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使い勝手もよし!ジープらしさも味わえるコンパクトSUV「アベンジャー 4×e ハイブリッド」

2026.06.23

「アベンジャー」は、ジープ兄弟の中でも最もコンパクトなモデルとして、日本では2024年9月に発売を開始した。ボディサイズは全長4.12m、全幅1.75m、全高1.6mなので、全長は日産の「ノート オーラ」とほぼ同じ。全幅は20mm広いぐらいなので、扱いやすいサイズのモデルとして人気になった。

そして、2024年9月に発表された「アベンジャー」は、ジープブランドとしては初の電気自動車(EV)だった。

今回、デビューしたのはEVをベースにガソリンエンジンを搭載したハイブリッドモデル。モーターももう1基追加して、4輪を駆動する4WDハイブリッドで、これはジープ史上初のモデルとなっている。

ジープ史上初の4WDハイブリッド、その実力は?

ジープが属しているステランティスグループは、フィアット、プジョー、シトロエン、DS、アルファロメオが傘下にある。そこではすでにモーター+エンジンのFF車が発売されているが、4WDモデルは初めてだ。パワーユニットは、ガソリンエンジンが直列3気筒1.2Lターボで、前輪用のモーターと始動用のモーターを前部に搭載。後輪用にモーターを配した4輪駆動だ。

基本的な考え方は、市街地ではモーターによる電動走行が中心で、必要に応じてエンジンを始動させて走行する方式である。1.2Lのターボエンジンは136PS、230Nm。モーターは前が21PS、51Nm、後ろが29PS、89Nmで6速のデュアルクラッチが組み合わされている。6速ミッションの操作はセンターコンソール上にあるP/R/N/D-Mのボタンを押して行なう。

この他にセレクトテレイン用スイッチがセンターコンソールに設けられている。このスイッチではSAD/MUD、SPORT、AUTO、SNOWの4つのモードが選べるようになっている。

試乗はAUTOモードでスタート。このモードではフロントのモーターが作動し、前輪駆動で走り出す。そのまま30km/hあたりでエンジンがかかり、90km/hぐらいまでは必要な時に後輪用モーターが作動する。さらに高速になると、前輪駆動に切り替わり、高速走行を続ける。こうした駆動力の動きはメーター内のインジケーターで表示される。モードを変えてみる。SPORTモードではスタートから4輪駆動で、80km/hあたりまで引っ張り、それ以上では前輪のみの駆動になる。SAND/MUDやSNOWは、30km/hまでは常に4輪駆動だ。

メーターを確認しなくても、エンジンが始動しているのは、SPORTモードで、アイドリングしている時に、1000回転あたりで振動と音を体感することができた。メーカーの資料によると、市街地走行中の50%以上はエンジン停止状態で走行すると記載されている。たしかに、同じユニットのFF車であるプジョー「308」などは、EV走行が多かったが、それに比べると「アベンジャー」は、一般道を走行している時にエンジン走行が多かったように感じた。このあたりのセッティングはそれぞれのブランドが独自に行っているのだろう。

ハンドリングに関してだが、高速度域に達してからは、やや重めの操舵力で、直進性の強い、前輪駆動らしい動きを感じた。コーナーは切り込み時の抵抗が強くなった。しかし、全域でやや重めのどっしり感のある動きは安心感があった。

今回は体験できなかったが、SAND/MUDやSNOWでは、スタートからモーターも加わった4輪駆動なので、アクセルレスポンスにタイムラグがなく安定感のある動きが体験できるはずだ。操安性に関しては、特に4WD化にあたり、リアサスペンションの形式を、独自のマルチリンク式に変更したことで、荒れた路面での走破性が向上している。オンロードでもワインディングでの走りは、リアの安定感が高い印象だった。最低地上高もEVより高く、210mmなので、ジープらしいオフロード走行もできる。

運転支援機能や先進安全運転機能に関しては、標準装備項目も多く、安心感がある。室内は基本的にはEVの「アヴァンジャー」と同じ。前席の着座位置はやや高めで、後席は前席と比較すると、着座は高くはなく、前方視界はやや低め。足元も中央のトンネルがやや高いので狭い。

ラゲージスペースも広さはEVモデルと同じだが、床下のサブトランクは、EVが充電ケーブルの収納部だったのに対し、発泡スチロールの箱状の入れものが入っていた。これを取り外せば、深さ12cmほどの床の低いサブトランクとして使える。ここが相違点だった。

結論として「アベンジャー ハイブリッド」はボディサイズもコンパクトで使い勝手がよく、ガソリン+モーターの走りも市街地から高速道路、ワインディングまで気持ちよい走りを楽しむことができた。おそらく本格的なオフロードでも、モーターを使った走りがトルクフルで、アクセルレスポンスのよい動きを体感させてくれるはず。新しく採用されたリアサスの働きもジープのワイルドな世界をさらに拡げてくれるに違いない。

車両本体価格は499万円で、EV版の「アベンジャー」(580万円)より安いが、政府の補助金89万円+地方自治体の補助金を合わせると、EVのほうが安くなるはずだ。購入する時に、どっちを選ぶべきか悩むところだが、ハイブリッドリアサスの走破力や最低地上高を考慮すると、多少、高額でもハイブリッドモデルを選びたい。無いものねだりの組み合わせだが、リアサスと最低地上高がハイブリッドモデルと同じなら、EVモデルというのも面白い選択肢だと思う。

■関連情報
https://www.jeep-japan.com/avenger-4xe-hybrid.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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