株式会社ウェザーニューズは、突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらす「ゲリラ雷雨」(※1)に対して、事前対策への意識を高め、併せて被害軽減につなげることを目的に「ゲリラ雷雨傾向2026」を発表した。
それによれば7〜9月のゲリラ雷雨は、全国で約11万回発生する予想となっており、発生回数は昨年や過去5年平均と比べて多く、発生のピークは8月中旬となる見込みだという。
以下、概要を同社リリースをベースにお伝えする。
※1 「局地的大雨」を指す言葉として「ゲリラ雷雨」という言葉を使用している。一般あるいはメディアでよく使用されている「ゲリラ豪雨」と同義。
ゲリラ雷雨発生傾向2026
■発生回数:全国の総発生回数は約11万回
2026年7~9月のゲリラ雷雨は、全国で約11万回発生する予想となった(図1)。発生回数は、約8.8万回発生した昨年と比較して多く、過去5年平均と比べても多くなるという。北海道は1.4万回前後、東京都は1300回前後、愛知県は1800回前後、大阪府は500回前後という見立てだ。

雨雲の発生は山沿いがメインとなるが、平野部(都市部)にも雨雲が流れ込んだり、直上で発生したりする場合もある。ゲリラ雷雨による短時間の激しい雨で、道路の冠水や河川の増水、落雷による停電や交通機関が麻痺するなど、様々な影響や被害が懸念されるので注意が必要だ。


<「ゲリラ雷雨」発生回数の求め方>
「ゲリラ雷雨」をもたらす雨雲・雷雲は〝突発的&局地的〟に発達するのが特徴で、予測が難しいとされてきた。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1300か所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難だ。
そこで同社では、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた〝ザーザー〟以上の降雨報告(※3)と、その時の気象データの分析結果から、ユーザーがゲリラ雷雨と感じる雨の時間変化の基準値を求め、求めた基準値をもとに10km四方でゲリラ雷雨をカウントしている。
※3 スマホアプリ「ウェザーニュース」を通して、ポツポツ、パラパラ、サー、ザーザー、ゴォーの5段階で報告される。

■発生時期:発生ピークは8月中旬
ゲリラ雷雨は、日中の気温上昇や上空の寒気、下層に湿った空気が流れ込むことで、大気の状態が不安定となり発生する現象。今シーズンのゲリラ雷雨は、8月中旬が発生のピークとなる予想だ(図4)。

7月下旬から8月上旬にかけて、日本付近は太平洋高気圧とチベット高気圧に覆われて晴れる日が多くなる予想が出ている。この時期は高気圧の勢力が強いため、雨雲の発生が抑えられる日が多い見込みだ。ただ、気温が平年よりも高くなることで大気の状態が不安定となり、山沿いを中心にゲリラ雷雨が発生する日があるだろう。
8月中旬は一時的に高気圧の勢力が弱まり、湿った空気が流れ込みやすくなる。上空の寒気も南下し、北日本や東日本は前線が通過しやすくなりそうだ。このため各地でゲリラ雷雨が発生しやすくなるとみている。
9月もゲリラ雷雨が発生する予想だが、北日本を中心に秋雨前線の影響を受けるため、広域での雨に変わっていく予想となっている。これにより、突発的かつ局地的なゲリラ雷雨の発生は徐々に減少していき、ゲリラ雷雨のシーズンも終息に向かう見通しだ。
■要因:湿った空気や上空の寒気の影響で発生するパターン
2026シーズンは、7月下旬から8月上旬にかけて太平洋高気圧とチベット高気圧に覆われる。高気圧の勢力が強い時期は広範囲でのゲリラ雷雨の発生が抑えられる日があるものの、晴れて気温が上がるため大気の状態は不安定になる。このため、山沿いを中心に積乱雲が発生・発達する見込みだ。
8月中旬には高気圧の勢力が弱まり、湿った空気の流入や上空の寒気の南下、前線の通過があるため、このタイミングで全国的にゲリラ雷雨が発生しやすくなる(図5)。

