プジョーの歴代ヒットモデルといえば、まず「20」シリーズが挙げられる。初代は1929年にプジョー初の量産車「201」。1937年まで生産された。続く「202」は1938~1945年に生産された。このクルマはヘッドライト2灯がセンターグリルに並んで点くという珍しいスタイルで話題になった。その後「203」(1948~1960年)、「204」(1961~1976年)、「207」(1983~1998年)、「208」が2012年~2019年で、次は「209」だと思われていたが、プジョーが車名の方針を変更したことで、2019年に登場した新型車も「208」を名乗った。
プジョー208のハイブリッドは買いか?街中で実感した燃費と走りの進化
今回、試乗したモデルは2019年にデビューした2代目「208」が2024年に大幅改良を受け、さらに2025年10月に最新のハイブリッド方式を導入したモデルだ。「208」は2019年に2代目になった時に電気自動車(EV)を発表しているが、ハイブリッドはその後に登場した最新モデルとなる。2024年に登場したモデルでフロントフェイスがライオンのかぎ爪を模した3本線のデイタイムランプとリアの3本の水平基調ラインだったが、ハイブリッドモデルもそれを踏襲している。
パワーユニットは直列3気筒1.2Lガソリンターボ、最高出力は100PS、最大トルクは205Nmで、これはノーマルの「208GT」と同じだが、組み合わされる変速機がノーマル版「GT」の8速ではなく、6速デュアルクラッチAT(eDCS)となっている。さらにハイブリッドモデルは約20PS、48Vバッテリー容量0.9kWhのモーターが組み合わされている。
車両重量はノーマル版GTが1160kgに対し、ハイブリッドは1230kgと70kgほど重いが、燃料はノーマルが17.9km/Lに対し、22.4km/L(いずれもWLTCモード)となっている。ハイブリッドシステムは、1.2Lエンジンと電動モーター内蔵の6速ATを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドを採用。電動モーターのアシストでスタート時の動きがスムーズになり、低回転域での加速が速くなる。ドライブモードを「スポーツ」に切り換えれば、トルクが増すのを体感することができる。
バッテリーへの充電は、ドライバーはコントロールできず、すべてクルマまかせ。走行中にわずかな振動でエンジンがかかったのがわかる程度だ。街中での走行時は、エンジン始動の有無についてはほとんどわからなかった。注意を払ってエンジン・モーターの駆動を確認してみると、時速30km以下ではモーター走行の割合が多い。
市街地では約半分をモーター主体で走行。スポーツモードでは力強い加速も
メーカーの資料によれば、信号待ちの多い市街地では1時間走行の約50%はエンジンを使用しない走行状態とある。実際に、それに近い割合で、市街地を低速で走行している時はモーター走行が多かった。燃費はノーマルモード主体の走行では15~17km/L。「エコ」モードを多用すれば、もう少し向上したかもしれない。
乗り心地に関しては、ノーマル版GTより70kg重くなっているため、それなりに足回りも強化しているように感じた。ノーマルモードでも低速でのゴツゴツ感、中速でのザラザラ感、高速での目地の乗り越えなどは、全体的に硬めだった。ネコ足と呼ばれていた頃のプジョーと比べると、硬めになった印象だ。ハンドリングも直進性が強く、コーナーでの切り込みも力を要した。
プジョーは、多くのモデルでメーター類をインパネの上方に置き、ハンドルの上からメーターを確認するというデザインを採用している。この「208GT Hybrid」もそうなのだが、メーターの上下幅が大きく、下の部分がハンドルに隠れてしまうことが多かった。ドライビングポジションを高めにすれば、解決するかもしれないが、そのポジションで運転するのには、ある程度の慣れを要する。
同時期に試乗したシトロエン「C3」は、やはりハンドルの上からメーターを見る方式を採用しているが、メーター部分の上下幅を薄くして、死角をなくすことに成功している。プジョーもこのデザインを参考にしてほしいものだ。居住性は前席の着座は高め、ドアウインドは大きく、室内は明るく、死角は少ない。
後席と荷室は日常使いに十分な広さ
後席は、着座位置が高くないので、前席のハイバックの背もたれが目の前にあり若干、圧迫感がある。足元は、ツマ先が前席下に入るので、窮屈ではないが、快適定員は2名。後席背もたれは6対4で前倒するが、荷台と段差があり、フラットにはならない。荷室の奥行きは約670mmだが、左右幅は950~1020mm、トノボードまで580mmあるので、容積は大きい。床面は、開口部から170mmも下にあるので、サブトランクは設定されていない。ゲートの開口部は路面から710mmとやや高めだ。
33万円差をどう考える?「208GTハイブリッド」の結論
「208」シリーズ初のマイルドハイブリッドは適度なスポーツ走行を楽しめるモデルだ。スタイリングもかつての「205」のように、おしゃれな雰囲気がある。ノーマル版GTとの価格差は33万円だが、街中走行の多いユーザーは、日常の足グルマとして一考する余地はあると思う。
■関連情報
https://www.peugeot.co.jp/range/new-peugeot-208/hybrid.html
文/石川真禧照 撮影/望月浩彦







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