小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

インドネシアの丸亀うどんで発見!謎の〝スパイシー牛肉アブラうどん〟って何だ?

2026.06.24

「うどんといえばあっさり」そんな日本人の常識は、ここインドネシアでは通用しない。

2013年にジャカルタで1号店を出店したMarugame Udon Indonesia(「丸亀製麺」のインドネシア法人。以下、「丸亀うどん」と記す)は、現在130店舗以上を展開し、ローカライズされたメニューが人気を集めている。インドネシア人が列をなす光景は日常であり、注文の流れもメニューもすっかり頭に入っている常連客の姿が目立つ。

素朴な日本食「うどん」がなぜこれほどインドネシアで愛されているのか?バリ島在住の筆者が、その人気の背景をリポートする。

SNS映えする日本と変わらない内装の店内

「これはうどんじゃない」

あなたは、「チキン」「ビーフ」「ス パイシー」という単語で埋め尽くされたメニュー表をうどん屋で見たことがあるだろうか?インドネシアで展開されているメニューは、そのほとんどが肉類と唐辛子で調理されたラインナップである。そんな中、初見で敬遠していたのに、今やすっかり虜になってしまった筆者のおすすめしたい1品がある。

それは『スパイシー牛肉アブラうどん』だ。

この商品は、旨味が凝縮されたアブラソースを絡めた汁なしうどんに、すき焼き風味の牛肉をトッピングしたものだ。油そばに似たものかもしれないが、メニュー表のソースが黒光りするビジュアルに「ううむ、これはうどんじゃない」と否定的な第一印象だった。そもそもアブラソースというものが謎すぎる。だが、とあるフードブロガーが「丸亀うどんでは、4年間これ以外は食べていない」とSNSで紹介しているのを見て注文してみることにした。

メニュー画像よりは美味しそうで安心した(笑)”スパイシー牛肉アブラうどん” 

いざ口に運んでみると、まず謎のアブラソースの美味しさに驚かされる。アブラを主張したネーミングのわりに油っぽさがない。油そばよりもスッキリとした、それでいてコクのあるソースと辛味、そして甘塩っぱい牛肉が一体となり麺に絡みつく、想像を越えた美味しさに箸が止まらない。

インドネシアでは日本のようにSMLのサイズ展開はないため、「もっと食べたい」となるとMサイズと同等サイズを2杯食べるしかない。さすがにMサイズを2杯食べる余裕は  ないためおかわりは断念したが、Sサイズがあったら迷わずカウンターに突進していただろうと思うほどの美味しさだった。

インドネシア人にとってスパイシー・オイリー・甘じょっぱいという味付けは日常的に食べ慣れている。その上、豚肉を食べられないムスリムの消費者からもこのメニューは絶大な支持を受けている。しかし、この味は日本人の口にも合うと思うので、是非とも逆輸入展開をお願いしたい。

日本では絶対に出会えないラインナップをご紹介

インドネシアならではのメニューが並ぶ。

丸亀うどんには、「釜あげうどん」「かけうどん」など日本と同じ商品もあるが、ローカライズされたオリジナルメニューの方が数多く提供されている。

例えば、「ビーフソーセージ·カルボナーラうどん」、濃厚な鶏白湯スープにチキンカツがトッピングされた「スパイシーチキン白湯うどん」、そして「チキンカツカレーうどん」は人気のある商品は、スパイシー、鶏肉、とろけるチーズ、揚げ物などのインドネシア人の好みのツボを押さえたメニューだ。他に、ドリンクとうどんのお得なセットメニュー「Paket Moshi Moshi(パケット・モシモシ)」がある。

ネーミングが愛らしい”パケット·モシモシ”はかなりお得なセットだ。キッズメニューのトッピングもなかなかの高カロリー

サイドメニューの揚げ物にもオリジナリ ティが溢れている。天ぷらには、チーズ入りちくわ、チリとマヨネーズで味付けした海苔などがあり、エビと鶏のすり身を湯葉で巻いた串揚げ、さつまいもを丸めて揚げたスイーツ風の商品などが並ぶ。また米消費大国にはなくてはならない丼物や、うどん店なのにご飯がメインの弁当も人気だ。そして甘いもの好きを唸らせるデザートと飲み物も充実している。

お馴染みの無料トッピングコーナーにはネギ、天かす、そして生唐辛子が用意されており、これはインドネシア人にはかなりの好感度アップポイントだ。「スパイシー」と名付けられたうどんであれ、天ぷらソースであれ、ここでは追い唐辛子は必須なのだ。

無料トッピングコーナーに設置されたインドネシア人の食生活に欠かせない唐辛子。

これらのメニューやサービスは現地の味覚·食習慣·宗教観に深く根ざして開発されたものであり、その戦略が店舗数の拡大に結び付いている。では次に具体的な戦略内容に触れてみよう。

