昨年は、7月から全国的に記録的な高温となり、8月に入っても顕著な高温が続いたが、今年の夏はどうなるのだろうか。ウェザーニューズは、「猛暑見解2026」を発表した。
今年の夏(7~9月)の気温は昨年に続き全国的に平年より高くなる見込みとなっている。特に、7月下旬~8月上旬にかけて暑さのピークとなりそうだ。
太平洋高気圧に加え、チベット高気圧が日本付近にまで張り出し、高気圧が上空で重なり合う「ダブル高気圧」が発生した場合、35℃を超える猛暑日が継続し、地域によっては40℃を超える酷暑日となるおそれもあるため、厳重な警戒が必要となる。
今年もこまめな水分補給などの暑さ対策をしっかり行う必要がある夏がやってきそうなので、詳細な予測をお伝えしよう。
7~9月の平均気温は全国的に平年より高い
7月は、太平洋高気圧の本州付近への張り出しが次第に強まり、梅雨前線が北上して低気圧が日本海を東進するようになる見込み。
このため、低気圧に向かって南風が吹き込み、日本海側を中心にフェーン現象が発生し、猛暑となる日もありそうだ。
その後、梅雨明けは概ね平年並の時期となる見込みに。梅雨明け後は夏空が広がり、本格的な暑さが訪れる見込みとなっている。
梅雨明けから8月にかけては、チベット高気圧の日本付近への張り出しが強まる時期と弱まる時期があると予想される。日本付近への張り出しが強い時期には、全国的に猛暑日となる所が多くなるなど、暑さが一層厳しくなる見通しだ。
9月に、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが次第に弱まるものの、前半を中心に残暑が厳しくなると見込まれる。
このため、一時的に暑さの和らぐタイミングはあっても、7~9月の平均気温は全国的に平年より高く、今年も各地で非常に暑い夏になりそうだ(図1)。
昨年は、7月から全国的に記録的な高温となり、8月に入っても顕著な高温が続いた。
これは、フィリピン東方の太平洋上で対流活動が平年よりも活発化したことで太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まったことに加え、チベット高気圧の張り出しも強まり、日本付近がこれら2つの高気圧に重なって覆われる状況が多かったことが要因だ。
また、8月はフィリピンの東海上で対流活動が平年よりも不活発になり、太平洋高気圧が日本の南へ張り出したことで南高北低の気圧配置になりやすい時期があったことも影響したとみられる。
この気圧配置となった2025年8月5日には、関東甲信地方の各地で最高気温が40℃を上回り、群馬県伊勢崎では41.8℃と全国の過去最高を更新した。
さらに、期間を通して、上空の偏西風が平年より北寄りを流れ、日本付近は暖かい空気に覆われやすかったことや、日本周辺海域の海水温が顕著に高かったことも影響したと考えられる。
今夏の偏西風は日本付近で平年より北寄りを流れる予想で、平年より暖かい空気に覆われやすい時期がある見込みだ。
また、日本の周辺海域の海面水温は全般に平年より高く、特に北日本太平洋沖ではかなり高くなる予想される(図2)。
このため、大気下層が冷やされにくく、北日本を中心に高温をもたらす要因の1つになる可能性も。なお、地球温暖化の影響で今年も北半球全体の対流圏の平均気温は平年より高くなることが見込まれる。
以上のことから、7~9月の真夏日や猛暑日、熱帯夜の日数は全国的に平年より多くなると予想される。また、7月下旬~8月上旬を中心に、本州の内陸部では酷暑日となる日もありそうだ。
全国の都道府県庁所在地における2026年7~9月における「真夏日」「猛暑日」「熱帯夜」日数の予測では、「真夏日」日数は、全国的に平年より多くなると予想される。
「猛暑日」日数は、平年と比べると、東京・名古屋・大阪・広島・福岡などの大都市や京都・岐阜・甲府などの内陸部でより多くなる見込みで、京都と甲府でそれぞれ33日、大阪とさいたまでそれぞれ28日など1か月近い日数で35℃以上となるおそれも。
「熱帯夜」日数も平年を上回る所が多く、沖縄は91日で平年よりも10日ほど多くなる見込みだ。
暑さのピークは7月下旬~8月上旬、8月末~9月前半は残暑が厳しい
今年の春に発生したとみられるエルニーニョ現象は、夏から秋にかけても継続する見通しだ。さらに強度の強い「スーパーエルニーニョ」に発展する可能性も示唆されている。このため、海面水温は太平洋赤道域の東部から中部で高くなると予想される。
また、インド洋からの下層の西風が強く、フィリピンの東海上では東風と収束し、下層の低気圧性渦が生じやすくなる。
この影響で、フィリピンの東海上では対流活動が活発となり、7月下旬~8月上旬を中心に、本州付近への太平洋高気圧の張り出しが強まって、暑さのピークとなると予想される。熱中症には十分な警戒が必要だ。
この暑さのもう一つの鍵となるのがチベット高気圧である。太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が違うため、同時期にチベット高気圧が日本付近まで張り出した場合は、太平洋高気圧と上空で重なり合って“ダブル高気圧”となり、2つの高気圧が非常に背の高い1つの高気圧のようになって厳しい暑さをもたらす。
35℃以上の猛暑日が続き、海風の入りにくい内陸部などでは40℃前後の酷暑になることがある。
8月末~9月前半も太平洋高気圧の日本付近への張り出しは強い状態が続き、残暑が厳しい見込みになっている。暑い期間が長くなるため、夏バテにならないよう体調管理が大切となりそうだ。
2つの高気圧の見解
1.太平洋高気圧:7月以降は本州付近への張り出しが強まる
7月以降、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まる。今年の日本への張り出しは概ね平年並か北寄りにやや強まるが、張り出しを強める時期と弱める時期がある見込みだ。
特に、7月下旬~8月上旬は太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まりやすい時期にあたり、全国的に気温が高くなる見込みとなっている。
ただ、8月は上空の寒気が入りやすい時期や湿った空気や前線の影響を受ける日もあり、不安定な天気となって、暑さが幾分和らぐ時期もありそうだ。
2.チベット高気圧:東への張り出しは概ね平年並だが、日本付近への張り出しを強める時期と弱める時期がある
チベット高気圧とは、北半球の夏季にチベット付近を中心に広範囲に広がる上空の高気圧。今夏は、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが平年より強い7月下旬や8月上旬を中心に、チベット高気圧も日本付近に張り出しを強める時期がある見込みだ。
一方、日本付近への張り出しを弱める時期もある見込みで、夏全体ではチベット高気圧の東への張り出しは概ね平年並になると予想される。
これらの太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが重なる時期は、昨年のように猛暑になりやすくなる。
構成/Ara







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