小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

日本の〝ボディバッグおじさん〟はマシ!?韓国で40代男性が若者たちから揶揄されている理由

2026.06.26

近頃、日本のSNSを「ボディバッグおじさん」という言葉がにぎわせている。休日のショッピングモールあたりで中高年がボディバッグを斜め掛けにする姿がダサい、という揶揄だ。

お隣の韓国でも「ヤングフォーティー」問題が…

一方、お隣の韓国でも「ヤングフォーティー」問題として同じく40代男性を揶揄する風潮があるが、日本とは事情が少し異なる。多くの若者にとって、中年男性は「イタい」を通り越して「嫌悪」の対象にすらなっているというのだ。なぜ、それほどの溝が生まれたのか。韓国文化に詳しいスンジュン氏に話を聞いた。

日本の「ボディバッグおじさん」は、斜め掛けにしたバッグが似合うか否か、その外見そのものが槍玉に挙がった。また、24年に話題になった「パーカーおじさん」問題でも、パーカーを着ることが年相応ではない若作りだとして服装そのものが笑われた構図だ。だが韓国の構図は、もう一段ねじれている。

「韓国でもおじさんの服装はバカにされがちです。例えば、ナイキのジョーダンみたいなバッシュに、ステューシーのパーカー、シュプリームのズボン。韓国では若い世代の間でストリートが流行っているので、おじさんもそれを真似して着ているんです。

若者文化に迎合してくる一方で、態度のほうはすごく権威的。『ちゃんと君たちと同じ若い感性だよ、仲良くしようね』って示しつつ、『俺の方が年上だから、お前らちゃんと敬えよ』みたいな。だからイタいというより、もはや嫌いに近い」

韓国では、これが「ヤングフォーティー」問題として社会に浸透しつつあるという。

「もともと、『ヤングフォーティー』はいい意味だったんですよ。40代だけど見た目は30代、みたいな。G-DRAGONさんとかパク・ソジュンさんとか、もうすぐ40才なのに20代に見えるような人たちを指す言葉で。それが、無理やり若作りしようするイタいおじさん、おばさんに使われるようになっていった。今はもうポジティブな意味は1ミリも残っていません。完全に悪口です」

ヤングフォーティー問題を加速させているのが、SNSだ。服装だけでなくバッチリ加工した自撮りをアップする中高年も多いんだそう。

「フィルターを鬼みたいにかけた自撮りをTikTokにあげて、『何歳に見えますか?』『実はこう見えて50代』みたいな。コメント欄には『まずこういうのを聞いてる時点で40代確定』『とりあえずフィルター外してから出直せ』『年相応に振る舞えてない』『みっともない』なんて辛らつな言葉で溢れています。ただ、これだけ言われてもなぜか本人たちは全然めげないんですけどね」

優先席で杖が飛ぶ!”年齢=ステータス”の国

なぜ、ここまで叩かれてもなお韓国の中高年は若さにしがみつくのか。スンジュン氏は、世代の生い立ちを挙げる。

「今の40~50代は、今より理不尽な社会で育ってきた世代です。兵役も長かったし、当時は軍隊で暴力が普通だった。僕の父も入隊して殴られて肋骨にヒビが入って、未だにうずくって言うくらいで」

実際、韓国の陸軍服務は80年代まで2年半ほどに及んだ。今は1年半まで短縮され、深刻な暴力は懲戒の対象になっている。だが、上の世代の物言いは変わらない。

「『これだから最近の若者は根性がない』って。それは日本にも似た構図があると思うんですけど、韓国はその圧が倍くらい強いので、世代間の葛藤がより深まってるんです」

根っこにあるのは、韓国の儒教文化だという。

「『年上は敬うべき』って、小さい頃から徹底的に教育される。だから年齢=ステータスなんですよ。僕が初めて日本に来ていちばん驚いたのが、電車の優先席に若い人が座ってること。韓国だともし60代が座っていても、70代が来たら席を譲らないといけない。

もし若者が優先席に座ろうものなら、杖でぶん殴ってくるような人もいる。それがまたTikTokで晒されて、『老害だ』ってミーム化されて、若者と上の世代の溝が広がる。完全に悪循環です」

