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厳罰化導入から5年、煽り運転との遭遇率は下がったのか?

2026.07.01

6月25日は、「6(ム)2(ジ)5(コ)」の語呂合わせから“無事故の日”と呼ばれる「指定自動車教習所の日」だ。一方、安全運転を心がけていてもあおり運転に巻き込まれてしまうことも。

そこでチューリッヒ保険会社は、普通自動車免許と自家用車を所有し、週1回以上運転をしている全国の18~69歳の男女2,000人を対象に今年で9回目となる「あおり運転実態調査」を実施したので、九州大学 志堂寺教授の見解と合わせて結果を紹介しよう。

5年以内にあおり運転をされた経験があるドライバーは36.3%

5年以内にあおり運転をした経験があると回答したドライバーは36.3%。一方で、これまであおり運転をされた経験がないドライバーは43.6%と、4割強の結果となった。

■九州大学 志堂寺教授の見解

あおり運転の厳罰化を盛り込んだ改正道路交通法が施行されたのは2020年6月です。それから約6年が経過しましたが、今回の調査では「半年以内にある」と「半年~1年以内にある」の回答を合わせると、22.1%のドライバーが過去1年以内にあおり運転の被害を受けたと回答しています。

法改正前の2019年9月に実施された第2回調査では、過去1年以内にあおり運転の被害を受けた割合が24.0%でしたので、大きな変化はみられません。

これについては、いくつかの可能性が考えられます。例えば、法改正によって極めて悪質なあおり運転に対しては一定の抑止効果があったとしても、ドライバーが日常的に遭遇するようなレベルのあおり運転は依然として発生している可能性があります。

加えて、あおり運転の背景には怒りや焦りといった感情的要因があります。そのため、厳罰化だけでは十分に対応できない側面があると考えられます。

遭遇したあおり運転は、「後方から激しく接近された」が最多。思い当たるきっかけは「スピードが遅かった」

また、あおり運転をされた際の対処方法としては、「道を譲った」が最多の52.5%、次いで「何もしなかった(30.3%)」、「ドライブレコーダーやスマートフォンで撮影した(19.3%)」となり、冷静な対応を取るドライバーが多いようだ。

あおり運転をされたきっかけについて、思い当たることがないと答えたドライバーが62.5%と過半数を占めた。

思い当たることがあると答えたドライバーに、きっかけと考えられる運転行動を聞いたところ、「スピードが遅かった(36.0%)」、「制限速度で走っていた(30.0%)」、「車線変更・割り込みをした(23.3%)」と続き、運転速度に関する回答が上位を占める結果に。

あおり運転をされないように工夫していることを聞いたところ、「車間距離をしっかりとる(64.0%)」、「ウィンカーは早めに出す(45.5%)」、「急な割り込みをしない(44.3%)」と続き、安全運転を心がける行動が目立つ。

また、「あおり運転をしている」と周囲に誤解されないために気を付けていることは、「車間距離をしっかりとる(81.5%)」、「無理な追い越しや割り込みをしない(57.8%)」、「急ブレーキを避ける(39.8%)」と続き、車間距離や周囲への配慮を意識した回答が上位を占めた。

■九州大学 志堂寺教授の見解

調査では、遭遇したあおり運転として「後方から激しく接近された」が86.5%と突出して多くなりました。

これは過去の調査でも同様の結果となっています。多くのドライバーにとって、実際に遭遇するあおり運転は、後続車から強いプレッシャーを受ける行為であることがわかります。

あおり運転を受けた際の対応としては、「道を譲った」が52.5%で最も多く、「何もしなかった」が30.3%と続きました。危険な状況で感情的に応酬するのではなく、冷静な対応を選択しているドライバーが多いことは望ましい結果と言えるでしょう。

また、あおり運転をされたきっかけについては、62.5%が思い当たることはないと回答しました。注意が必要なのは、自分の行動が周囲のドライバーにどのように受け取られているかを、必ずしも正確に把握できていない場合がある点です。

また、あおり運転をされないための工夫と、「あおり運転をしている」と誤解されないために気を付けていることの双方で、「車間距離をしっかりとる」が最も多く選ばれています。

これは、多くのドライバーが車間距離の確保を、事故防止だけでなく、周囲との不要なトラブルを避けるためにも重要な行動と考えていることを示していると言えるでしょう。

あおり運転の厳罰化前と比べて、あおり運転を経験・目撃する頻度は、「変わらないと思う」が57.3%と最も多い

2020年6月末に、あおり運転の厳罰化を盛り込んだ「改正道路交通法」が施行された。

それ以前から運転しているドライバーに、厳罰化の前後であおり運転を経験あるいは目撃する頻度について聞いたところ、「変わらないと思う」と回答したドライバーが57.3%と過半数を占めていた。

「やや増えたと思う(14.1%)」「大きく増えたと思う(7.6%)」と回答したドライバーの合計は21.7%、「やや減ったと思う(17.4%)」「大きく減ったと思う(1.4%)」と回答したドライバーは18.8%となり、施行後も多くのドライバーが大きな変化を実感していないことがうかがえる結果に。