なぜインドネシアで130店舗以上に拡大できたのか

丸亀うどんインドネシアの成功の背景には、徹底したハラール対応と味と価格のローカライズがあると考察する。

①ハラール認証の取得と徹底した対応

世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアでは、食品、薬品、化粧品の販売にあたり、ハラール認証の取得が義務付けられている。丸亀うどんでは豚肉はもちろん、調味料に至るまで豚由来、アルコールを含む素材を使用せず、除菌方法も同様にアルコール不使用を徹底している。ムスーラ(イスラムの礼拝室)を設置している店舗もあり、単にハラール認証を取得しただけに止まらない対応は「安心して食べられる」という信頼に結びついていると推測する。また、イスラム教の「 断食月」と「断食明けの大祭」に際して特別セットメニューが用意される点も高評価に繋がっていると思われる。

※ハラール認証とは? 製造、輸送などの工程において、イスラム教で禁止された食材や成分が含まれていないこと(ハラール)を、第三者機関が公式に証明する制度。

②味のローカライズ

スープやトッピング、サイドメニューについては先述したが、メインとなる麺についても工夫がされている。強いコシを求める日本人には少し物足りなさを感じるが、麺を啜る習慣のないインドネシア人に合わせてやや柔らかめに茹で上げられる。長さも日本の60㎝より短い45㎝に調整されている。また、新メニュー開発にインドネシア人スタッフの意見やアイデアを積極的に採用しており、日本の風味を残しながらも、インドネシアで新たに生み出されたメニューが豊富であることが人気の秘密と考察できる。

③価格とファミリーレストランとしての立ち位置

価格の設定も重要な要素だ。物価の高いジャカルタ周辺の都市部を除き、一般的な屋台ではご飯とおかずが一緒盛りになった定食がRp.10.000~15.000(約89円~133円)、麺料理は安いものならRp.10.000程度で買える。

一方、丸亀うどんは、1番安いかけうどんがRp.45,000(401円)と安くはない。しかしうどんと天ぷら、デザート、ドリンクとフルコースを頼んでも1人Rp.150.000(1330円)以下で食べられるため、高い日本食レストランに頻繁には行けない中間層にとり手の届く価格設定となっている。

日本ではサラリーマンや学生の姿が多く見られる店内だが、インドネシアでは家族連れで賑わっており、バリ島の店舗では国内観光客の姿も多く見受けられる。さらに、同じ価格帯のローカル店にはない特別感も人気を後押ししている。清潔で広い店内、セルフサービスとはいえ丁寧な接客、SNS映えする日本の伝統を感じる内装。そして安心のハラール対応とローカライズされた味。これらが揃うことで丸亀うどんは、「手軽に味わえる日本食」として受け入れられ、家族で楽しむファミリーレストランとしての地位を確立している。

うどんの中に、インドネシアが詰まっている

スパイシー牛肉アブラうどんに代表される丸亀うどんのメニューは、日本のうどん文化をそのまま持ち込んだものではなく、現地の宗教·食文化·価値観が織り込まれた、インドネシア発の新しいうどんへと発展している。店内が家族連れで賑わい、楽しそうにうどんをほおばる姿を見ると日本人として純粋に嬉しく思う。

もしインドネシアを訪れる機会があれば、ぜひ現地の丸亀うどんに立ち寄ってみてほしい。画像の黒く光るアブラソースには躊躇するかもしれないが、一口食べれば、日本人に馴染み深いうどんの中にあるインドネシアを味わえるはずだ。

※Rp.1=0.0089円(2026年6月11日のレート)

文/くにさだ美彩子(歌手・舞踊家・ライター)
暮らしの中のバリ芸能を学ぶためバリ島に移住。現地芸能家と寺院での芸能奉納を中心に活動しながら自身の作品作りに励む。コロナ禍のバリ島を題材にした小説『あなたにつながる物語』がKindleから発売中。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員(https://www.kaigaikakibito.com/

マックなのに白ごはん!?マレーシアの人気メニューは完全に別物だった

海外のマクドナルドに出かけて楽しみなのは、なんといってもご当地メニューだ。基本的な品ぞろえは世界共通でも、ご当地メニューにはその国らしさがかいま見える。 バンズ…

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2026年6月16日(火) 発売

頑張れ日本代表!!DIME最新号では戦術面から経営面まで、日本サッカーのこれまでとこれからを徹底解説!多数の元代表レジェンドたちへのインタビューも盛りだくさんの完全保存版!特別付録『アオアシBlueナップサック』も!さらに話題のAIビジネスツールを編集部が本気で使い倒し、その実力を徹底チェック!サッカーファンもビジネスパーソンも見逃せない充実の一冊!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。