住民税には普通徴収と特別徴収の2種類がある。2つの納付方法の違いと、個人事業主・副業会社員が知っておきたい普通徴収の納付スケジュール、退職時などに徴収方法が切り替わるケースについてまとめた。
目次
住民税には「普通徴収」と「特別徴収」という2種類の納付方法がある。会社員か個人事業主かによって基本の納め方が異なり、多くの会社員は給与天引き(特別徴収)となるが、副業をしている場合は、一部を普通徴収で納めるケースもある。
本記事では、住民税の普通徴収と特別徴収の違い、副業をしている会社員の住民税が普通徴収になり得るケース、退職した場合に住民税の徴収方法が切り替わるしくみについて解説する。
住民税の普通徴収と特別徴収の違いは?
住民税の納付方法には、自分で納める「普通徴収」と、給与から差し引かれる「特別徴収」の2種類がある。まずは両者の違いと、自分がどちらに当てはまるのかを押さえておこう。
■給与から天引きされる「特別徴収」のしくみ
会社員の住民税は、原則として「特別徴収」で納める。これは、会社が毎月の給与から天引きして納める方法で、従業員自身が納付の手続きをする必要はない。税額は前年の所得にもとづいて自治体が計算し、会社に通知される。会社はその金額を6月から翌年5月までの12回に分けて、毎月の給与から差し引いて自治体に納付するしくみだ。
■納付書を使って自分で納める「普通徴収」のしくみ
一方、普通徴収は、自治体から郵送される納税通知書・納付書を使って納税者本人が納める方法だ。雇用主のいない自営業者・個人事業主は、前年の確定申告によって計算された税額を自分で支払う。
毎月納付の特別徴収とは異なり、普通徴収は年4回(6月・8月・10月・翌年1月など)に分けて納めるケースが一般的だ。
■両方が同時に発生する「併用徴収」のケースもある
給与にかかる住民税は特別徴収で納める一方で、本業以外の事業所得や不動産所得などは普通徴収で納める場合もある。副業を持つ会社員や、複数の事業をおこなっている場合は、自分が住民税をどのように納付しているか把握しておこう。
自営業・個人事業主が普通徴収で住民税を納める流れ
自営業者やフリーランスなどの個人事業主の場合、住民税は普通徴収で納める。税額は前年の確定申告によって決まるため、申告内容と納付スケジュールの関係を押さえておこう。
■確定申告の所得が住民税額の基礎になる
住民税は、前年1月から12月までの所得金額をもとに計算される。個人事業主であれば、毎年2月から3月にかけて行う確定申告の内容が自治体に送られて住民税額の算定に使われるしくみだ。所得税の確定申告をすれば、住民税の申告は別途おこなう必要はない。
■普通徴収の納税通知書・納付書が届くタイミングと年4回の納期
普通徴収の納付書は6月頃に自宅へ届く。発送のタイミングは自治体によって前後するため、6月を過ぎても届かない場合は、居住地の自治体窓口に確認すると良いだろう。納付は6月・8月・10月・翌年1月の年4回に分けて行うのが一般的だが、6月に一括で納付することも可能だ。
■納付方法の選択肢
普通徴収の納付方法には、金融機関やコンビニエンスストアでの支払いに加え、口座振替、クレジットカード払い、スマートフォン決済アプリなど複数の選択肢がある。
クレジットカードやスマートフォン決済に対応しているかどうかは自治体や決済サービスによって異なるため、事前に自治体のホームページなどで確認しておこう。
副業をしている会社員の住民税が普通徴収になるケースと注意点
副業をしている会社員の場合、勤務先にばれるのを防ぐために副業分の住民税のみを普通徴収にしたい人も多いだろう。ただし、希望すれば必ず普通徴収を選択できるわけではなく、所得の種類や自治体の対応によって変わる点に注意したい。
■所得の種類によって住民税を普通徴収にできるかどうかが変わる
副業収入がアルバイトやパートなどの給与所得にあたる場合、その分の住民税は本業の特別徴収にまとめて組み込まれ、普通徴収に分けることが難しい傾向がある。
一方、副業の収入が原稿料などの雑所得や事業所得にあたる場合は、普通徴収を選択できるケースが多い。副業の所得がどの区分にあたるかを把握したうえで、住まいの自治体に対応を確認しよう。
■確定申告書で住民税の普通徴収を選ぶ手順
副業の住民税を普通徴収で納めたいときは、確定申告の際に作成する確定申告書(第二表)の「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の項目を「自分で納付」に設定すれば、普通徴収として処理される。
ただし、ここで対象となるのは「給与・公的年金等以外の所得にかかる住民税」なので、副業の収入が給与所得の場合は分離できない可能性が高い。また、自治体によっては特別徴収と普通徴収の併用そのものに対応していないケースもある。気になる場合は、住まいの自治体に確認しよう。
■副業所得が20万円以下の場合に必要な手続き
副業の所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要となる。ただし、住民税については、所得の大小にかかわらず申告が必要だ。住民税単体での申告は、自治体が窓口となるケースが多いため、20万円以下の副業収入がある場合は確認すると良いだろう。
退職・転職にともなう徴収方法の切り替え

会社を辞めると、特別徴収だった住民税の納め方が変わる場合がある。退職の時期によって納付の方法が異なるほか、転職先で特別徴収継続の手続きが必要になるケースもあるためしくみを押さえておこう。
■退職時期によって異なる住民税の扱い
退職の時期が1月から4月までの場合は、その時点で残っている住民税額が、最後の給与や退職金から一括して徴収されるのが一般的だ。また、5月に退職する場合は、5月分の給与から徴収されることで前年分の住民税は完納となる。
一方、6月から12月までに退職する場合は、残りの住民税額が普通徴収に切り替わり、自宅に納付書が届く(本人の希望により退職時に一括徴収を選ぶことも可能)。
■転職先で特別徴収を続けるための届出
退職後、間をあけずに転職する場合は、前の勤務先と新しい勤務先で「特別徴収継続」の申し出と「給与所得者異動届出書」の提出をおこなうことで、特別徴収を継続できる。
何も手続きをしなければ、退職時と同様、退社時期に応じて一括徴収(もしくは普通徴収への切り替え)がおこなわれるため、給与天引きでの納付を続けたい場合は、前職・転職先の両方に相談しよう。
■普通徴収になった後の納付忘れ・滞納に注意
退職などにより普通徴収に切り替わった場合、これまで会社が納めていた住民税を、納付期限までに自分で支払う必要がある。納付を忘れたまま期限を過ぎると延滞金が発生し、督促状が送付される場合もあるため、納付書が届いた場合は早めに支払いを済ませよう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。




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