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SkyDriveの空飛ぶクルマ「SD-05型」が実用速度域の時速100kmでの安定飛行に成功

2026.07.03

コンパクトな「空飛ぶクルマ」の開発・製造・販売を行なうSkyDriveは、開発中のマルチローター型の空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の実用速度域となる時速100kmでの前進飛行試験を実施し、機体の安定性、制御性、操縦性、推進システム、飛行制御システムおよび搭載機器が想定通りに機能することを確認したと発表した。

今回取得した飛行試験データにより、設計・解析段階で予測した飛行特性と実機挙動の整合性を確認し、型式証明取得および2028年の商用化に向けた開発を着実に前進させた。

設計・解析の妥当性を裏付ける飛行試験データを取得し型式証明・商用化に向け開発を前進

今回の時速100kmでの安定飛行確認は、単なる速度達成ではない。航空機開発は、設計・解析からはじまり、各種システムの単体試験や地上試験を経て、実際のスケールサイズの機体を製造し、飛行試験へと進む。また並行してシミュレーターを活用しながら、操縦性や推進システム、飛行制御システムの検証を重ねていく。

しかし、どれだけ解析や試験を積み重ねても、実際に機体を飛行させるまで分からないことがある。特に高速飛行時には、機体に作用する空気力や振動、構造への負荷、飛行制御システムの応答などが複雑に変化するため、設計段階で予測した結果と実機飛行の結果が一致するかを確認することが重要になる。

このSkyDriveが開発する機体は、従来の固定翼機やヘリコプターとは異なる、全く新しいコンセプトの航空機。既存航空機で蓄積されてきた知見や飛行データをそのまま活用できるわけでなく、実機飛行を通じたデータ取得と検証が重要になる。

■2つの成果

1.重要な技術的マイルストーンを達成

高速前進飛行では、機体に作用する空気力や振動、構造への負荷、推進システムや飛行制御システムの挙動が大きく変化する。そのため、航空機開発において高速飛行試験は、設計や解析の妥当性を確認する重要なステップとなる。

航空機開発では、飛行試験によって初めて明らかになる課題も少なくない。実機で取得したデータが設計・解析段階の予測と大きく異なった場合には、追加試験や設計変更、場合によっては開発計画そのものの見直しが必要になることもある。

今回の飛行試験では、機体の安定性、制御性能、構造健全性および各システムの作動状況を確認し、設計・解析段階で想定した飛行特性と実機挙動が整合することを確認した。これは、高速前進飛行という開発上の重要なハードルをクリアしただけでなく、これまで積み重ねてきた設計・解析・試験の妥当性が実機によって裏付けられたことを意味する。今後の認証試験および商用化に向けた機体開発を、より確かな見通しを持って進めることが可能になった。

2.都市部での運航を見据えた、コンパクトなマルチローター型・空飛ぶクルマの有効性を確認

今回の成果は、SkyDriveが創業以来追求してきたマルチローター型の空飛ぶクルマという機体コンセプトの有効性を示す結果でもある。SkyDriveは、都市部での利用を前提に、固定翼を持たないコンパクトな機体構成を採用している。これは、離着陸場所の選択肢を広げるだけでなく、機体構造や運用を可能な限りシンプルにすることで、将来的な運航コストや整備性の向上につなげる考え方。

一方で、このような機体形態は従来航空機とは大きく異なり、十分な実績や飛行データが存在しない。そのため、実用速度域においても安定して飛行できるか、また都市での利用を見据えたコンパクトな機体構成が成立するのかを実機で確認する必要があった。

今回、12基の電動ローターとフライトコントロールシステムによる飛行制御が、高速前進飛行においても安定して機能することを確認できたことで、SkyDriveが目指す都市型航空機コンセプトの実現性をさらに高めることができた。これは単に時速100kmで飛行したという成果ではなく、これまで前例の少なかったマルチコプター型の空飛ぶクルマが、人々の新たな移動手段として成立し得ることを示す重要な一歩でもある。

■なぜ実現できたのか

今回の成果は、1度の試験によって得られたものではない。SkyDriveは、これまでに多くの飛行試験を実施するとともに、シミュレーション、風洞試験、地上試験、各種システム試験を重ねながら、機体の飛行特性に関する知見とデータを蓄積してきた。

豊富な実機経験の蓄積:プロトタイプ「SD-03」から続く開発経験と、これまで積み重ねた数百回の実機飛行データの解析
多角的な先行検証:推進システム(EPS)の単体試験、宇宙航空研究開発機構(JAXA)での風洞試験、および地上振動試験(GVT)の実施
段階的な制御チューニング:低速・中速域の飛行試験で得られたリアルタイムのデータをもとに、エンジニアとパイロットによる、各飛行フェーズでの慎重な飛行継続可否(Go/No-Go)の判断の徹底

現在、世界の空飛ぶクルマ開発は、「飛行できることを示す段階」から、「実用速度域での安定飛行」「認証取得に向けたデータ蓄積」「商用運航を見据えた実装検証」の段階へと移行している。

SkyDriveは、今回の高速飛行試験を通じて、実用速度域での安定飛行を確認するとともに、飛行試験を通じて蓄積した知見とデータを活用し、設計・解析で予測した飛行特性を実機で確認した。これにより、型式証明取得および2028年の商用化に向けた開発を着実に前進させていくとしている。

関連情報:https://skydrive.co.jp/

構成/土屋嘉久

「CanCam」「Oggi」「Domani」などのファッション誌やサイトの編集に長年にわたり携わりながら、編集プロダクション「ADVOX株式会社」を設立。同時に、広告のクリエイティブディレクター&ライターとしても活動。近年は、DIMEをはじめとする情報誌やサイト、ラジオ番組などで、クルマや家電、美容、健康、グルメ、ファッション情報を発信。さらに現在では、クルマ好きが高じてWワークで超高級スーパーカーブランドにて車両移動する業務に携わり、毎日、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェ、マクラーレン、アストンマーチン、マセラティ、ロータス、ベントレー、ロールスロイスなど、様々なクルマの運転を満喫中。

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