夏の縁日や甘味処で親しまれてきた古き良きかき氷は今やノスタルジー。近頃では、1杯1000円以上と高級スイーツ化し、年中行列が絶えない人気店が全国に誕生。
その市場規模は年々拡大し、1000億円に届くともいわれている。まるでケーキのように華やかな〝創作系かき氷〟がブームをけん引しているが、さらに最近は〝食事系かき氷〟というジャンルが登場。お肉や野菜が美しく盛られているではないか。あえて塩味を効かせたものもあり、自由な発想に驚かされる。
フードジャーナリスト・かき氷評論家の山路力也さんによると、手作りシロップや氷の削り方、盛り付け方などを磨き上げた専門店が増えたのは2000年代。それに伴い消費者の認識もアップデートされ、客は20~40代女性を中心に、男性客も少なくはないという。また、人気店の多くは旬の食材を使うため、今しか食べられないという希少性も消費意欲を刺激しているそうだ。確かに、SNSには各地のかき氷を食べ歩くアカウントが散見される。味の良さはもちろん、見た目の美しさや珍しさもコレクター魂を刺激するのだろう。東京・池袋『氷連』では2週間ごとにメニューを替えているそうだ。今回、話を聞いたほかのお店でも同じような声が聞かれたから、食べる側も作る側も新たな出会いを楽しむのが現代流なのかもしれない。
しかし肝心なのは「〝食事系かき氷〟はおいしいの?」ってコト。
「冷たい氷でありながら、だしの旨味や塩味、コクが感じられる感覚は、従来の料理にはありません。食べ進めるごとに味が変化する構成も多く、ストーリー性も楽しめます。夏場でも負担なく食べられる合理性が同時に成立している点は唯一無二だと思いますね」(山路氏)
もはやスイーツという垣根を越えて、料理としても新たな世界を開拓している模様。この夏もきっと暑くなる。氷のプロや一流シェフが手がける味わいを体験してみては?
上原食堂
東京都新宿区荒木町7-14 AXAS四ツ谷3丁目101
鴨肉×甘酸っぱい柑橘!フレンチから着想を得た見事な〝料理〟

鴨とデコポン 2400円
世界を巡る豪華客船などで経験を詰んだシェフが、甘味に酸味・塩味・香ばしさ・発酵感なども取り入れ、氷の軽やかさや溶け方も大切に創作。『鴨とデコポン』は、意外性とおいしさが共存し、まるでフレンチのコースを楽しむような一杯に。
茶房オクノシブヤ
東京都渋谷区神山町7-15 ホワイトハイム大嵩102
健康的に楽しむサラダ系!

アボカドサラダ 2640円
和菓子をベースに、手作りにこだわり、週に1~2種類入れ替わる期間限定メニューを用意。心置きなく食べられるサラダ系がそろう。『アボカドサラダ』は、チーズ・アボカド・みそ餡と3種のクリームを使った奥深い味わいだ。
氷連
東京都豊島区西池袋5-28-3 ノアビル1F
ペンネ入り濃厚な極上スープ風

海老のビスク 2600円
常時10〜20メニューが楽しめる専門店。最後までおいしく、ベストな口当たりにもこだわる。『海老のビスク』は、甲殻類特有の香ばしさとコクが何層にも重なる。
きのこソテーをイメージした味わい

きのこガーリック 2500円
かき氷は工夫次第で無限の可能性を秘める。素材を生かしつつ、エンタメ性も抜群な『きのこガーリック』は、味の深みと香り、ジューシーな出汁が重なる濃厚な一杯。
食事系はまだハードルが高い人にはこんな創作メニューもおすすめ!
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麻布野菜菓子
東京都港区麻布3-1-5
野菜が氷の主役!?

ミニトマトのかき氷 1900円
野菜を使ったスイーツを提案する、ちょっとぜいたくなお菓子屋のメニュー。『ミニトマトのかき氷』は、甘酸っぱいミニトマトにクリームチーズと練乳を組み合わせている。
取材・文/ニイミユカ 編集/井田愛莉寿
※今回紹介したラインアップは期間限定メニューを含み、掲載時は別のメニューに切り替わっている場合があります。最新の提供メニューは各店舗のHPやSNSにてご確認ください。




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