固定資産税はいつまで払い続けるのか?毎年の納付スケジュールや新築住宅の減税期間はどれくらい?新たに住宅を取得した人はもちろん、親の不動産を相続した人も押さえておきたい税の知識をまとめた。
目次
土地や建物を所有していると毎年必ず支払う固定資産税。いつから納付が始まり、いつまで払い続けるのか、疑問を持つ人は多いだろう。
本記事では、固定資産税の基本的なしくみと毎年の納付スケジュールを解説するとともに、新築住宅に適用される固定資産税の減税措置、固定資産税を滞納した場合のリスクについて解説する。
固定資産税の基本と毎年の納付スケジュール
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している人が市区町村に納める地方税だ。年に1回、1年分の課税額が告知され、4回にわけて支払うのが一般的。まずは税の基本と年間を通じた支払いの流れを確認しよう。
■固定資産税とはどんな税?
固定資産税は、土地・家屋(建物)を所有する人が市区町村(東京23区の場合は東京都)に納める地方税。住宅・店舗・工場・倉庫などの「家屋」と、住宅地・田畑・山林などの「土地」が主な課税対象で、一般的な住宅所有者は「家屋」「土地」両方の税を納めるケースが多い。
■固定資産税の税額の決まり方
固定資産税の税額は「課税標準額 × 標準税率1.4%」で計算される(市区町村によって税率が異なる場合がある)。
課税標準額は、固定資産評価額(※)に、後述の「住宅用地の特例」などを適用して決まるしくみだ。
※固定資産税評価額……市区町村が土地・建物の価値を独自に評価した額。3年に1度見直される。実際の不動産売買価格とは異なる。
なお、住宅が建っている土地(住宅用地)には課税標準額を大幅に軽減する特例がある。200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は評価額の6分の1、200平方メートル超の部分(一般住宅用地)は評価額の3分の1となり、住宅が建っている限り適用される。
■納税通知書が届くタイミングと納期限
固定資産税の納税通知書は、毎年4〜6月頃に届く自治体がほとんどだ(東京23区は例年6月上旬)。
納付は年4回に分けておこなうケースが一般的だが、第1期の納付期限までに一括で納付することもできる。ただし、一括払いと分割払いで税額の合計は変わらない。
固定資産税の納付期限は自治体・年度によって異なるため、届いた納税通知書で必ず確認しよう。
【固定資産税の納付期限:例】
| 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 | |
| 東京23区 | 6月末 | 9月末 | 翌年1月初旬 | 翌年3月初旬 |
| 大阪市・名古屋市 | 4月末 | 7月末 | 12月末 | 翌年3月初旬 |
固定資産税はいつまで払う必要があるのか
固定資産税はいつまで納付する必要があるのかは、不動産所有者の気になるポイントだろう。結論から言うと、不動産を所有し続ける限り、原則として支払い義務は発生する。ただし、状況によっては納税義務がなくなるケースもある。
■土地の固定資産税は所有している限り永続的に課税
地方税法では、毎年1月1日時点で土地の所有者として登録されている人に対して固定資産税が課税される。土地は物理的に消滅することがないため、売却・贈与・相続などで所有権を手放さない限り、納税義務が発生する。住宅ローンは完済時点で支払いがなくなるが、固定資産税の支払いはなくならないことを理解しておこう。
土地の納税義務が始まるタイミング・終わるタイミング
1月2日以降に不動産を購入した場合、その年の固定資産税は前の所有者に課税されるため、購入した年は支払いが発生しない。反対に、1月2日以降に不動産を売却した場合は、売主側が固定資産税の納税義務者となる。ただし、実際の不動産売買では、引き渡し日を境に固定資産税を日割り精算するのが一般的だ。
相続で不動産を取得した場合は、相続人に納税義務が引き継がれる。遺産分割協議が長引いて翌年1月1日までに登記が完了しない場合は、相続人全員が連帯して納税義務を負う点に注意しよう。
■建物の固定資産税は解体・滅失するまで課税
建物の固定資産税も、課税対象の建物が物理的に存在する限り納税義務が発生する。建物の評価額は築年数の経過とともに下がっていくが、ゼロになるケースは少なく、一定の年数を過ぎると下げ止まる。