ランニング同好会に潜む「スイートヤングフォーティー」

容赦ない若者の視線が最も尖るのが、中年男性の”性”だ。SNSの普及とともに、その実態は次々と可視化されている。

「いちばん多いのはインスタのDMですね。さっき言ったようなイタい自撮りおじさんが、SNSでナンパをしまくるんです。まったく相手にされていないのに、自分はまだイケると思っているのか、片っ端から若い女性にDMを送り続ける。

これはオンラインだけじゃなくて、最近話題になったのがランニング同好会。韓国で一時期ランニングがすごく流行ったんですけど、20代が作った同好会に50代のおじさんが入ってきて、若くて可愛い子にだけ優しくする。『ポカリ買ってきたよ』『栄養補給しな』ってプロテインバーを渡したり。これを別に”スイートヤングフォーティー”って言うんです。

全身ナイキで、シャカシャカのジャージにピチピチのレギンス、ランニングシューズで決めて、若い女性にだけ甘い感じを出すおじさんのこと。でも、よく平気で参加できるなと思いますよ。裏でクスクス笑われてるのに。メンタルが強いのか、それとも本当に気づいていないのか」

日本で「ボディバッグおじさん」が騒がれた際は、「そもそも機能的でおしゃれな男性向けのバッグが存在しない」といった業界批判まで飛び出し、単なる外見いじりに収まらない議論へと広がった。だが、韓国の中年男性に逃げ場はない。

「韓国のヤングフォーティーは、もう一方的に若者からボコられてます。それに、ヤングフォーティー側は我関せずという感じ。当然、すべてのおじさんがこうではないし、すべての若者がおじさんを嫌いなわけではない。だけど、SNSネイティブ世代を筆頭に、世代間の確執は日本とは比べ物にならないほどあると思います」

若さは真似ても、年上の権威は手放さない。その二重基準が透けて見える限り、韓国の中年男性が嫌われ続ける構図は、当面ほどけそうにない。

【スンジュン氏】
韓国ソウル生まれ。京都大学総合人間学部(脳科学、生理学、言語学専攻)卒業。大学卒業後、2年間の兵役を経て株式会社リクルート入社。翌年に起業。韓・日・英・中の4カ国語を操る。YouTubeチャンネル「韓国語は発音が9割」を運営し、オンライン韓国語スクール「K-PRO」主宰。韓国語や韓国文化、韓国エンタメに関する情報を発信している。

文/桜井カズキ

BTSの新作はなぜ母国で炎上したのか?ソウル出身の識者が解き明かす「グローバル戦略の副作用」

米ビルボードの主要アルバムチャート「Billboard 200」で3週連続1位。BTS(防弾少年団)の最新作『ARIRANG』は、K-POP史上初の快挙とともに…

「絆創膏1枚」で朝までぐっすり!150万人が驚いた理学療法士直伝の〝意外すぎる〟快眠整体術

「慢性的な肩こり、腰痛、なかなか取れない疲労感──。それ、睡眠の崩壊が原因かもしれません。マッサージで外側を刺激しても根本からは変わらない。変えるべきは、“夜の…

大阪府出身、平成5年5月5日生まれ。うっかり就職活動をし忘れ放蕩するも、一念発起して出版社に乗り込み。無事、フリーターからフリーライターになる。その後、ホームレスや自己破産も経験。自身の経験を活かし、社会問題系を中心にさまざまな媒体でさまざまな記事を執筆。日本プロ麻雀連盟39期の麻雀プロでもある。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2026年6月16日(火) 発売

頑張れ日本代表!!DIME最新号では戦術面から経営面まで、日本サッカーのこれまでとこれからを徹底解説!多数の元代表レジェンドたちへのインタビューも盛りだくさんの完全保存版!特別付録『アオアシBlueナップサック』も!さらに話題のAIビジネスツールを編集部が本気で使い倒し、その実力を徹底チェック!サッカーファンもビジネスパーソンも見逃せない充実の一冊!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。