最近の夏の気温は、地域によっては30度台半ばに達することも珍しくなくなった。
これに対応して、様々な暑さ対策グッズが出ている。なかでも効果的なのはウェアで、ファン内蔵の空冷服が、屋外で仕事をする人たちの間で普及している。これがさらに進化して、水やペルチェ素子で物理的に温度を下げるものが、続々と登場。こうしたウェアは効果が高いが、価格もそれなりにし、通常は1~2万円台となる。
そこまでの性能は不要で、通勤や近場の外出時にしのげればOK。かつ、予算は極力抑えたいという方におすすめできそうなのが、コメリで発売中の「valborder(ヴァルボーダー) アイスジェル氷冷ベスト」だ。1着入手したので、今回はこちらをレビューしよう。
4つのジェルパックを内蔵
最初に目を引くのは、なんといっても税込2980円という破格のお値段。しかも、(物理的に温度は下がらない)接触冷感の布といった素材でなく、しっかり氷で冷やすというから、ちょっと驚きだ。
外観は、ベストはベストでも防寒用とは真逆で、前面は最小限の布地しかない。背面は、首の下から腰の近くまでをカバーする。主素材はポリエステルで、カラーバリエーションはブラックのみ、サイズはフリー(胸囲80~102cm)である。ボタンでなくチェストストラップで留める仕様はライフジャケットに似ており、ファッション性よりも、完全に機能性に全振りしている印象だ。
前面と背面の4か所で盛り上がっているのは、ジェルパックが収納されているため。これは、ケーキを買うとついてくる保冷剤を大きくしたようなもの。サイズは縦11cm、横18cm、厚さ2.8cmで、重さは190g。ベスト本体は620gなので、合わせて自重は1380gとなる。
着用して蒸し暑い炎天下を歩いてみた
では実際に着用して、効果のほどを確認しよう。準備としてジェルパックを冷やす必要があり、冷凍庫で凍るまで半日(12時間)以上置く。それらをポケットに収納したら出発。
ただいまの気温は27度。前夜の雨のせいか湿度も高く蒸し暑いが、これから気温はさらに上がって31度になる予報である。コメリの公式サイトを見ると、「冷たすぎない10℃を約3.5時間キープ!」とあり、期待がもてそう。
初めて身に付けるとき、「自重1380gだから結構重い?」と予想していたが、ジェルパックは分散されているため意外と軽い。特に暑い日は、重さは重要なファクターとなるので、これは助かる。ちなみに、ベストの上にバックパックを背負うのも、まったく問題なくできる(蒸れ対策で背中が接触する部分が湾曲しているものがベター)。
当然ながら、直接的な冷感を得られる箇所は、ジェルパックの当たる4カ所だけだが、それだけでも暑さはかなり和らぐ。背中の上部はやや冷たすぎるくらいだが、どこが特に冷たくなるかは個人差があると思う。しばらく外を歩いていると、局所的な冷たさにも慣れてくる。
気温はじりじりと上がり始め、外に出て約2時間で最高気温に達した。ジェルパックの冷たさがまだ維持できているのは、素直にすごいと思った。途中、冷房のきいたコンビニに立ち寄るが、逆に寒くなって脱ぎたくなるほどではない。帰宅したのは、外出してから3時間後。ジェルパックの冷たさはだいぶ落ちていたが、終始、快適な街歩きができた。
もしもこれが、真夏の35度前後だと、「アイスジェル氷冷ベスト」だけでは厳しいかもしれない。それに対しコメリは、「空冷服との併用で-5℃が期待できます」とアピールする。いずれにしても、価格、軽さ、着脱しやすさを加味すれば、本製品は有用な暑さ対策グッズだと評価できる。特にコスパ重視で選ぶなら、買っておいて損はない。
文/鈴木拓也
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