一方、建物を解体した場合や、火災・自然災害などで建物が焼失・倒壊(滅失)した場合は、翌年度から建物部分の固定資産税が課税されなくなる。ただし、土地への「住宅用地の特例」も適用されなくなるため、固定資産税は最大で6倍、都市計画税は最大で3倍に跳ね上がるため注意が必要だ。古い家を取り壊して土地だけにする際は、事前に税額の変化を確認したい。
なお、建物を解体した場合は、法務局での「建物滅失登記」の手続きと市区町村への届け出が必要となる。
新築住宅の固定資産税はいつまで安い?減税措置のしくみ
新たに住宅を取得した場合の固定資産税も見てみよう。新築住宅には一定期間、固定資産税が半額になる軽減制度が設けられている。「いつまで安いのか」「いつから元の税額に戻るのか」を把握しておくと、住宅取得後の資金計画が立てやすい。
■新築住宅の固定資産税減額制度(半額になる条件)
令和11年(2029年)3月31日までに新築された住宅は、家屋部分の固定資産税が2分の1(半額)になる減税措置を受けられる。対象となる住宅は、床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下(2026年3月31日以前新築された住宅の場合は50平方メートル以上280平方メートル以下)で、それぞれ120平方メートル相当分の固定資産税が半額となる。※120平方メートルを超える部分は通常通り課税される。
申告などの手続きは不要で、市区町村が家屋の資料や現地調査をもとに適用するが、長期優良住宅や省エネ改修などの場合は別途申告が必要だ。
■住宅の種類によって異なる固定資産税の減税期間
固定資産税の減税期間は、住宅の種類によって異なる。
| 住宅の種類 | 減税期間 |
| 一般住宅(木造2階建てなど) | 新築後3年度分 |
| 3階建て以上の耐火・準耐火構造(マンションなど) | 新築後5年度分 |
| 認定長期優良住宅(一戸建て) | 新築後5年度分 |
| 認定長期優良住宅(マンションなど) | 新築後7年度分 |
一戸建ての場合は新築から3年間、マンション等は5年間、固定資産税が半額となる。減額期間が終わると翌年度から本来の税額に戻るため、特に一戸建て購入者は4年目に税額が倍程度になることを覚えておきたい。
固定資産税を滞納するとどうなる?

固定資産税の納付期限を過ぎると、延滞金が加算され、放置すれば財産の差し押さえにまで発展する。万一支払いが困難でも、放置だけは避け、早めに自治体に相談したい。
■固定資産税の滞納後に起こること(督促から差し押さえまでの流れ)
固定資産税は、納付期限を過ぎると延滞金が発生する。延滞金率は年度によって変わるが、令和7年度分を例にとると、納付期限の翌日から1か月以内は年2.4%、1か月を超えると年8.7%で、滞納期間が長引くほど負担は雪だるま式に増える。
延滞金が発生した状態で納付しないと、地方税法の規定に基づき、納付期限から20日以内に自治体から督促状が届く。督促状を受け取ってもなお無視し続けると、催告書の送付、金融機関や勤務先への財産調査と、段階的に対応が強化され、最終的には給与・預貯金・不動産などの財産が差し押さえられる。
特に不動産を差し押さえられると自由な売却ができなくなるほか、最終的には公売にかけられて所有権を失う事態にもなりかねない。
■固定資産税を払い忘れたときや払えない場合の対処法
納付期限をすぎた場合でも、納付書があれば金融機関やコンビニでの納付が可能だ(延滞金が加算される可能性あり)。納付書が手元にない場合は、市区町村の窓口や電話、電子申請などで再発行を依頼できる。
一方、経済的な事情で固定資産税の支払いが難しい場合は、決して放置せず、速やかに市区町村の税務担当窓口に相談しよう。事情を伝えることで分割納付(分納)や一定期間の徴収猶予などの対応が認められる場合がある。窓口への相談は、督促状が届いた後でも可能。延滞金の一部免除や差し押さえの回避につながることもあるため、早めに相談しよう。
固定資産税の払い忘れを防ぐには、口座振替が確実だ。一度手続きをすれば指定口座から自動的に引き落とされるため、延滞を避けやすいだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。




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