大人になって保険の加入を検討する機会は増えるが、契約の内容をきちんと理解しておかないと後で苦労することになる。曖昧な知識では、思わぬことで保険金の不正請求をしてしまう可能性もある。一般社団法人の日本損害保険協会は、2026年2月に「保険金不正請求に関する意識調査」を実施して結果を公表した。この調査によって、どんな行為が許されると思うかという「不正請求の許容度」やどんな行為が保険金詐欺に該当するかという「不正請求の理解度」など、保険金請求の一般消費者のモラル意識の現状を把握することができたという。合わせて調査した「損害保険の理解度」や「不正請求を防止するために重要と思うこと」については、今後の不正請求防止に向けた業界取組みの参考として活用していくという。
許されないと思うトップは「保険金詐欺をするための保険加入」
保険金請求に関して「許されないと思う」ことの1位は「保険金詐欺をするための保険加入」で、約8割を占めた。一方で「業者からの教唆(ある事を起こすように教えてそそのかすこと)による保険金請求」や「軽傷での休業補償」について「許されないと思う」と回答した人が半数を下回り、保険金請求に関するモラル意識の低さが浮き彫りになったという。年代では、若年層ほど「許されると思う」の割合が高く、若年層の保険金請求に対するモラル意識の低さも傾向としてあった。
不正請求の理解度は7割を下回る
保険金詐欺に該当する「架空請求」、事故発生後に保険契約を締結して事故前から契約していたように装う「アフター・ロス契約」、「関係者と結託した虚偽申告」、「運転手のすり替え」などが「詐欺に該当する」と正しく回答した人の割合は、いずれも70%を下回った。さらに「業者からの教唆による保険金請求」や「軽傷での休業補償」に関する正答率は半数以下だった。不正請求の理解度に関しても全体的に若年層の正答率は低かった。全体的に不正請求に対しての理解があまり浸透していない印象で、消費者が自覚のない状態で保険金を不正に請求してしまうリスクもありそうだ。
損害保険の告知義務や通知義務の設問の正答率は7割超え
損害保険の告知義務や通知義務に関する設問の正答率は70%を超えており、比較的高い割合となった。だが「保険料は積立金であるか」や「保険金は契約額の全額が受け取れるか」などの設問の正答率は半数以下で、損害保険の理解が十分に浸透していないといえそうだ。損害保険に関することでも全体的に若年層の正答率が低く、損害保険そのものに関する理解不足もありそうだ。
不正請求防止に重要なのは仕組みと制度のわかりやすさ
不正請求防止のために保険会社が取り組むべきことや保険会社に期待することでは、「保険の仕組み・制度のわかりやすい周知」、「補償内容と保険金の支払基準の分かりやすい周知」、「不正請求にあたる内容の周知」などが上位だったという。
保険金を受け取った時の気持ちとしては、「保険に入っていて良かったと思った」、「手続きが迅速に進み、困っている時に助かった」、「代理店が対応してくれたので楽だった」などポジティブな回答が上位になった。保険金請求に関する当事者意識の低さなど留意すべき点がうかがえる回答傾向もあったという。
既存の啓発ポスターの評価は「目を引く」や「抑止力になる」
「保険金詐欺が犯罪に該当することを知って驚いたか」の設問では、「驚いた」が「驚かない」を上回り、保険金詐欺が犯罪という認識が消費者に浸透していない現状もわかったという。損害保険に関する既存の啓蒙ポスターは、「目を引く」や「抑止力になる」という評価が70%を超えており、一定の評価を得ているようだ。この調査結果を踏まえて、日本損害保険協会は今後の取組みとして、若年層などを対象にしたデジタル広告の展開や啓発ポスターなどを活用した、より分かりやすい啓発活動に取り組んでいくという。この調査では、若年層の保険に関する理解度の低さが傾向としてみえた。やはり若年層の理解不足に関する対策は必要だろう。
『保険金不正請求に関する意識調査』概要
調査対象:全国の16歳~69歳の男女(有効回答:2535人/人口構成比率に合わせて回収)
主な調査項目:不正請求の許容度・理解度、損害保険の理解度、不正請求防止にあたって重要だと思うこと、保険金を受け取った際の気持ち、既存の啓発ポスターの評価
調査期間:2026年2月5日~2026年2月8日
調査方法:インターネットリサーチ
https://www.sonpo.or.jp/news/release/2026/pdf/fuseiseikyu.pdf
構成/KUMU




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