「絶品B級グルメ」とか「ソウルフード」と呼ばれるものは日本全国にある。で、みなさんはこう考えたことはないでしょうか。「日本各地にあるんだったら世界各地にも当然B級だけど超絶うまいものがあるんじゃないか?」と。
というわけで世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターたちの集まり「海外書き人クラブ」が、居住国や旅先で出会った「絶品ソウルフード」を大紹介するシリーズ。今回はヨーロッパの西端、ポルトガルから「イワシサンド」をお届けします。
毎年6月、ポルトガルで行われる「イワシ祭り」とは
大航海時代を牽引したポルトガルは、海がとても身近な国。魚介類の消費量も、我らが魚食大国ニッポンを凌ぐほどです。
そんなシーフードを愛するポルトガル人にとって、夏を感じさせる国民的な魚といえば、イワシ。毎年6月に首都リスボンではイワシの炭火焼きを販売する露店が街にひしめく、通称「イワシ祭り」が開催され、1日なんと100万匹以上のイワシが消費されるそうです。

このイワシ祭りの正式名称は「リスボン祭(Festas de Lisboa)」もしくは「庶民の聖人祭(Santos Populares)」。リスボン出身で、市民の間でも一番人気の「リスボン市非公式守護聖人」聖アントニオの日、またその前夜祭をピークに6月いっぱい続きます。
リスボンっ子にとってこのお祭りは、クリスマスシーズン級の大イベントで、6月が近づくと、みんなそわそわとし始めます。
「イワシ祭り」のイワシサンドとは?

それでは、6月12日の聖アントニオ祭の前夜祭にイワシサンドを食べに行きましょう!
聖アントニオ祭当日は、まだ明るい夕方の6時ごろから、ビールや食べ物を売る屋台が準備を始めます。
日が暮れるにつれて、人々も増えていき、21時を過ぎた頃から祭りは本格的に盛り上がっていきます。
これ、と思った屋台を選んでイワシサンドを注文すると、すぐさま真っ赤に燃える炭の上のグリルにイワシを配置。焼き上がると、即座にイワシをパンに乗せて渡してくれます。



サンド、と言いますが、明らかに主役はイワシで、実はパンは皿代わり。サンドイッチではなく、まずイワシを食べて、最後にイワシの脂の吸ったパンを食べるのがリスボン流なんだとか。

イワシは丸ごとかぶりつくには、正直、頭や背骨が少し硬いので、熱っ!とか言いながら、指で身を剥がしてお行儀悪く食べていきます。
レモンも絞らず、塩を振っただけのシンプルなイワシですが、炭火で焼きたて、脂が乗った熱々のイワシは、もう間違いなく超絶美味!煙の香りも味の一部。これが、また屋台で一緒に売っている生ビールにぴったりなんです。お皿のパンまで美味しくいただきました。
6月のリスボンの風物詩、イワシサンド。機会があれば、ぜひ、夏の夜の路地裏で地元っ子と一緒に楽しんで下さいね。
文・写真/東リカ(海外書き人クラブ/ポルトガル在住ライター)
ブラジル、アメリカを経て2023年よりポルトガル在住のフリーライター。著書にオレゴン州ポートランドのユニークな職業人を取材した「好きなことして、いい顔で生きていく ~風変わりな街ポートランドで、自分らしさを貫く15の物語~ 」など。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
「絶品B級グルメ」とか「ソウルフード」と呼ばれるものは日本全国にある。で、みなさんはこう考えたことはないだろうか。「日本各地にあるんだったら世界各地にも当然B級…







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