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新技術のインク開発で「消し方」の常識が変わる!?セーラー万年筆の〝はがして消すボールペン〟がスゴい

2026.07.05

はがして消すボールペン

 セーラー万年筆から今年2月に販売された『Que Será(ケセラ)』は、化学反応ではなく、物理的にインクをはがすことで筆跡を消すボールペン。耐水性・耐光性があり、外部環境によって文字が消えることがなく、記録として残したい日記やレシピ帳、デザインの下書きなどに適している。

『ケセラ』に使われている顔料とゴム材を混ぜた新技術のインクは、プラスグループの「未来創造開発センター」で基礎研究が進み、その後、セーラー万年筆・プラス・アストラム(旧ぺんてる)の文具メーカー3社も加わり、共同で実用化が進んだもの。顔料は、通常のボールペンよりも一桁サイズが大きいものを採用している。同社センター長の加藤直樹さんは「イメージですが、ビー玉とバスケットボールほどの違いがあります。この大きさの顔料が使われる文具はほかにありません。顔料が大きいため、現在はボール径0.8mmのみですが0.5mmなどのサイズも展開できるよう研究を進めています」と話す。

 インクが〝不用意に消えない〟よう、開発にはおよそ3年の歳月を要した。加藤さんは、「消えないようにしっかりと紙に定着しなければいけない。かつ、それがしっかりと消える。相反する性能を実現するのにとても苦労しました。先入観を取り払い、様々な材料を試しながら、試行錯誤を繰り返しました」と振り返る。製品名の由来には「消せる」と、スペイン語の「Que será, será(なるようになる)」の2つの意味が込められている。

 開発時には、消しカスが発生することが懸念だったが、口コミでは「消した感じがして面白い」とむしろ好評価。また、水性マーカーなどとの組み合わせで「白抜き」ができる点も特徴。多彩な表現ができることへの反響も大きい。

 元々はデザイン分野での使用を想定していたという本製品。デジタル化が進み手書きの機会が減るなかで、「消せる・残せる・表現できる」の三拍子が揃ったケセラは、ボールペンの使い方そのものを刷新するかもしれない。

DIMEの読み
従来の消せるボールペンの課題を払拭した『ケセラ』は、老舗文具メーカーの知見・技術を集結して実現した。今後も、複数社や異業種コラボ開発によるまったく新しいアプローチの製品がトレンドに!?

「はがして消す」仕組み

「はがして消す」仕組み

筆記直後から数秒で溶剤が吸収されて揮発し、顔料とゴム材が団子状に。消し具でそれらをはがし取ることで筆跡が消去され、はがれた筆跡がカスとして発生する。

セーラー万年筆『Que Será(ケセラ)ボールペン』

330円

セーラー万年筆『Que Será(ケセラ)ボールペン』

カラーは、黒・赤・青の3色展開。ボール径は現在0.8mmのみだが、今後はカラー・太さともにラインナップを拡充する予定だという。

小回りの利く消し具を採用

セーラー万年筆『Que Será(ケセラ)ボールペン』
セーラー万年筆『Que Será(ケセラ)ボールペン』

『ケセラ』のインクと相性の良い、専用の消し具を採用。キャップに内蔵されているため、別途持ち運ぶ必要もない。細かい部分はエッジで、広い面を消したい場合には面を使用する。摩耗しにくく、長く使えるのも嬉しい。

カラーペンと組み合わせれば白抜きできる

セーラー万年筆『Que Será(ケセラ)ボールペン』

『ケセラ』で文字を書いた上に、水性マーカーなどを重ねて、乾いた後に消し具で消すと「白抜き(マスキング)」ができる。絵や模様を描く際に使用すれば、多彩な表現が可能だ。手帳や日記で、今までにないオリジナリティーを出せる点も魅力。

取材・文/久我裕紀 編集/髙栁 惠

※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2026年5月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。

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