部分などにファブリックを用い、上質さとまるでリビングで寛いでいるような居心地の良さを提供してくれるのだ。シフターも最近の日産電動車同様にタッチ式スイッチが採用されている。

その点、5年前の2021年4月に発売されたヴェゼルは改良が続けられているが、メーター~センターディスプレイ周り、一般的なガングリップタイプとなるシフターを備えるセンターコンソール周りに新鮮味、先進感はない。

なお、室内寸法のカタログ値は新型キックスが室内長1930×幅1450×高1230mm。ヴェゼルは室内長2020×幅1445×高1225mm。室内長は計測ポイントが各車違うことから(インパネやセンターディスプレイの形状、でっぱりにもよる)直接比較はナンセンスだが、室内幅と室内高はほぼ同じとみていいだろう。

クロスオーバーSUVはアウトドアやSURF & SNOWのスポーツシーンでも大活躍してくれる車種と言えるだけに、ラゲッジスペースの寸法も気になるところ。新型キックスは開口部地上高720mm、通常時奥行き885×最小幅1025×天井高870mm(2WD476L)。対するヴェゼルは開口部地上高710mm、通常時奥行き765×最小幅1015×天井高725mm(2WD335L床下収納含む)と、重い荷物の出し入れのしやすさは同等なものの、容量、スペースは新型キックスが優位。ただし、後席を倒したときのフロアは、新型キックスのほうは段差ができるのに対して、ヴェゼルはほぼフラットとなる。

新型キックス
ホンダ・ヴェゼル

アウトドアというキーワードが出てきたので補足すると、都会派クロスオーバーモデルのヴェゼルには無骨すぎないアウトドア感が演出されたe:HEV X・HuNTというパッケージを用意。汚れや水気に強い撥水・撥油ファブリックシートを用いているのが特徴となる。

e:HEV X・HuNTパッケージ
e:HEV X・HuNTパッケージの撥水・撥油シート

装備面ではさすがに新型キックスに見るべきものがある。オプションながら電動車ならではのAC100V/1500Wコンセントが用意され、車内外で1500Wまでの家電(コーヒーメーカー、簡易電子レンジ、照明、扇風機など)を使う事ができ、ドライブ、アウトドア、そして災害時にも大活躍してくれること間違いなしである。

キックスのAC100V/1500Wコンセント

最後に価格比較だが、ここではヴェゼルのガソリン車、G、4WDのみの275.88万円は、全車e:POWERの新型キックスとは比較できないため、ハイブリッド車(e:POWERとe:HEV)に限定すると、新型キックスは事実上のベースグレードとなるXが2WD 325.93万円(e-4ORCE 358.92万円)、Nissan Connectインフォテインメントシステム[シンプル]が標準装備されるX+が2WD 354万97万円(e-4ORCE 389万9500円)。ヴェゼルは全高1545mmの立体駐車場への入庫が容易かつ、Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器〈ナビゲーション連動〉が備わるe:HEV RSが2WD 374.88万円(4WD 396.88万円)と、やや新型キックスに値頃感がありそうだ。

なお、新型キックスの公道試乗記、前後席のパッケージングなどについては、このあとの試乗後、改めて報告させていただきたい。

文/青山尚暉

プロミュージシャンからいきなり自動車専門誌の編集者を経験した後、モータージャーナリストに。新車試乗記や自動車関連コラム、防災記事などを幅広い媒体で執筆。クルマのパッケージング、洗車”オタク”でもある。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動。愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿厳選紹介、ドッグフレンドリーカー選びについて多方面で情報発信中。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」(リヨン社刊)、「すごい海外旅行術」(講談社刊)、「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)など。輸入車の純正ペットアクセサリーの開発にも携わっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~。現在は小学館DIME推薦)。

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