あおり運転を防止するために有効だと思う施策を聞いたところ、「更なる厳罰化」という回答が最多の76.0%。次いで、「パトロールの強化(45.3%)」、「高速道路や幹線道路での常時監視カメラの拡充(42.8%)」となった。

■九州大学 志堂寺教授の見解

あおり運転を経験・目撃する頻度については、改正道路交通法の施行前と比べて、多くのドライバーが「変わらないと思う」あるいは「増えたと思う」と回答しています。

ただし、この質問は、あおり運転の被害を経験した人を対象としているため、ドライバー全体を対象とした場合とは異なる結果になる可能性があります。

あおり運転の被害を受けた人たちの中でも、「やや減ったと思う」「大きく減ったと思う」を合わせて18.8%があおり運転は減ったと感じていることは興味深い結果です。

法改正や社会的な啓発活動によって、あおり運転の状況が改善したと受け止めている人が一定数いることがうかがえます。

あおり運転の防止方策としては、「更なる厳罰化」が76.0%でトップでした。また、ドライブレコーダー、監視カメラ、パトロールといった、あおり運転の抑止や検挙につながる方策もそれぞれ40%を超える回答を得ています。

こうした結果からは、被害を経験したドライバーが、厳罰化や監視体制の強化を有効な対策として認識していることが読み取れます。

ドライブレコーダーを取り付けているドライバーは69.7%!利用している理由は「事故やトラブルの発生時に自分が不利にならないようにするため」

自家用車にドライブレコーダーを取り付けていると回答したドライバーは2,000人中69.7%となり、昨年2025年に実施した調査での66.6%から3.1ポイント上昇した。

ドライブレコーダーについての調査を開始した2021年からの結果を比較してみると徐々に割合が上昇しており、ドライブレコーダーの利用率が高まっていることがわかる。

ドライブレコーダーを利用しているドライバー200人を対象にその理由を聞いたところ、「事故やトラブルの発生時に自分が不利にならないようにするため」という回答が最多の93.5%となった。

また、ドライブレコーダー導入のきっかけは、「自動車事故やあおり運転のトラブルに関する報道やSNSの発信を見たため(66.5%)」、「防犯対策のため(43.0%)」、「周囲で事故やトラブルにあった話を聞いたため(35.0%)」と続き、事故やトラブルに関する情報に日常的に触れるなかで、万が一に備える意識の高まりがうかがえる。

ドライブレコーダーを利用していないドライバー200人を対象にその理由を聞いたところ、「機器の購入や取り付けに費用がかかるため」という回答が最多の55.5%であった。

次いで、「設置を検討中である(37.5%)」、「取り付けが面倒なため(19.0%)」という回答が続く。

「設置を検討中である」と回答したドライバーに、そのきっかけを聞いたところ、「自動車事故やあおり運転のトラブルに関する報道やSNSの発信を見たため(64.0%)」が最も多い結果に。

ドライブレコーダーによる事故やトラブル発生時の備え、トラブル抑止の効果は広く認識されている一方で、導入にあたってはコストや手間が障壁となっている実態がうかがえる。

ドライブレコーダーの普及であおり運転が「減少すると思う(20.5%)」「どちらかというと減少すると思う(39.5%)」と回答したドライバーの合計は60.0%と過半数を占め、「変わらない」が31.5%、「減少するとは思わない(5.3%)」「どちらかというと減少するとは思わない(3.3%)」と回答したドライバーの合計は8.6%であった。

また、あおり運転の減少につながると思うドライブレコーダーの機能を聞いたところ、「常時録画(録音)機能(76.3%)」が最も多く、次いで「通報機能(42.0%)」、「一定以上の強さの衝撃を感知した際にその前後の映像を別フォルダに自動保存する機能(イベント記録)(39.5%)」が続いた。

■九州大学 志堂寺教授の見解

ドライブレコーダーを設置している方の割合は年々増加しており、今年は69.7%に達しました。また、現在設置していない方のうち37.5%は設置を検討しています。

近年、自動車にはさまざまな安全装置が搭載されるようになっていますが、ドライブレコーダーは交通事故やあおり運転、防犯など、万一の事態に備えるための重要な装備として定着しつつあると言えるでしょう。

また、回答者の60.0%がドライブレコーダーの普及によってあおり運転が減少すると考えています。加えて、あおり運転の減少につながると思うドライブレコーダーの機能としては、「常時録画(録音)機能」が76.3%と最も多く選ばれました。

これは、ドライブレコーダーが事故やトラブル発生時の状況を客観的に記録できるだけでなく、「見られている」「記録されている」という意識を周囲のドライバーに生じさせることで、あおり運転をはじめとする攻撃的な運転行動を抑制する効果(いわゆる「監視効果」)が期待されているためです。

調査概要
調査タイトル:あおり運転に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2026年5月15日~5月22日
調査対象:全国の普通自動車免許と自家用車を所有し、週1回以上運転をしている18~69歳の男女2,000人
出典:チューリッヒ保険会社

関連情報
https://www.zurich.co.jp/

構成/Ara

昭和63年生まれ。最新のトレンドを横断的に紹介するオールラウンド系ライター。編集プロダクションでの書籍制作や、男性向け美容・健康WEBマガジンでのライター経験を経て、現在は最新ファッションアイテムを中心に執筆活動を展開中。

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