エリア別のゲリラ雷雨傾向
■北日本
北日本のゲリラ雷雨など突発的な強雨や雷雨の総発生回数は、約3.2万回の予想。約2.1万回発生した昨年と比べると1.5倍で、昨年よりも多くなり、発生のピークは8月中旬の見込みだ。
高気圧に覆われて雨雲の発生や発達が抑えられる日もあるが、日中の昇温などの影響で大気の状態が不安定となるため、ゲリラ雷雨としては山沿いを中心に発生する見込み。
7月下旬までは東北に梅雨前線が停滞し、本格的なゲリラ雷雨の季節は7月下旬からになるとみている。8月上旬は高気圧の勢力が強くなるが、中旬は大気の状態が不安定となりやすく、ゲリラ雷雨の発生回数は増加傾向となりそうだ。9月は低気圧や前線の影響を受ける日が増加して、ゲリラ雷雨というよりは広域の雨となる日が増える予想となっている。

■東日本
東日本のゲリラ雷雨の総発生回数は、約3.4万回の予想。約2.3万回発生した昨年と比べると1.5倍で、昨年よりも多い発生となると考えられる。発生のピークは8月中旬の見込みだ。
主要地域の発生数も昨年より多く、東京都の発生回数は1300回前後、愛知県は1800回前後と予想される。7月中旬まで梅雨前線の影響を受けるため、本格的なゲリラ雷雨の季節は7月下旬からとなる見込みだ。
8月上旬は高気圧の勢力が強く雨雲の発達が抑えられるが、中旬は高気圧の勢力が弱まり、気温の上昇や暖かく湿った空気、前線や上空の寒気の影響を受けて大気の状態が不安定になるとみている。
太平洋側ほどゲリラ雷雨の発生回数は増加傾向となるので、お盆の時期は天気の急変に十分に注意したい。9月になると低気圧や前線の影響を受ける日が次第に増えて、ゲリラ雷雨というよりも広域の雨となる日が多くなる予想だ。

■西日本
西日本のゲリラ雷雨の総発生回数は、約4万回と予想する。約3.7万回発生した昨年と比べると、1.1倍で概ね同程度の発生回数となる見込みだ。発生のピークは8月中旬の見込みだ。
主要地域の発生数も昨年と同程度となり、大阪府の発生回数は500回前後とみている。西日本で最も多いのは鹿児島県で3800回前後の予想となっている。
7月中旬まで梅雨前線の影響を受けるため、本格的なゲリラ雷雨の季節は7月下旬からとなる見込み。8月上旬は高気圧の勢力が強く雨雲の発達が抑えられるが、中旬は高気圧の勢力が弱まり、気温の上昇や暖かく湿った空気、上空の寒気の影響を受けて大気の状態が不安定になるとみている。
太平洋側ほどゲリラ雷雨の発生回数は増加傾向となるので、お盆の時期は天気の急変に注意したい。9月は残暑が厳しいものの、次第に低気圧や前線の影響を受ける日が増えて、ゲリラ雷雨というよりも広域の雨となる日が多くなる予想となっている。

詳細なゲリラ雷雨予測で対策から避難、被害の軽減をサポート
お天気アプリ「ウェザーニュース」は、「ゲリラ雷雨アラーム」や「ゲリラ雷雨レーダー」など、ゲリラ雷雨に特化した機能を搭載しており、ゲリラ雷雨の詳細情報をピンポイントで確認できる。
また、超高解像度の雨雲レーダーでは、250m四方/5分間隔で雨雲の動きを表示。「どのくらい雨が強まるのか」「雨が弱まるのはいつか」が詳しくわかる。さらに、ゲリラ雷雨の際に心配な落雷についても「落雷レーダー」で3時間先までの落雷予測を確認できる。

関連情報
https://jp.weathernews.com/news/56520/
構成/清水眞希




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